神保町 昼食ニュース

2000年2月号


〈今回は早めの発行です〉

  開店: 小次郎  (付:デニーロ)
  閉店: いぬ居/ファニー/茶月
  移転: はせ部

2000年1月30日記  

年末年始 去る店・来る店

 1月号でも触れた逢坂 剛 氏が,仏文学者の鹿島 茂 氏(共立女子大教授)と「神保町よ,永遠なれ」という対談をしているのを見つけた。三省堂のPR誌『三省堂ぶっくれっと』No.140(2000年1月発行)である。
 最初は古本の話が続くが,途中から食べ物屋の話になり,出てくる店は,いもや,今荘,源興號,纏寿し,キッチン・ヤマダ,桃牧舎,*禮華楼,*楽楽,漢陽楼,咸享酒店,揚子江,*廬山菜館,*大雅楼,*(神田)餃子屋(本店),さぶちゃん,近江や,喜多方ラーメン(これは「蔵太鼓」のこと),ラ・ターブル・ペティアント,エスカルゴ,ボンディ,マンダラ(* をつけたのは今はない店),ときわめてローカルでおもしろい。
 「すずらん通りは昔は東京唯一の中華街だった」という藤森照信氏の指摘が紹介されている。なるほど。
 ところで,廬山の名前を聞くのは何年ぶりだろう。今は郵便局のある場所にあった四川料理の店で,5種類ぐらいあるランチのひとつはいつも麻婆豆腐だった。会社の先輩たちは,麻婆豆腐というものをここで初めて知ったという。


◆ 閉 店・移 転

 「再開発」に伴う閉店・移転が相次いでいる。

 うっかり見過ごしていて前号で書けなかったが,すきやきの「いぬ居」が12月いっぱいで閉店した。閉店あいさつの貼り紙には,新ビル完成のときには西棟(白山通り寄り)で営業すると書かれている。新ビルへの入居をこういう形で明らかにした店は初めてである。
 いぬ居は,前は千代田通りに面した1,2階に店があったのだが,10年ぐらい前に今のビルに建て直し,表はテナントが使い,いぬ居自体は脇の道から地下へ降りていくようになった。しかしそのビルも今回取り壊される。

 和食の店「はせ部」(白山通りから1本東側の通り,神保町1−55あたり)が1月21日に閉店し,2月15日から新店舗で営業を始めるという予告が出ている。「75年以上の長きに亘り」という言葉が重い。
 移転先は,すずらん通りから南へ2本目の道沿いで,以前神保町南郵便局のあった場所の向かい側(神保町1−39あたり)である。新築のビルで,前と同じ書体による「はせ部」という看板がすでに取り付けられている。

 錦町との境の道沿い,学士会館脇の喫茶店(夜はカラオケ喫茶)「ファニー」が1月21日で閉店した。

 再開発とは別だが,靖国通りを挟んでカバンのマカラズヤの向かいのテイクアウトの寿司屋「茶月」のあったビルが取り壊された。この裏にはかつて「鈴平」というウナギの寝床のような飲み屋があり,昼・夜とも人気があったが,3,4年前に閉店し,その建物も今回取り壊された。

◆ 開 店 

 白山通りを水道橋方向へ3分の1ほど行った左側,奥野かるた店の隣に建ったビルに,1月20日,「小次郎」というラーメンと餃子の店が開店した。9月号で触れたカレー屋「カルメン」とラーメン屋があったところである。席数30ほどで,前は2軒で分けていたスペースを1軒で使っているので,けっこうゆったりしている。いろいろなセットメニューもあり,若者向けのボリュームがある。残念ながらカルメンは帰ってこなかった。

 11月に開店したがなかなか行く機会がなかった「デニーロ」(錦町3−14あたりの角,1階) に行ってみた。ランチとして,パスタにサラダ,ミニドリンクがついたセット(\950〜)が4種類ある。ミニドリンクは,コーヒー,紅茶,オレンジジュースのほか,ワイン(赤・白)もある。会社の連中がいないのを幸い,ワインにしてみたところ,それほどミニではなく,普通のグラスワインの8分目ぐらいの量があった。食べたのはホタテとズッキーニのスパゲッティで,さっぱりした塩味で材料を生かしていた。イタリア・フランス風に,無条件でパンがついてくるのもありがたい。

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