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キャプテンセイバー
機種 ファミリーコンピュータ
発売元 タイトー
開発元 タイトー
発売日 1992年9月29日
定価 5,900円(別)
プレイ人数 1人プレイのみ
ステージ数 6面
ライフ制 あり
残機制 あり
コンティニュー 無限
パスワード あり
難易度選択 なし
リンク 前作『Power Blade(パワーブレイド)』




ストーリー

西暦、2200年。――マザーコンピュータ「BRAIN MASTER」の反乱から、10年の歳月が流れた。人類は以前の教訓を生かし、着実に進歩を続けてきたかのように見えた。が、しかし………

12月24日、クリスマスイヴ。
連邦政府の大統領宛に、一通のメッセージが届いた。
「メリークリスマス、大統領閣下。今回、我がデルタ社は、次期主力兵器として、サイボーグの開発に成功した。そこで是非、政府にこれを高額で買い取っていただきたい。無論、これを他国に売ると、国家安全に支障をきたす事は間違いないと思う。よく検討の上、一週間後に返事を頂きたい。それでは……」
 事態を重くみた政府は、直ちにシークレット・ポリスに極秘指令を発令した。
『デルタ社』に潜入し、情報収集後、完全破壊せよ。』

困難を極める任務を遂行すべく。
選ばれた男の名は、“ノバ”。
『既に、情報収集のため、女性エージェント“クリス”がデルタ社に潜入している。内部でコンタクトをとってくれ。君は、直ちに同社に潜入し、速やかなる任務実行に務めて貰いたい。尚、君にもしもの事があろうと、当局は一切関知しない。健闘を祈る。』
夜の都会に疾走するエアバイク。その背には、静かな決意と、熱い闘志を持つ男の姿。

『パワーブレイド2』=『キャプテンセイバー』

 『キャプテンセイバー』は1992年にタイトーから発売された、ブーメランが武器の横スクロールアクションである。本作は全く同じ内容で海外でも発売されているが、そのタイトルは『パワーブレイド2(Power Blade 2)』。『パワーブレイド(Power Blade)』とは、1990年に日本で発売された『パワー・ブレイザー』を大幅にリメイクし、1991年に海外で発売された作品。本作はその続編というわけである。

 マザーコンピュータ「BRAIN MASTER」の反乱から、10年の歳月が流れた……とあるので、一応ストーリー的には『パワー・ブレイザー』の続きになっているが、システムの大部分は『パワーブレイド』のほうから継承している。すなわち、主人公はアーノルド・シュワルツェネッガーそのものの「ノバ」。ブーメランは上下左右斜め、8方向に投げることができ、アイテムで連射力と破壊力がパワーアップ。「パワードスーツ」を装着することで、壁を貫通する強力なショット「パワーブレイド」が撃てるようになる。さらに本作では、下+Aでスライディングが出せるようになり、パワードスーツも4種類に増えた。

 1〜4各ステージの中ボスを倒すと、パワードスーツが入手できる。入手したスーツはいつでも着脱可能で、装着中はスーツのエネルギーゲージが減少していく。壁・天井に貼り付ける「マジックスーツ」、水中で自在に行動できる「ウェットスーツ」、空中を自在に移動できる「ロケットスーツ」、オプションが敵の弾を自動追尾で消滅させる「パトリオットスーツ」の4種類があり、これらを状況に応じて選択していくことが、攻略の最大のポイントだ。
 最初の1〜4ステージは自由にセレクト可能になっているが、特定のスーツを入手していないと極端に難しくなるステージがあるため、『ロックマン』のようにステージセレクトの順番も考慮する必要がある。

スーパーシュワリズムアクション

●超タイトに見えて、実は……
 本作は一見、恐ろしくタイトで、フラストレーションのたまるゲームに見える。敵は大して強くないのだが、大穴、針床・針天井、ファン(プロペラ)といった即死トラップが、マップ上に所狭しと配置されているためだ。ドット単位、秒単位の緻密な操作を要求され、ちょっと失敗すれば即死……やってられるか!
 と思いきや、実はこのトラップ地獄は、言うなれば全くの「はったり」に過ぎない。4種類のスーツを使いこなすことで、本作は一気に簡単で大味なゲームになってしまう。ほとんどのトラップはロケットスーツで空を飛んでいけば無視できてしまうし、水中はウェットスーツ、ボス戦はパトリオットスーツで楽勝。さらにスーツ装着中は壁を貫通するパワーブレイドが撃てるので、敵を死角から安全に潰していける。
 ここまで強力だと、ここぞ、という時にしか装着できないように思うかもしれないが、エネルギーの減少スピードは遅く、回復アイテムも豊富に出るので、ガンガン装着しまくっていてもエネルギーが足りなくなることはまずない。ゲーム中の難所のほとんどは、スーツで無力化できてしまうのである。

●やや地味で平板な印象も受けるが
 タイトル画面で「キュピーン」とスタートボタンを押すとデーデデッデデーデデッデデーといきなりシュワがエアバイクで出撃していくので最高に燃えるのだが、肝心のゲーム自体はやや地味で平板な印象を受ける。全てのステージが狭い室内で、どのステージに行っても見た目の変化が乏しい。ボスもそれぞれアルゴリズムは異なるものの大半が色違いなので、あまり個性が感じられない。
 山下絹代氏のBGMも、終始ノリノリだった前作に比べると、落ち着いた雰囲気の曲が多くなっている。とは言えこれはこれで、どこか都会の哀愁が漂うようなメロディで悪くない。『ロックマン』的なコンセプトの『パワー・ブレイザー』と、最初から硬派アクションとして企画された本作の違いだろう。クリスマスということで、オープニングとエンディングに「Silent Night(きよしこの夜)」を使った演出も心憎い。

 インパクトは薄いものの総合的に見れば、1992年とファミコン晩期の発売だけあって、全体的なレベルは高い作品と言えよう。アクションゲームで重要な操作性は良いし、攻撃の爽快感もある(痛快なヒット音や爆発音は前作と同じものが使われている)。水中・空中を自在に動き回り、圧倒的な攻撃力でザコどもを「爆撃」していくのは理屈抜きで気持ちいい。ステージセレクト、パスワードもあるので、気軽に楽しめるだろう。



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