神保町 昼食ニュース

2003年7月号

2003年7月6日記
(このページはIE4.0以上,NN6.0以上でご覧ください)

麺類続々

◆ 三角地帯の讃岐うどん

 5月下旬からの1か月の間に,昼食で「初訪問」した店は9軒にのぼった。そのうち6軒は麺類の店だった。
神保町三井ビルの昼休み
(6月6日)
[写真をクリックすると大きい写真が出ます]
 讃岐うどんの店は首都圏で激しく増殖中のようだが,神保町付近でも,駿河台下交差点の北西ブロック,漢陽楼通りとの間の「三角地帯」(住所は小川町1-19)に2軒,相次いでできた。
 ひとつは,漢陽楼の向かい側の少し上,Pineの隣にできた「<口福うどん>つるる」で,5月下旬のオープンである。もっとも安い「かけつるる」が530円,鶏ささみを揚げたものが入っている「鶏サクつるる」は\800と,讃岐うどんにしては高級路線(「牛スラあつあつつるる」に至ってはなんと\1500),しかも分量は少ないのに大盛りの設定がない。分量を自由に調整できるのが讃岐うどんのいいところだと思うのだが。「鶏サクカレーつるる」などカレーものもあるが,単なる「カレーつるる」はないというのも奇妙だ。
 開店あいさつのパンフレットには,新造語「つるる」の説明があるのはいいとして,有名らしい料理人3人の写真が出ているのだが,この3人はこの店の顧問なのか,推薦人なのか,実はオーナーなのか,何も書いていない。店の前のポスターによると,どうやらメニューをそれぞれ1つずつプロデュースした,ということらしいのだが。
 後日,池袋西口のいつも行列ができている博多ラーメンの店「康竜」のところを通りかかったら,「つるる」のこのパンフレットが置いてあるのを見つけた。「つるる」は「康竜」の経営者が始めたものだという。

 もうひとつは靖国通りに面した「せっぱおじさんの讃岐うどんの店 清八郎」で,6月14日に開店した。讃岐うどんの庶民性とは無縁の「つるる」に対し,こちらはそもそも立ち食いの店で,生醤油など讃岐らしいメニューもあるし,トッピングも多彩で,至って庶民的である。営業時間は昼11時から夜11時まで。
 私は立ち食いの店は昼食には行かないようにしているのだが,開店ご祝儀で入って見たところ,生醤油(温・大)にちくわ磯部,きつねを乗せて\620で,満足度の高い内容だった。安い昼食が食べられる店としては,すぐ近くの「さくら水産」「小諸そば」が競争相手になるだろう。

◆ 麺類4店とブリティッシュ・パブ

 小川町2丁目の北,駿河台3-5のブロックで,別のタイプのうどん屋「<カレー饂飩>アツマル」を見つけた。半年ほど前の開店で,昼は11:30-2:30,夜は5:30-8:00の営業のカレーうどんの店である。カレーうどんは\750(大\950)で,トッピングにきつね,肉甘煮などがあり,ほかには冷やしうどん(\650)がある。うどんは稲庭うどん風の細めでボリュームもかなりあり,カレースープは「マイルドで飲めるスープ」と説明があり,全部飲んでしまった。

 そこから南下して靖国通りをわたったところ(小川町2-3あたり)に,「神代」というラーメン屋ができた。読み方は書いてない。「じんだい」?「かみよ」?,はたまた「こうじろ」? カウンターだけの店で,たぶん5月にオープンだったと思う。醤油ラーメンと餃子で\900,和風の落ち着いた味だった。

 錦華通りを北へ行って,カレーの「カーマ」の少し先に「<つけ麺・粥・丼>ジパング」という店があるのに気づいて入ってみた。聞けば,1月開店だという。数種類の味がそれぞれつけ麺,粥,丼,スープの麺で食べられる。\500からで,「海鮮つけ麺」は\600。

 麺類6店の最後は,小学館ビル地下に5月下旬にできた「<城内蕎麦>さらしな」。神保町三井ビルの南玄関前あたりの位置にあった「柳屋」の「小学館ビル支店」があった場所での居抜きである。カツ丼などご飯ものも酒のつまみもある「町のそば屋」で,丼とそばのセットなどもある。
 親子丼とざるそばのセット(昼は\900)は,味(ごくまっとうな東京風)・量と値段のバランス良好だったが,ざるそばが丼に入ってくるのはいただけない。(もちろん,単独のざるそばはスノコに乗っている。)
 柳屋はいま,東京パークタワープラザ1階北側にあり,以前より「高級」な手打ちそばになった。最初のころ夜はがらがらだったが,次第に客が集まるようになったようだ。

 麺類以外の「初訪問」の店では,上記「アツマル」の隣の2階の「<British Pub> Spitfire」を記しておこう。生ギネスの飲めるパブが少し前にできたののは知っていたのだが,12月からランチを始めたという。
 メニューは20食限定の「ランチプレート」のみで,ホットサンドをメインに,付け合わせはスモークチキン,野菜,フライドポテト,コールスロー,それにコーヒーがついて\1000である。ホットサンドの中身は日替わりで,私の行った日はシュリンプ,ハム,チーズだった。近くのクアアイナのアメリカンサイズのサンドイッチよりもちろん上品で,量も適切。イギリスのパブにある ploughman's lunch にヒントを得たものかもしれない。こんどは夜行ってみたい。
 この小道には,ほかに「円居(まどい)」(2002年6月号参照)もあって,非常に充実したランチストリートになっている。

◆ その他の動き

 靖国通りから錦華通りの始まる角の住友銀行のあとに,三省堂書店の別館「自遊時間」が6月18日開店した。中に「上島珈琲店」があり,ここは朝7:30からやっている。サンドイッチにも力を入れているようで,昼も女性を中心ににぎわっている。朝食べてみたツナサンド(\250)は,素朴・簡素で,浅漬けのピクルスがちょっとしゃれている。コーヒーは\230で,ちゃんと陶器のカップに入っている。

 神保町三井ビル前でビラまきをしていた神田餃子屋の関係者によると,駿河台下店(パチンコ人生劇場の先)を事実上の本店とし,元の場所,つまり三井ビルには入らないということだった。そういえば,チェーンのその他の店は「天鴻餃子房」という名になっていて,「神田餃子屋」を名乗っているのは駿河台下店だけである。

 昼食とは関係ないが,神保町1丁目北側,珈琲店壱真の路地にあった古い赤じょうちんの店「四国屋」が,「ひかる源氏」というイマ風の焼鳥屋に変身してしまった。

 なお,前号で「内装工事中」と書いた東京パークタワープラザの南側にひとつ空いていた区画は,小諸そばになった。

previous
to lunch sampoto lunch mokujito cover