◯「西川祐信画譜」(宮武外骨編 雅俗文庫 明治四十四年(1911)九月刊)
(『浮世絵鑑』第三巻所収・国立国会図書館デジタルコレクション)
◇森尚国(47/53コマ)
〝『本朝画家人名録』に「尚国は森氏、京都の人、宝暦十三年版『花王伊勢物語』あり、長谷川永春(光
信)と共に画く、西川祐信門人か」とあり、未だ其実物を見ざるにより、其当否判定し難し〟
◯『浮世絵師伝』p143(井上和雄著・昭和六年(1931)刊)
〝尚国
【生】 【歿】 【画系】 【作画期】宝暦
大阪の人、森氏、祐信風の画を描く。宝暦十年版『花王伊勢物語』に、長谷川光信と共に挿画あり〟
〈「日本古典籍総合目録」には『花王伊勢物語』は長谷川光信画・享保六年(1721)刊とあって、森尚信の名は見え
ない。ただ「著作注記」に〝宝暦一三年に口絵を彫り足し、「伊勢物語女訓大全」「伊勢物語教訓文」として板
行〟とあり、また、元文三年(1738)版・延享四年(1747)版もあるから、『浮世絵師伝』のいう『花王伊勢物語』
とは、あるいは宝暦十年(1760)に尚国の絵を増補して出版したものであろうか〉