(参考資料)「懐月堂派と俳諧に関する一試論」門脇むつみ著(『浮世絵芸術』145巻 2003年刊)
 ☆ 享保十五年(1730)
 ◯「日本古典籍総合目録」(享保十五年刊)
  ◇俳諧
   『二子山』豊島弥右衛門(露月)撰 須原屋茂兵衛板「享保十五中冬」(画像)
   (画)財峨 瑞英青瓐 白鳳雪岑〔福王〕音雪 懐月堂常仙自画 蘭卜 休真 素後 似川 石中子
    露月 政信 英一蜒 古信 左龍隣松雨自画 沾峩自画 長川 花江 常辰 枝燕〈青瓐は岡田米仲〉
   (句)常仙・南燭堂指水など
    懐月堂常仙自画『二子山』の署名
 ☆ 享保十七年(1732)壬子
 ◯「日本古典籍総合目録」(享保十七年刊)
  ◇俳諧
   『倉の衆』露月編 湖十跋 万屋清兵衛板「享保十七中夏」(画像)
   (画)懐月堂指水 英一蝶 白鳳雪岑[福王] 音雪 休真 青瓐 財峨 秀圃 など
   (句)露月 才牛 青瓐の句あり 
    懐月堂指水画 『倉の衆』の署名
    〈指水、句を読むときは南燭堂、作画するときは懐月堂と称していたか。気になるのは指水・常仙ともに落款の花押が同じ
     デザインであること〉
 ☆ 享保十八年(1733)
 ◯「日本古典籍総合目録」(享保十八年刊)
  ◇俳諧
   『名物鹿子』露月編 常仙・南燭堂指水の句あり 他に乾什 来川 湖十 超波など
             謙亭の句に「長鶴画」
    長鶴画画 『名物鹿子』署名
    〈長鶴もまた懐月堂常仙・懐月堂指水画と同じ花押を使っている。元文元年刊『鳥山彦』の記事によれば、常仙と長鶴は父
     子の由、してみると、指水は長鶴同様家族あるいは血族のひとりではなかろうか〉
 ☆ 延享二年(1745)乙丑
 ◯「日本古典籍総合目録」(延享二年刊)
  ◇俳諧『俳諧時津風』尾雨亭果然編 時々庵「延享二春三月」跋 
   (画)「七十翁画」(句)常仙 故長鶴「指水」の句あり 他に紀逸 乾什 少長
   〈上掲「懐月堂派と俳諧に関する一試論」は「七十翁画」を常仙の署名とする。長鶴は故人〉
 ☆ 宝暦元年(寛延四年・1751)辛未
 ◯「日本古典籍総合目録」(寛延四年)
  ◇俳諧『辛未歳旦』楼川編 常仙「指水」青麦堂長鶴の句あり
 ◯『浮世絵年表』p86(漆山天童著・昭和九年(1934)刊)
  「享保一七年 壬子」(1732)
  〝五月、俳士豊嶋露月の撰俳書『倉の衆』三冊出版。福王雪岑・二代英一蝶・懐月堂指水等の挿画なり〟