Top浮世絵文献資料館浮世絵師総覧
 
☆ きよしげ とりい 鳥居 清重 二代浮世絵師名一覧
〔生没年未詳〕
   ☆ 嘉永六年(1853)    ◯『筆禍史』「当代全盛高名附」(嘉永六年・1853)p160(宮武外骨著・明治四十四年刊)   〝吉原細見に擬して、当時名高き江戸市内の儒者和学者俳諧師狂歌師等をはじめ諸芸人に至るまで数百人    名を列配し、其名の上に娼妓の如き位印を附けたる一小冊なり、末尾に「嘉永六年癸丑之義、玉屋面四    郎蔵板」とあり    これは吉原の細見に擬して、嘉永六年に出版した『当代全盛高名附』の一葉を原版のまゝ模刻したので    ある、曲亭馬琴、山東京伝、式亭三馬、柳亭種彦、初代歌川豊国、葛飾北斎、渓斎英泉等の如き大家没    後の文壇が、如何に寂寞たりしかを知るに足るであろう。    因みにいふ、右『当代全盛高名附』の作者及び版元は、吉原細見の版元より故障を申込まれ「細見株を    持てる我々に無断で、細見まがひの書冊を出版するとは、不埒至極である」との厳談を受け、結局あや    まり証文を入れて、書冊は絶版とする事で、漸く示談が附いたとの伝説がある、今日は他人の出版物に    擬した滑稽的の著作は勿論、其正真物に似せたイカサマ物を出版しても、咎められない事になつて居る    が、旧幕時代には右の伝説の如き事実があつたらしい(此花)        【吾妻】錦   浮世屋画工部    (上段)     豊国 にかほ   国芳 むしや  広重 めいしよ  清満 かんばん  春亭 花てふ     貞秀 かふくわん 国輝 むしや  芳虎    (中段)      国貞 やくしや  国盛 をんな  国綱 芳宗 芳艶 清亢 芳藤 芳玉 直政    (下段)      国麿 清重 芳員 芳雪 広近 春徳 春草 房種 芳豊      かむろ       やく者 にがを むしや めい処 けしき をんな 草そうし うちわゑ かわりゑ       すごろく かんばん     やりて        ◎◎〟    〈「日本古典籍総合目録」はこの『当代全盛高名附』の統一書名を『江戸細撰記』としている。この清重を二代と見た。     もっとも下掲『浮世絵師伝』の清重二代の作画期が文政となっているので、断定はしかねる〉
   「当代全盛高名附」「浮世屋画工郎」〈早稲田大学図書館「古典籍総合データベース」〉    ☆ 没後資料    ◯『浮世絵師伝』p31(井上和雄著・昭和六年(1931)刊)   〝清重 二代    【生】  【歿】  【画系】二代清満門人 【作画期】文政    鳥居を称す〟