Top浮世絵文献資料館浮世絵師総覧
 
☆ ふさたね うたがわ 歌川 房種(桜斎)浮世絵師名一覧
〔明治二十年代後半没?〕
   「桜斎房種」 靄軒生著(『【江戸生活研究】彗星』第三年 八月号)    〈生没年に関して「旧藩の分家再興に際し、選ばれて三太夫となつて画筆を投じたのが明治二十四年頃で、幾干(いくば     く)もなく六十余歳で没した」とある。すると、明治二十年代半ば過ぎには亡くなったようだ。三太夫とは経理担当の     意味だが「画筆を投じ」とあるから画業でもって、分家再興に貢献したというのであろうか〉    別称 桜斎 一笑斎 一飄(瓢?)斎 通称 村井静馬  ※①〔目録DB〕〔国書DB〕:「日本古典籍総合目録」「国書データベース」(国文学研究資料館)   ⑤〔東大〕  :『【東京大学/所蔵】草雙紙目録』    『【明治前期】戯作本書目』日本書誌学大系10・山口武美著    角書は省略。①~⑥は「合巻年表」の出典。◎は表示不能あるいは難読文字  ☆ 嘉永六年(1853)    ◯『当代全盛高名附』「嘉永六年癸丑之義、玉屋面四郎蔵板」   〈早稲田大学図書館「古典籍総合データベース」〉   〝【吾妻】錦   浮世屋画工部    豊国 にかほ    国芳 むしや   国貞  国麿  かむろ    広重 めいしよ  国盛  清重   やく者    清満 かんばん  国綱  芳員   にがを    春亭 花てふ   芳宗  芳雪   むしや    貞秀 かふくわん 芳艶  広近   めい処    国輝 むしや   清亢  春徳   けしき    芳虎       芳藤  春草   をんな              芳玉  房種   草そうし             直政  芳豊   うちわゑ                      かわりゑ                      すごろく                      かんばん                     やりて                        ◎◎〟     〈「日本古典籍総合目録」はこの『当代全盛高名附』の統一書名を『江戸細撰記』としている〉
   「当代全盛高名附」「浮世屋画工郎」〈早稲田大学図書館「古典籍総合データベース」〉    ☆ 安政元年(嘉永七年・1854)甲寅    ◯「合巻年表」(安政元年刊)    房種画    『須磨浦後廼白浪』初編 表紙「房種画」上巻 国輝画 下巻「一笑斎房種画」瓢々亭泉成作 ①  ☆ 安政二年(1855)     ◯「合巻年表」(安政二年刊)    歌川房種画    『糸桜春蝶奇縁』二編「一笑斎房種画」一笑斎房種綴 曲亭馬琴作遺作 森治板 ① 改印-村松・福島 丑二    (見返担当)    『庭訓朝顔物語』七編 見返「房種画」 歌川国貞画 京山老人作 ⑤〈六編の書誌中にあり〉    ☆ 安政三年(1856)     ◯「合巻年表」(安政三年刊)    歌川房種    『再玆相馬之旧縡』初・二編 歌川房種画 瓢々閑人作 ①(注記「日本小説年表による」)    (見返担当)    『桜姫俤双紙』二編 見返「房種画」一猛斎芳虎画」山東京山作 ①  ☆ 安政六年(1859)    ◯「双六年表」〔本HP・Top〕   「新板一口調葉唄双六」「一笑斎房種画」海老屋林之助 安政6年11月  ②  ☆ 万延元年(安政七年・1860)庚申    ◯「読本年表」    歌川房種画『島川顕勇伝』房種画 招禄翁作 藤岡屋慶治郎板 ⑫〈書誌による〉  ☆ 文久元年(万延二年・1861)(改印:酉月改)    ◯「双六年表」〔本HP・Top〕   「東都名物遊覧双六」「一笑斎房種画」海老林梓 改印「酉十一改」①  ☆ 慶応元年(元治二年・1868)  ◯『歳成記』(風鈴山人著 玉家如山蔵板 乙丑仲秋(慶応元年八月)刊)   (国立国会図書館デジタルコレクション)◎は難読文字( )は本HPの注記   〈当時人気のあった浮世絵師や戯作者などを吉原細見に擬えて格付けしたもの〉   〝浮世屋絵四郎 〈浮世絵師〉    (一段目)清満(不明)   貞秀 おふなぐら 芳虎 京ばし   芳艶 ほん丁         国貞 ほんじよ  広重 中はし   芳幾 すは丁   国周 ひもの丁    (二段目)芳藤 下や    芳年 中はし   国輝 おふなぐら 房種(不明)         芳豊 ◎大き◎丁 芳春 あさくさ  芳盛 下や    国久 やなぎ原         国孝 やなぎ原    (三段目)国時 芳富 重次 重清 芳延 芳滝 艶豊 艶政 幾丸 幾年     やくしや/にがほ/むしや/めい/しよ/けしき/女ゑ/合くはん     かはりゑ/ゑでほん/かき入/きはもの/かんばん/あふぎ     (役者 似顔 武者 名所 景色 女絵 合巻 変わり絵 絵手本 かき入? 際物 看板 扇)     やりて せり(遣手 ?)〟    〈明治元年の『歳成記』も参照のこと〉  ☆ 慶応二年(1866)    ◯「双六年表」〔本HP・Top〕   「源氏絵合かるた」一笑斎房種画 板元未詳 慶応2年10月 ②  ☆ 慶応三年(1867)  ◯「往来物年表」(本HP・Top)〔国書DB〕    歌川房種画『万宝古状揃文鑑』見返し「房種画」森屋治兵衛 慶応三年九月再刻    〈図様は安政3年版と同じだが画工が異なる〉  ☆ 刊年未詳    ◯「双六年表」〔本HP・Top〕   「新板道中寿ご録」「房種画」 若狭屋与市 ②  ☆ 明治元年(1868)    ◯『歳成記』(風雷山人著 玉家如山蔵板 戊辰仲冬(明治元年十一月)刊)   (国立国会図書館デジタルコレクション)※◎は難読文字   〝浮世屋絵四郎    (一段目)貞秀 芳虎 芳幾 芳年 国周 国輝 国貞 国明    (二段目)芳春 芳盛 芳藤 房種 重次 広重 重清 国久 一豊 国歳 芳富     (三段目)芳延 国時 国玉 芳豊 芳信 艶長 幾丸 年晴 周延 年次     かぶろ/おい/らん/どう/ちう/すがた/大に/しき/がう/くわん     げたい/なかみ     (禿 花魁 道中姿 大錦 合巻 外題 中味)     やくしや/にづら/大くび/丸◎/めい/しよ/けしき〟     (役者 似顔 大首 丸◎? 名所 景色)     やりて く◎り(遣手 ?)    〈格付けは慶応元年の擬え細見『歳成記』とほぼ同じ〉    ☆ 明治八年(1875)  ◯「国立国会図書館デジタルコレクション」(明治八年刊)    村井静馬著『明治太平記』口絵・挿絵 鮮斎永濯 村井静馬 延寿堂(1-8編 3月~10月)    〈村井静馬の画工名は桜斎房種。上掲、靄軒生著「桜斎房種」によると、本書の「作者は染崎延房で、彼れは名     をかしたまでゞある」という。〉  ☆ 明治九年(1876)    ◯『【明治前期】戯作本書目』   ◇歴史戦記(明治九年刊)    桜斎房種画『徳川戦記』三編三冊 桜斎房種画 村井静馬編 小森宗次郎版(合巻)    ◯「国立国会図書館デジタルコレクション」(明治九年刊)    村井静馬    『明治太平記』口絵・挿絵 鮮斎永濯 村井静馬 延寿堂(9-13編 2月)    『徳川軍記』 挿絵・表紙 無署名(房種) 村井静馬 小森宗次郎(10月)    『新聞噺』  挿絵・表紙 無署名(房種) 村井静馬 小森宗次郎(10月)    『文福茶釜』 挿絵・赤表紙 多色摺 無署名(房種) 村井静馬 小森宗次郎(10月)1銭5厘    『桃太郎噺』 挿絵・赤表紙 多色摺 無署名(房種) 村井静馬 小森宗次郎(10月)    『狐の嫁入』 挿絵・赤表紙 多色摺 無署名(房種) 村井静馬 小森宗次郎(10月)     〈署名はないが、著者が村井静馬(房種)であることから自画と見た〉    『文福茶釜』(国立国会図書館デジタルコレクション画像)     奥付「著者 南本所外手町十八番地 長崎県士族 村井清馬」  ☆ 明治十年(1877)  ◯「国立国会図書館デジタルコレクション」(明治十年刊)    村井静馬    『鹿児島戦争日記』挿絵 房種自画 村井静馬 辻岡文助(1-8号 3月)    『鹿児島紀事』  口絵・挿絵・表紙 房種自画 村井静馬 綱島亀吉(4月)    『西郷隆盛一代記』口絵・挿絵 村井静馬画 羽田富次郎 浦野浅右衛門(真書1 12月)     〈明治12年の項参照〉  ◯「鹿児嶌紀聞」三枚続 桜斎房信 辻岡文助版 四月届 〈西南戦争絵〉    署名「桜斎房信」「本所外手丁十八番地 画工 村井静馬」     ◯「静岡県立中央図書館デジタルライブラリー おもちゃ絵」    村井静馬画    「鹿児嶋戦争」  画工村井静馬 小森宗次郎 8月14日届(一枚三場面図)    「鹿児嶋戦争の図」画工村井静馬 小森宗次郎 9月届  (一枚三場面図)    「鹿児嶋戦争」  画工村井静馬 小森宗次郎 9月26日届(組物)    「鹿児嶋戦争の図」画工村井静馬 小森宗次郎 9月26日届(一枚四場面図)    ☆ 明治十一年(1878)    ◯「合巻年表」(明治十一年刊)/h>     歌川房種画    『小倉山青樹栄昔日新話』初-三編「桜斎房種画」泉竜亭是正(羽田富次郎)著 小林板 ⑤    ◯『【明治前期】戯作本書目』   ◇戯作小説(明治十一年刊)    歌川房種画    『昔日新話』五編十冊 房種画 泉龍亭是正著(合巻)          表紙に「桜斎房種画」〈早稲田大学図書館「古典藉総合データベース」画像〉    ◯「国立国会図書館デジタルコレクション」(明治十一年刊)    村井静馬画    『明治太平記』15-23編 村井静馬 口絵・挿絵 鮮斎永濯 延寿堂(2・4・11・12月)    『西郷隆盛一代記』真書2-5 口絵・挿絵 村井静馬画 羽田富次郎 浦野浅右衛門(2・5・9月)             真書二の見開きに「村井静馬図画」真書四の見開きに「村井房種」とあり    「大晦日盛衰振分双六」錦絵 双六「桜斎房種画作」「画工村井静馬」綱島亀吉板 定価十七銭  ☆ 明治十二年(1879)     ◯「合巻年表」(明治十二年刊)/h>    歌川房種画    『東京奇聞(其名も高橋毒婦の小伝)』     初-三編「桜斎房種画」岡本勘造綴・芳川俊雄閲 綱島板 ⑤    『小倉山青樹栄昔日新話』四・五編「桜斎房種画」泉竜亭是正(羽田富次郎)著 小林板 ⑤    『島田一郎梅雨日記』  初-五編「桜斎房種画」芳川春涛閲・岡本起泉編 綱島他板 ⑤    『五人懺苦魔物語』   二・三編「桜斎房種画」柳水亭種清作 小林板 ⑤    『鼠裱甲子真聞』      