※〔漆山年表〕 :『日本木版挿絵本年代順目録』 〔目録DB〕:「日本古典籍総合目録」
〔狂歌書目〕 :『狂歌書目集成』 〔江戸読本〕:「江戸読本書目年表稿(文化期)」
〔中本型読本〕:「中本型読本書目年表稿」
☆ 享和二年(1802)
◯『狂歌東来集』四編〔江戸狂歌・第五巻〕吾友軒米人編・享和二年刊
〝富士うつす春のかゝみか浦の梅にほひも高く雲に交る 盈斎北岱〟
☆ 享和三年(1803)
◯「絵本年表」〔目録DB〕(享和三年刊)
葛飾北岱画『忠臣蔵当振舞』一冊 盈斎北岱画 宿屋飯盛判 大坂屋伊兵衛板
◯「絵入狂歌本年表」〔狂歌書目〕(享和三年刊)
盈斎北岱画『忠臣蔵當振舞』一冊 盈斎北岱画 六樹園判 青山堂板
☆ 享和三年(1803)
◯「絵暦年表」(本HP・Top)(享和三年)
③「盈斎北岱」(柱に注連飾り 鶴の絵の凧 大小暦をひろげる貸本屋)1-7/23
「紫ゆかり」狂歌賛〈画中の大小暦に漢数字。貸本屋に襟に◯に三〉
③「盈斎北岱」(吉原の遊女)1-7/23
「江月◎」狂歌賛〈大小表示不明 上掲1-7/23と色調等同様なので同時期を見た〉
☆ 享和年間(1801~1803)
◯『増訂武江年表』2p27(斎藤月岑著・嘉永元年脱稿・同三年刊)
(「享和年間記事」)
〝江戸浮世絵師は、葛飾北斎辰政(始め春朗、宗理、群馬亭、後北斎戴斗、又為一と改む)、歌川豊国、
同豊広、蹄斎北馬、雷洲(蘭画をよくす)、盈斎北岱、閑閑楼北嵩(後柳居)、北寿(浮絵上手)、葵
岡北渓〟
☆ 文化元年(享和四年・1804)
◯『稗史提要』p401(比志島文軒(漣水散人)編・天保年間成稿)
◇黄表紙(文化元年(享和四年)刊)
作者の部 京伝 楚満人 石上 馬琴 一九 東子 赤城山家女 待名斎今也
画工の部 重政 豊国 春亭 豊広 長喜 月麿 北岱
板元の部 鶴屋 蔦屋 西村 泉市 西宮 岩戸 村田 山口 榎本〟
〈北岱の黄表紙はこの年の赤城山家女作『報親讐小槌本望』一点のみ。あとは合巻になる〉
◯『黄表紙總覧』後編(棚橋正博著・日本書誌学大系48・昭和六十一年)
◇黄表紙(享和四年刊)※角書は省略
盈斎北岱画『報親讐小槌本望』「盈斎北岱画」「赤城山家女述」西宮板
〈備考、北岱、黄表紙初出の由〉
☆ 文化四年(1807)
◯「絵本年表」〔漆山年表〕(文化四年刊)
盈斎北岱画『袖玉狂歌集』二冊 盈斎北岱画 便々館湖鯉鮒選 大和屋久兵衛板
◯「絵入狂歌本年表」〔狂歌書目〕(文化四年刊)
盈斎北岱画『狂歌袖玉集』二冊 盈斎北岱画 便々館撰 大和屋久兵衛板
◯「絵入読本外題作者画工書肆名目集」(読本の文化四年・改(検閲)記録)
盈斎北岱画『愛護若神猨伝』二冊 北岱画 小枝繁作 西宮弥兵衛外四人
「九月廿六日改、廿八日板元ニ出ル」
☆ 文化五年(1808)
◯「読本年表」(文化五年刊)
盈斎北岱画
『神霊紫物語』 盈斎北岱画 漫戯老人作 ⑩〈北岱は口絵〉
『神猨伝』前編「盈斎北岱画」小枝繁編 田辺屋太兵衛他板 ①
『被草紙』 盈斎北岱画 津川亭作 板元未詳 ①(注:日本小説年表による)
◯『洒落本大成』第二十五巻(文化五年刊)
盈斎北岱画『家満安楽志』署名「盈斎北岱」柳亭種彦作
☆ 文化六年(1809)
◯「合巻年表」(文化六年刊)
盈斎北岱画『建久女敵討』「盈斎北岱画」与鳳亭梧井作 上総屋板 ①
