キシリトールは、砂糖と同等の甘さでエネルギー量は約70%という、人体には全く無害の天然素材(白樺やトウモロコシ)の甘味料で、糖尿病の患者さんなどにも以前から使用されています。そしてキシリトールは、以下のような理由から虫歯の予防にも効果があるとされています。

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砂糖のように虫歯の原因となる菌に分解されないため、菌は酸を作ることができないので虫歯の原因にならない。

A

虫歯菌の活性を弱め、さらには減少させるという報告もされています。

B

歯垢(プラーク)がブラッシングで落ち やすくなる。
(ちょっと難しいですが、歯垢のpHを低下させないという理由からです)

C

唾液の分泌を促進する。

D

キシリトールには、虫歯菌が順応しません。
長年投与されることにより、他の甘味料には順応して砂糖同様分解代謝し歯を溶かす酸を出すようになる虫歯菌にも、キシリトールは10年以上摂取し続けても分解代謝されません。

E

赤ちゃん(新生児)の口腔内には虫歯菌がいません。この赤ちゃんに虫歯菌を与えてしまうのは、主にお母さんです。お母さんのキシリトール摂取によって、赤ちゃんの虫歯菌感染率を下げることが出来ます。

 しかし、「キシリトールの入った食品(ガムやお菓子など)で虫歯が予防できる。」と考えると間違いです。「50%以上キシリトールが含まれているので、虫歯にはならない。」とうたっているような食品もあるようですが、その食品がむし歯を起こすかどうかはキシリトールの量だけでは決められないのです。

 そして、みなさんがそのような食品を選ばれる時の目安としては、「トゥースフレンドリー協会」による「歯の信頼」マークと、厚生省の特定保健用食品(歯に関する表示のあるもの)を信用するしかないというのが、現状です。

「歯に信頼」マーク

「歯に信頼」マーク

そして、やはり何よりも大切なことは日々の徹底した正しいブラッシングということになるのです。