初編「桜斎房種画」泉竜亭是正著 羽田富次郎板 ⑤    ◯『【明治前期】戯作本書目』   ◇戯作小説(明治十二年刊)    歌川房種画    『島田一郎梅雨日記』初-五編十五冊 桜斎房種画 岡本起泉編 島鮮堂(合巻)    『五人殲苦魔物語』 三編九冊 房種・周重画  柳水亭種清編 延寿堂(合巻)    『鼠裱甲子真聞』  三編九冊 房種画 泉龍亭是正作 延寿堂(合巻)    『東京奇聞』  七編二十一冊 房種画 岡本勘造綴  島鮮堂(合巻)    ◯「国立国会図書館デジタルコレクション」(明治十二年刊)    歌川房種画    『籬の菊操鏡』口絵・挿絵・表紙 房種 京文舎文京 青盛堂(3編 11月)〈署名は下の見返し及び巻末・合巻〉     ☆ 明治十三年(1880)     ◯「合巻年表」(明治十三年刊)/h>    歌川房種画    『鼠裱甲子真聞』二・三編「桜斎房種画」泉竜亭是正著 延寿堂板 ⑤    『庚申通夜譚』 初・二編「桜斎房種画」泉龍亭是正記 栄光堂板 ⑤    ◯『【明治前期】戯作本書目』   ◇戯作小説(明治十三年刊)     歌川房種画『朝顔日記』上下二冊 房種画 柳水亭種清綴 小林鐵二郎(合巻)   ◇翻訳・翻案(明治十三年刊)    歌川房種画『西遊庚申通夜譚』六冊 房種画 泉龍亭是正記 栄光堂  ◯「国立国会図書館デジタルコレクション」(明治十三年刊)    村井静馬著『明治太平記』口絵・挿絵 鮮斎永濯 村井静馬 延寿堂(24編 12月)    〈刊行は明治八年から〉    ◯「双六年表」〔本HP・Top〕   「新板古今名婦双六」「桜斎房種画作」綱島亀吉 明治13年11月 ①    ◯『皇国名誉書画人名録』番付 東京(北尾卯三郎編集・出版 明治十三年一月届)   (東京文化財研究所・明治大正期書画家番付データベース)   〝浮世画 桜斎房種 本所外手町〟     (他に暁斎・永濯・芳年・国周・広重Ⅲ・周延・芳幾・芳藤・芳虎・年信・梅堂国政・芳春)  ☆ 明治十四年(1881)    ◯「合巻年表」(明治十四年刊)/h>    歌川房種画    『幻阿竹噂廼聞書』初-三編「桜斎房種画」岡本起泉綴・芳川春涛閲 綱島板 ⑤    『月雲雁玉章』    初編「桜斎房種画」伊東専三著 堤彦兵エ板 ⑤     ◯『【明治前期】戯作本書目』   ◇戯作小説(明治十四年刊)    歌川房種画    『八百屋於七噂の立額』三編九冊 房種画 村井静馬編 小森宗次郎(合巻)    『水天宮御霊験記』 上中下三冊 房種画 桜斎房種綴 紅木堂(合巻)    『幻阿竹噂の聞書』  三編九冊 房種画 岡本起泉綴 島鮮堂(合巻)    『籬の菊操鏡』    三編九冊 芳虎・房種画 渡辺文京綴 青盛堂(合巻)    『月雲雁玉章』    三編九冊 房種画 伊藤専三作 青盛堂(合巻)  ◯「国立国会図書館デジタルコレクション」(明治十四年刊)    桜斎房種画『役者教訓妙々奇談』 口絵・挿絵 桜斎房種 泉竜亭是正 栗園(初編 6月)   ◇合巻(明治十四年刊)    桜斎房種画    『幻阿竹噂の聞書』  口絵・挿絵・表紙 桜斎房種 岡本起泉 島鮮堂(2-3編 1月)    『水天宮御霊験記』  口絵・挿絵・表紙 房種   村井静馬 小森宗次郎(上中下 9月)    『八百屋於七噂の立額』口絵・挿絵・表紙 村井静馬編・画   小森宗次郎(上下 9月)    『月雲雁玉章』    口絵・挿絵・表紙 桜斎房種 伊東専三 青盛堂(1-3編 9月)    ◯「おもちゃ絵年表」〔本HP・Top〕    