フクロウ(2024年4月12日)

那須野が原にはひっそりとフクロウも息づいています。可愛らしい童顔に似合わず、鳥や獣を襲います。次世代を残すことに懸命な彼らに、そっとカメラを向けてみました。

樹洞 枯木 古巣 巣箱

朝フクロウ(2024.3)

通勤途中、職場近くの森の中で朝日を浴びたフクロウを見つけました。久しぶりに明るいところでお目にかかれて、ワクワクしました。繁殖期なので行動的なのかもしれません。少し早起きしてきたかいがありました。

大木に抱かれて(2022.04)

大きなケヤキの幹が枝分かれした股で繁殖しているフクロウです。4月の中旬なので、もう既にヒナに孵っているかもしれませんね。順調に巣立ってくれることを願っています。

朝フクロウ

 先月の下旬から、フクロウを見かけるようになりました。姿を見かけるだけでなく、「ホッホー、ゴロッホゴロッホ」という一度聞いたら忘れられない鳴き声も耳にします。特に、明け方の散歩途中と朝の通勤途中にです。この半月の間に、鳴き声を聞いたのは3か所で5回、姿を見かけたのは4か所で6回ほどになります。いずれも未明から早朝にかけてでした。フクロウが人目につくほど活動的になっているのは、繁殖期が近いことと関係があるのかもしれません。那須野が原では3月上旬に産卵し始めます。その準備に取りかかっているのだと思われます。栄養をしっかり蓄え、伴侶とともに繁殖場所(営巣木など)を確保したり、安全に産卵と育児ができる環境かどうか見きわめたりしているのでしょう。多くの野鳥は、獣と違って、オスもメスと一緒に子育てします。人と同じで出産(産卵)と育児は大変な作業です。声を聞き、姿を見かけては、彼ら彼女らがまずは何とか子育てに取りかかれますようにとエールを送ることにしています。

寝ぼけまなことつぶらな瞳(2014.4)

 4月下旬、大田原市郊外里山にあるケヤキの大木ではフクロウのヒナ(左上)がすくすくと育っていました。樹洞ではなく、幹が分かれたオープンな巣です。いかにも眠そうでした。那須町北部の道路脇のヤマザクラの樹洞には、ムササビが寝ていました。この樹洞は上向きですが、横に穴が開いていました。昔キツツキが開けたのでしょう。物音に気づいて、その穴からこちらを窺っていました。

フクロウのヒナ(2011.05)

 3月11日の大震災では、那須野が原でも被害がありました。あれから2か月、春は忘れずに訪れてくれました。自然の生き物たちも命を紡ぐ営みに懸命です。

 フクロウのヒナが地上で休んでいました。生まれ育ったケヤキの大木からあやまって落ちたわけではなく、多分巣立ったのでしょう。近くでは、親フクロウが新しい命を静かに見守っていました。

雪原での狩り(2011.01)

晴れた雪原で見つけました。日中にフクロウの姿を見かけることは大変珍しいことです。この後、もっと珍しい場面に遭遇しました。

雪原での狩り(2011.01)

那須町に広がる雪原で、フクロウを見つけました。枝にとまると、下の雪に覆われた牧草地を気にしていました(上左)。まもなく、フワッと飛び立ち(上と左)、雪の中に降り立ちました。降り立つというより、雪の中に飛び込んだ感じです(下)。

 
雪の中に飛び込み、翼をバタバタさせながら、時々頭ももぐり込ませたので、このフクロウは水浴びの代わりに、雪浴びをしているのかと思いました。もちろん、初めて見る、フクロウの行動でした。


しばらく、雪の中に顔を出し入れしていると、何とネズミをくわえ出しました。

ネズミをくわえたフクロウは、太陽の光を浴びながら、悠々と林の中に消えていきました。フクロウが飛んで行った後、早速、その場所を調べてみました。雪の中に、15pほどの深さでフクロウがネズミをくわえ出した穴があって、ネズミの血がかすかに残っていました。その穴の下はすぐ地面でした。当然ながら疑問を感じたのは、どうやってネズミの存在を察知し、捕らえることができたのかということです。そこにもともとネズミ穴が空いていて、顔を出していたのか、それとも穴が無くても、雪の下のネズミを音などで正確に探り当てたのか、分かりません。どちらにしても、雪原でのフクロウの狩りは、面白さと不思議さを合わせ持った、引きつけられた行動でした。
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