ACT.79 頭痛と腹痛の間に (2000.03.26)

 引越しをすませて早3週間が経とうと言うのにこれはどうしたわけだ。
 依然、体調は芳しくない。
 頭痛から始まった異変は腹痛、発熱、貧血、下痢、嘔吐、眩暈、貧相、空腹、貧乏、と連続的に体を責めつづける。ここまで体調不良が長引いたのは今までに経験がない。やはり、異郷の地というものが体に少なからず影響を与えているのであろうか?いや、そうではない。何せ、このような経験は威張るようなものでもないが慣れている。四国から関東への引越しは既に3回経験しているし。だから、標準語がむかつくだとか、冷たい人間が多そうだとか、関東風の味付けが気に食わないだとか、電車が一杯で大変だとか、田舎者だと馬鹿にされるだとか、コギャルが夢に出てきてうなされるだとか、それ以前にあのファッションやメイクはどうにかならないのかだとか、いや男の方もちょっとおかしい奴が多いんじゃないかだとか、だいたいキックボードのどこがかっこいいんだとか、最近電車の人身事故多くねえか?だとか、セブンイレブンだぁサークルKだぁファミリーマートだぁローソンだぁスリーエフだぁam/pmだぁサンクスだぁと近所にコンビニが山ほどあるのになんでミニストップだけないんだよ俺はあそこのソフトクリームが好きなのにだとか、おまけにゲーセンやパチンコ屋までほとんどねぇとは一体どういう了見だ!だとかは全く問題ではないのだ。だいたい最後の方は引越しを決めた俺の責任だし。ともかく、環境の変化というのは私にとってさほど問題ではないのだ。
 では、なぜだ?
 私が思うに生活リズムの変化が大きいのではないかと思う。
 実は私はこの3月で会社を辞めたのだ。つまり、今の私は無職なのである。ということはどういうことか?つまり毎日が日曜日なわけだ。ということはどういうことか?つまり毎日のんべんだらりとしただらけた生活を送っているのである。これはこれで実に楽で楽しい生活なのであるが、体がそれに拒否反応を示しているような気がしてならないのだ。決してこれは私が無職に対する拒否反応を示しているわけではない。私的にはだらだらしていても、ちゃんとお金が手に入るのならこういう生活を一生続けていたいと思っているダメ人間であるから何の問題もない。しかし、ここまで体調不良が続くとそれが原因のような気がして仕方ないのだ。
 高校を卒業してバイトから始めたとはいえ、ほぼ10年に渡り働いてきた。なかなか休みが取れなかったり、毎日残業を続けたり、苦しい思い出の方が多く残っているような気もする。まあ、楽しい思い出もたくさんあるけども。それが、ある日突然パタリとなくなる。やはり10年という歳月はバカに出来ないのではないだろうか。何せ10年だ。仕事を始めた頃に生まれた子供はもう小学校4年生だ。うわ、そう書くと一気に老け込む自分がいるからもうやめよう。ともかく長かったんだよ。あ、でもこれは今も一生懸命汗水流して働いていらっしゃるお父様方にしてみりゃ屁でもない年数でいらっしゃることでしょうがここはあくまで私の意見ということで聞き流していただきたい。それ以前にそんな年配の方がここを読んでいるとも思えないのだが、まあそういうわけですんでよろしく、万が一読んでいるお父様方へ。
 つまりだ。この体調不良を治すには仕事をすればいいということになる。我ながら見事な結論。
 しかし!もうすぐ新年度が始まるというこの時期に望む仕事が簡単に見つかるわけもなく、この年になって、ああ新卒の女性の方々は大変なのだろうなぁと就職氷河期に飛び込んだみたいな感傷に浸ってみたりする。なんて書くと本当に苦しんでいらっしゃる皆様に非難を受けることになるかもしれないでしょうがあくまで私の勝手な意見なんだからマジに受け止めちゃダメですよ。それ以前にそんな若い女性の方々がここを読んでいる可能性も薄いような気がしてきた。あ、でも小説の感想をくれた女性もいたからいる可能性も十分あるぞ。数少ない女性読者を逃がしてはまずいではないか。ここは低調、じゃなくて丁重に謝ります。冷やかして書いたわけではありません。ごめんなさい。なんて書くと万が一読んでいたお父様方がお怒りになられるかもしれないなぁ、じゃあついでで。ごめんなさい。
 ああ、えっと何だよ。頭痛くなってきたぞ、もう。そうだよ、そこから始まったんだってば。  そういうわけで、私は今日も頭痛と戦いながら就職情報誌を読み漁っているのだ。にしても、頭痛が酷いときに活字読むのって拷問だね。いや、マジで。

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