◯「読本年表」(文化六年刊)
盈斎北岱画
『木之花双紙』「画工 盈斎北岱画」歠醨陳人作 伊勢屋治右衛門他板 ⑪①
『とかえり花』「画工 盈斎北岱画」良々軒器水作 伊勢屋治右衛門他板 ⑪①
『建久女敵討』「盈斎北岱画図」 與鳳亭梧井作 上総屋吉左衛門他板 ⑩①
『神猨伝』後編「画工 盈斎北岱」 歠醨陳人作 田辺屋太兵衛他板 ⑩①
『獺の助劔』 盈斎北岱画 柳花堂作 板元未詳 ①〈書誌による〉
〈北岱の読本作画はこの文化六年が最後で以降は見当たらない〉
◯『木乃花双紙』盈斎北岱画 歠醨陳人作 ①
(巻末 咬菜堂(伊勢屋治右衛門) 広告)
「午春新鐫」
『袈裟御前貞操物語橋供養』盈斎北岱画 歠醨陳人作 全五冊
〈〔国書DB〕所収の『橋供養』は葛飾前北斎翁・雷洲画で文化12年刊。北岱画で文化7年刊の予定だったが、5年も
遅れて画工も交代している〉
「庚午春新鐫目次」
『熊谷発心青葉笛』盈斎北岱画 良々軒器水作 全五冊
〈北岱・器水の『青葉笛』は未確認〉
☆ 文化七年(1810)
◯『柳亭種彦日記』p148 文化七年三月廿九日
〝聖堂出席、浅草へ北嵩子北岱子と行〟
〈湯島の聖堂出席後、北嵩、北岱等と浅草行き〉
☆ 文化八年(1811)
◯「絵入狂歌本年表」〔狂歌書目〕(文化八年刊)
盈斎北岱画『狂歌大黒柱』二冊 盈斎北岱画 便々館撰 角丸屋甚助板
☆ 文化九年(1812)
◯「合巻年表」(文化九年刊)
葛飾北岱画
『十人揃皿之訳続』葛飾北岱画 小枝繁作 板元未詳 ①〈書誌による〉
『皿屋敷』 葛飾北岱画 小枝繁作 板元未詳 ①〈書誌による〉
◯「日本古典籍総合目録」(国文学研究資料館)
◇滑稽本(文化九年刊)
葛飾北岱画『黄金の駒』二冊 盈斎北岱画 赤須賀米作 西村源六他板
☆ 文化十年(1813)
◯『馬琴書翰集成』⑥323
(「文化十年刊作者画工番付断片」第六巻・書翰番号-来133)
文化十年刊作者画工番付断片
〈書き入れによると、三馬がこの番付を入手したのは文化十年如月(二月)のこと〉
☆ 文政元年(文化十五年・1818)
◯『【諸家人名】江戸方角分』(瀬川富三郎著・文化十四年~十五年成立)
「小日向 浮世画」〝北岱 森川二男 号盈斎 江戸川石切橋前 森川(名空欄)〟
☆ 文政八年(1828)
◯「絵本年表」〔漆山年表〕(文政八年刊)
盈斎北岱画『狂歌大黒柱』一冊 盈斎北岱画 六樹園撰 上総屋利兵衛他板
☆ 文政~天保
◯「【江戸】戯作画工【次第不同】新作者附」東邑閣 辰正月〈文政3年・天保3年か〉
(東京都立図書館デジタルアーカイブ 番付)
(番付中央 行事・勧進元に相当するところ)
〝梅鉢紋 葛飾北斎 飛田財蔵 歌川豊国〟
(番付上段 東方)
〝新画工作者之部
画工 歌川豊国 同 蹄斎北馬 同 盈斎北岱 同 歌川国貞 作者 曲亭馬琴
羽栗多輔 画工 北斎◎◎〟
〈刊年等については本HP・Topの「浮世絵師番付」参照のこと〉
☆ 天保四年(1833)
◯『無名翁随筆』〔燕石〕③312(池田義信(渓斎英泉)著・天保四年成立)
葛飾為一系譜〝北斎と号しての門人 北岱【浅草ニ住ス、スリ物、ヨミ本多シ】〟
☆ 刊年未詳
◯「絵入狂歌本年表」〔目録DB〕(刊年未詳)
盈斎北岱画『月並』一冊 盈斎北岱画 便々館湖鯉鮒編
☆ 没後資料(下出『浮世絵師伝』の作画期を参考にして、以下の資料を没後とした)