房種画「小児教育鳥画」「ふさ種画」小林新吉 明治24年6月 ⑥    (鶴 ・雉・孔雀・郭公(ホトトギス)・鴛鴦・ビバリ)  ◯『明治文雅都鄙人名録』(岡田霞船編 聚栄堂 明治十四年四月刊)    (国立国会図書館デジタルコレクション)   〝画 村井房種 静馬 本所外手町十八番地〟    浮世絵師 人名録(『明治文雅都鄙人名録』・『現今東京文雅人名録』)  ◯『現今東京文雅人名録』(竹原得良編 橋本定吉 明治十四年六月刊)   (国立国会図書館デジタルコレクション)   〝画 村井房種 静馬 本所外手町十八番地〟  ◯「月の姿見 先代萩」団扇絵 房種画(早稲田大学 浮世絵データベース)    落款「応需 房種筆」    刊記 御届明治十四年二月二十八日/堀江町二丁目一バンチ/出板人 佐藤伊世       本所外手町十五バンチ 画工 邑井静馬」  ☆ 明治十五年(1882)     ◯「合巻年表」(明治十五年刊)/h>    歌川房種画    『月雲雁玉章』二・三編「桜斎房種画」伊東専三著 堤吉兵エ板 ⑤                 (備考「序年記により明治十五年春」)    『籬の菊操鏡』  三編「桜斎房種画」渡辺文京著 序「明治十五年春」堤吉兵エ板 ⑤    ◯「国立国会図書館デジタルコレクション」(明治十五年刊)    桜斎房種画    『役者教訓妙々奇談』口絵・挿絵 桜斎房種 泉竜亭是正 栗園(2-3編 3月)  ◯『明治文雅都鄙人名録』(岡田霞船編 聚栄堂 明治十五年五月刊)    (国立国会図書館デジタルコレクション)   〝画 村井房種 静馬 本所外手町十八番地〟    〈明治14年版人名録と同じ〉     <六月 曲馬(石川清馬)愛宕山石段>  ◯「見世物興行年表」(ブログ)   「(騎馬石段登り降りの図)」錦絵 房種筆 版元不明    ◯「明治年代合巻の外観」三田村鳶魚著『早稲田文学』大正十四年三月号(『明治文学回想集』上83)    〈鳶魚は従来の整版(木版)合巻を江戸式合巻と呼び、明治十五年から登場するという活版の合巻を東京式合巻と呼ん     で区別している〉   〝(東京式合巻)清新闊達な芳年の筆致は、百年来の浮世画の面目を豹変させた。彫摺りも実に立派であ    る。鮮斎永濯のもあったが上品だけで冴えなかった。孟斎芳虎のは武者絵が抜けないためだか引立ちが    悪く、楊州周延のは多々益(マスマ)す弁じるのみで力弱く、桜斎房種のも穏当で淋しく、守川周重のもた    だ芝居臭くばかりあって生気が乏しい。梅堂国政と来ては例に依って例の如く、何の面白みもなかった。    やはり新聞の挿画を担当する人々の方が、怜悧な往き方をするので際立って見えた。その代り芳年まが    いを免かれぬ『絵入自由新聞』の一松斎芳宗、『絵入朝野新聞』の香蝶楼豊宣、それにかかわらず一流    を立てていたのに『絵入新聞』の落合芳幾、『開花新聞』の歌川国松がある。尾形月耕は何新聞であっ    たか思い出せないが異彩を放っていた。