く-全絵師
◯『名人忌辰録』下巻p2(関根只誠著・明治二十七年(1894)刊)
〝歌川国重 一龍斎
初代豊国門人、俗称源蔵、後二世豊国と改め、障有て又元の国重と成る。天保六未年十一月朔日歿す、
歳五十九〟
〈三代目歌川豊国(初代国貞)の項目にある国重記事〉
〝一龍斎国重、故豊国の号を嗣て二世と称し夭死す、故に国貞は則三世豊国なり。(中略)
国重、文政の末、故豊国の後家に通じて此名を貰ひ二世豊国と名乗る、此時にや或人の吟に「歌川をう
たがはしくも名のりえて二世の豊国贋の豊くに」かくて同門一同不承知にて遂に素人と成り本郷三丁目
に住し瀬戸物商をなす)〟
◯『狂歌人名辞書』p69(狩野快庵編・昭和三年(1828)刊)
〝歌川国重、通称源蔵、初代豊国門人一龍斎、又、一瑛斎と号す、後ち自ら二世豊国と名乗りしが同門の
物議を生じ再び国重に復す、世人呼んで本郷豊国といふ、(二代豊国を看よ)〟