◯『増補浮世絵類考』(ケンブリッジ本)(斎藤月岑編・天保十五年(1844)序)
葛飾北斎系譜(北斎と号しての門人)
〝盈斎 北岱 浅草に住す、摺物よみ本多し。
よみ本は 十嘉恵利花 五冊 良々軒器水作
愛護若神猪伝 七 小枝繁
古能花草紙 同作〟
◯『古画備考』三十一「浮世絵師伝」中p1411(朝岡興禎編・嘉永三年四月十七日起筆)
〝盈斎北岱 享和中〟
◯『新増補浮世絵類考』〔大成Ⅱ〕⑪188(竜田舎秋錦編・慶応四年成立)
宮川長春系譜〝浅草ニ住ス。摺物読本多シ。盈斎ト号ス〟
◯『近古浮世絵師小伝便覧』(谷口正太郎著・明治二十二年(1889)刊)
〝文化 阪 盈斎北岱
北斎に従て画法を究め、人物花鳥大に師風を得たり〟〈「阪」は大阪〉
◯『古代浮世絵買入必携』p3(酒井松之助編・明治二十六年(1893)刊)
〝北袋(*ママ)
本名〔空欄〕 号〔空欄〕 師匠の名 葛飾北斎 年代 凡六七十年前
女絵髪の結ひ方 第十図・第十一図・第十二図 (国立国会図書館・近代デジタルライブラリー)
絵の種類 摺物多し
備考 〔空欄〕〟
◯『葛飾北斎伝』p326(飯島半十郞(虚心)著・蓬枢閣・明治二十六年(1893)刊)
(北斎門人記事)
〝葛飾北岱 盈斎と号し、浅草に住す。姓氏詳ならず小枝繁作『此花草紙』四冊を画く。其の他二三部あ
り〟
〈『此花草紙』は『古乃花双紙』が正しい。歠醨陳人(小枝繁)作・盈斎北岱画・文化六年(1809)刊〉
◯『浮世絵備考』(梅本塵山編 東陽堂 明治三十一年(1898)六月刊)
(国立国会図書館デジタルコレクション)(55/103コマ)
〝葛飾北岱【文化元~十四年 1804-1817】
盈斎と号す、為一の門弟にて、浅草に住めり、読本、摺物の絵を多く画けり〟
◯『浮世画人伝』p121(関根黙庵著・明治三十二年(1899)刊)
葛飾北斎系譜〝北岱(北斎門人)浅草ニ住〟
◯「集古会」第百五十三回 大正十四年(1925)十一月(『集古』丙寅第一号 大正14年12月刊)
〝三村清三郞(出品者)北岱画 報親讐小槌本望 文化元 山家女作〟
◯『浮世絵師伝』p180(井上和雄著・昭和六年(1931)刊)
〝北岱
【生】 【歿】 【画系】北斎門人 【作画期】文化~天保
葛飾を称す、盈斎・辰々子等の号あり、天保年間二代目・雷斗を名乗り、浅草に住す。読本に挿画せり〟
◯『浮世絵年表』(漆山天童著・昭和九年(1934)刊)
◇「文化四年 丁卯」(1807) p176
〝正月、盈斎北岱の画ける『袖玉狂歌集』出版〟
△『増訂浮世絵』p241(藤懸静也著・雄山閣・昭和二十一年(1946)刊)
〝北岱
葛飾を画名とし、又盈斎と号す。浅草に住んでゐた人だといふ。文化六年に與鳳亭梧井の建久女敵討三
冊に画いて居る〟
◯「日本古典籍総合目録」(国文学研究資料館)
〔盈斎北岱画版本〕
作品数:15点
画号他:盈斎・盈斎北岱・葛飾北岱
分 類:読本5・合巻3・狂歌3・洒落本1・黄表紙1・滑稽本1・狂文1
成立年:享和3~4年 (2点)
文化4~6・8~9年(12点)
(葛飾北岱名の作品)
作品数:2点
画号他:葛飾北岱
分 類:合巻2
成立年:文化9年(2点)
『皿屋敷』 合巻 小枝繁作 文化九年(1812)刊
『十人揃皿之訳続』合巻 小枝繁作 文化九年刊