東京式合巻は主として新聞画家から賑わされたといって宜しか    ろう〟    ☆ 明治十六年(1883)    ◯『【明治前期】戯作本書目』   ◇戯作小説(明治十六年刊)    歌川房種画    『皿屋敷於菊之実伝』上下二冊 房種画 泉龍亭是正作 羽田富次郎(合巻)    『文政松本日記』  上下二冊 房種画 笑留亭蒐女作 羽田富次郎(合巻)  ◯「国立国会図書館デジタルコレクション」(明治十六年刊)    桜斎房種画    『新古侠客英名伝』 口絵・挿絵 桜斎房種 村井静馬 榎本直樹(9月)   ◇合巻    『皿屋敷於菊之実伝』口絵・挿絵・表紙 桜斎房種 羽田富治郎 羽田富治郎(上下 5月)    ☆ 明治十七年(1884)    ◯『【明治前期】戯作本書目』   ◇戯作小説(明治十七年刊)    歌川房種画『札廼辻雨夜の濃紅』二編四冊 房種画 津田秀琳編 紅木堂(合巻)   ◇伝記(明治十七年刊)    歌川房種画『英雄武者揃』一冊 房種画 村井静馬編 本屋幸助          口絵「桜斎房種」〈国文研・近代画像DB〉    ◯「国立国会図書館デジタルコレクション」(明治十七年刊)    桜斎房種画    『三国妖婦伝』    口絵・挿絵    桜斎房種 竜亭是正 小森作太郎(前編 5月)    『古今侠客英名水滸伝』口絵・挿絵    桜斎房種 伊藤倉三 金盛堂 (5月)    『児雷也豪傑物語』  口絵・挿絵・表紙 桜斎房種 竜亭是正 岡田伴治(上下 7月)    『英雄武者揃』    口絵・挿絵    桜斎房種 村井静馬 金英堂 (8月)    ☆ 明治十八年(1885)  ◯「国立国会図書館デジタルコレクション」(明治年十八刊)    房種画『三国妖婦伝』口絵・挿絵 桜斎房種 竜亭是正 高橋曙(7月)    ◯『東京高名鑑』(加藤新編 滝沢次郎吉出版 明治十八年十一月刊)   (国立国会図書館デジタルコレクション)   〝生田芳春 早川松山 橋本周延 長谷川雪光 長谷川周春 蜂須賀国明 梅素薫  豊原国周    大村一蜻 大竹国房 恩田幹延 尾形月耕  落合芳幾  渡辺省亭  河鍋暁斎 金木年景    竹内国政 月岡芳年 永島孟斎 村井房種  歌川芳藤  歌川国松  歌川国久 野坂年晴    松本楓湖 松本豊宣 松本芳延 小林清親  小林永濯  安藤広近  安藤広重 安達吟光    新井年雪 荒川国周 柴田是真 鳥居清満  守川国重  鈴木華邨〟  ☆ 明治十九年(1886)  ◯「国立国会図書館デジタルコレクション」(明治十九年刊)    房種画    『源平盛衰記』口絵・挿絵 自画(房種) 村井静馬 小森宗次郎(上下 4月)(整版・合巻)  ☆ 明治二十年(1887)    ◯『【明治前期】戯作本書目』   ◇戯作小説(明治二十年刊)    歌川房種画『愛宕山馬術勲』一冊 房種画 岡田霞船著 聚栄堂(合巻)  ☆ 明治二十一年(1888)  ◯「国立国会図書館デジタルコレクション」(明治二十一年刊)    房種画(見開き絵に文 整版)   〔森本順三郎編集・出版 6-8丁〕   『義経一代記』  挿絵・表紙 房種 (2月)   『白浪五人男伝』 挿絵・表紙 無署名(2月)   『煙草屋喜八伝』 挿絵・表紙 無署名(3月)   『頼光一代記』  挿絵・表紙 無署名(3月)   『木曽義仲記』  挿絵・表紙 無署名(3月)   『徳川軍記』   挿絵・表紙 房種 (4月)   『伊賀越仇討』  挿絵・表紙 無署名(9月)   『里見八犬伝』  挿絵・表紙 無署名(9月)   『加藤清正一代記』挿絵・表紙 無署名(9月)   『義経一代記』  挿絵・表紙 無署名(9月)    〈無署名のものも房種か〉    ☆ 明治二十五年(1892)  ◯「国立国会図書館デジタルコレクション」(明治二十五年刊)    桜採房種画    『渋川流名誉柔術』口絵 香蝶豊宣・挿絵 桜斎房種・表紙 習古? 岡田霞船 大川屋(3月)  ☆ 刊年不明    ◯「日本古典籍総合目録」(国文学研究資料館)   ◇絵本・絵画(刊年不明)    歌川房種画『絵本十二月』二冊 歌川房種画?    ☆ 没後資料    ◯『浮世絵師便覧』p226(飯島半十郎(虚心)著・明治二十六年(1893)刊)   〝房種(タネ) 村井氏、俗称静馬、一笑斎、又一飄斎と号す、歌川風、◯明治〟    ☆ 明治三十一年(1898)  ◯『浮世絵備考』(梅本塵山編 東陽堂 明治三十一年六月刊)   (国立国会図書館デジタルコレクション)(90/103コマ)   〝一笑斎房種【明治元年~三十年 1868-1898】村井氏、通称静馬、一瓢斎とも号す〟  ☆ 刊年未詳    ◯「双六年表」〔本HP・Top〕   「善悪振分双六」桜斎房種 辻岡屋亀吉 不詳 ⑪  ◯「集古会」第百四十二回 大正十二年(1923)五月(『集古』癸亥第四号 大正12年8月刊)   〝森潤三郞(出品者)一笑斎房種画 源氏絵合かるた 一枚〟  ◯「集古会」第百六十四回 昭和三年一月(『集古』戊辰第二号 昭和3年2月刊)    浅田澱橋(出品者)桜斎房種画 三段目清元浄瑠璃双六〟  ◯「日本小説作家人名辞書」p705(山崎麓編『日本小説書目年表』所収、昭和四年(1929)刊)   〝一笑斎房種    歌川房種の別号、江戸の浮世絵家。歌川国房の門人か。「春蝶奇縁」三編(安政四年(1857)刊)の作者〟    〈「日本古典籍総合目録」は『糸桜春蝶奇縁』四編・曲亭馬琴作・一笑斎房種綴・歌川房種画・安政四年刊、とする〉    ◯「集古会」第百七十九回 昭和六年一月(『集古』辛未第二号 昭和6年月刊)   〝浅田澱橋(出品者)明治初期双六      房種筆 三段目清元浄瑠璃双六 / 六段目同〟  ◯『浮世絵師伝』p164(井上和雄著・昭和六年(1931)刊)   〝房種    【生】  【歿】  【画系】貞房門人  【作画期】安政~明治    歌川を称す、村井氏、名は静馬、桜斎・一笑斎・一飄斎等の号あり、本所外手町十八番地に住せり〟    ◯「集古会」第二百回 昭和十年三月(『集古』乙亥第三号 昭和10年5月刊)   〝中沢澄男(出品者)     房種画 団扇絵 真崎の晴嵐 一枚 東八景の内 /飛鳥山 尾州楼内誰袖 一枚 東京桜名所  ◯「幕末明治の浮世絵師伝」『幕末明治の浮世絵師集成』p91(樋口弘著・昭和37年改訂増補版)   〝房種(ひさたね)    村井静馬、一笑斎、一飄斎と号した。貞房の門人、その作画期は明治十年代より三十年代に及び、風俗    画と新聞挿絵がある。明治初年の戯作者でもあつた〟    ◯「日本古典籍総合目録」(国文学研究資料館)   〔歌川房種画〕    作品数:13点(「作品数」は必ずしも「分類」や「成立年」の点数合計と一致するとは限りません)    画号他:一笑斎・一笑斎房種・房種・桜斎房種・歌川房種    分 類:合巻7・遊戯(かるた・双六)2・絵画(俳優団扇画)1・絵本1・歌謡(都々逸)1    成立年:安政2~4年(3点) 明治11~15(5点)   (一笑斎名の作品)    作品数:3    画号他:一笑斎房種    分 類:遊戯(かるた・双六)2・合巻1    成立年:安政2・4年(1点)     『糸桜春蝶奇縁』 合巻・曲亭馬琴作・一笑斎房種綴、歌川房種画(安政2)     『源氏絵合かるた』遊戯・一笑斎房種画・成立年記載なし     『道楽双六』   遊戯・一笑斎房種画・成立年記載なし   (桜斎名の作品)    作品数:5    画号他:桜斎房種    分 類:合巻5    成立年:明治11~15年(5点)