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AIR(PS2) プレイメモ(1)

 最初はBAD EDが我が家の家訓。

往人
 本編説明書で顔は出て来るわ、後姿とはいえジャケットにまで登場するわ、ギャルゲーの主人公にしてはちょっと出過ぎなんじゃないか? こいつ。
 とはいえ、キャラの作り方がいい意味で立ってるなあ、とは思った。主人公キャラもまた「キャラクター」である、という気配は、何となーく女性プレイヤーも視野なのかなあと思ったんですが、どうなんでしょうその辺。
 ちなみにCVつき。ちなみに緑川氏。ちなみにgood job! 私にとっては王子様とか王子様とかよりも、こういうつっけんどんキャラの方が好きみたいだ、この人に関しては。
 (アニメ版で小野さんにキャストチェンジしてしまったのは、時世とは言え微妙に残念かも。)
観鈴
 …ただのガキ?(苦笑)
 しっかりしているんだか幼稚なんだか、この程度の関わりまでだと正直よく判らない。逆に言うなら、化けそうな予感…。
 ちなみに、説明書のキャラクター紹介(「いつも元気に笑ってる子。そして強い子。」)は、ちょっと微妙にネタばらしな感じがする。だって、BAD一直線に辿ってるだけでは全く「強い」子ではないし。まあ、往人の甲斐性なしの尻拭いをさせられている辺りは強いだろうけどさ。
佳乃
 橋で会っただけで進展らしい進展はなかった…ポテトの飼い主だというぐらいで。手のバンダナは何なんでしょうか?
美凪
 で、出たー、というのが第一印象。無口なんだけど何故か微妙に主人公に構って来る美少女さん、というのもお約束と言えばお約束だな。部活に誘われたり「…ぽ」とか言われたぐらいでこちらも進展なし。
晴子
 観鈴母。豪快だ…(苦笑)。個人的には彼女も攻略対象だったらなあ、と思っていたんだけどどうやら違うっぽいですね。豪快さんだけあって、弱い所が色々ありそうで、どんな物語が隠れてるのかなあと楽しみに…しちゃダメかしら(笑)。

 佳乃姉。ゲームジャケ裏のグラフィックがぁ…! なので攻略対象だと思ってたのに…違うのかな。妙に落ち着いてて逆にエキセントリックな所を感じさせるキャラ、のような…。
みちる
 往人を犯罪者呼ばわりする、異様に元気な女の子…。こういう子が美凪みたいな無口系とつるんでいるのもお約束って言えばお約束。シャボン玉が好き、ぐらいしか判らなかった。
ポテト
 かわいい(笑)。

 もちろんBAD ED。
 しかし、歩いてこの街を去れる距離ならさっさと去ればいいじゃないか。何なんだよこいつ。
 …まあ、この場所に何かあると思った方がいいんでしょうね…。


AIR(PS2) プレイメモ(2)

 佳乃ちゃん。

 7/20。そんなわけで。
 この街にいる間居候することになった観鈴の家を、観鈴の補習と一緒に出る。彼女が補習している間、観鈴の描いてくれた地図で周囲を確認しようとするけど…役に立たねー地図…。
 とりあえず上方向に歩いてみる。
 学校近くで謎の毛玉生物に話しかけられる(多分)。
 気味が悪いので無視。面倒だから放置…しているのに、人形を奪われてしまった。結局この展開かよ…いやまさに。
 郊外まで来たのかな。小川と橋。謎の生物を追いつめた、と思ったら、ばっしゃーんと川の中に落っこちました…。
 佳乃ちゃん登場。謎の生物をポテトと呼び、あろうことか会話してるし…言葉判るんだ、この子。
 …手にバンダナしてる。っていうかその位置、邪魔なんじゃないかと思うが。もちろん聞いてみる。
 教えて欲しいと言ったら「秘密」と返された。いわく「信じてくれないから」だそうだ。そして、魔法が使えたらって思うことはないか、とも。
 …こいつにそれ言ってもなあ、佳乃ちゃん…(苦笑)。
 ポテトと一緒に走り去る。
 で、午後。武田商店前で商売をしようとしても人がいないので、商店街に出張してみるけど、やっぱり人がいない…。
 そこに現れるポテト。直立歩行している。…何だろう。
 女性が出て来た。近くにある霧島診療所の医者であるらしい。で、ポテトは人形の真似をしていて、芸をもう一度見たがっているのだと解説してくれた。…そうなのか…。
 仕方ないので見せてやる。
 …夕方までやり続けるハメになった。
 でも女医さんもそのまま見てた。いくら見ても仕掛けが判らないと感心してくれてはいる。大道芸人として見物料をと要求してみたら、ショバ代と言われてプラマイゼロにされてもーた。ははは。
 この街にしばらくいるのかと聞かれた。この調子では望まずともそうなりそうだわな…。
 また見せて欲しいと言われる。ショバ代はこれからタダにしてやるとも。やりようによっては診療所の客寄せにもなるって…女医さん、どっちかと言うと医者は暇な方がいいと思うんですが(笑)。みんな健康ってことなんだし…。
 ま、まあ、医者って客足が途切れるものではないのも確かなので、人を集める苦労を考えると悪い話ではない。考えてみるよと答えておく。
 自己紹介された。霧島聖。こっちも自己紹介しておく。ポテトも紹介された。知ってるけどな。
 夜。晴子(観鈴母)が仕事を紹介してくれるという話は断る。

 7/22。観鈴と一緒に学校。補習の後に楽しみがないといやー、とタダこねる彼女のために仕方なく一緒に遊ぶ約束する。
 学校近所の土手にいたら、いきなり佳乃ちゃんに突き飛ばされました。したたかにコケてしまって文句垂れると、ごまかしているつもりなのか相撲ごっこが始まってしまったので、突っ張られるまま胸を貸しておく。ちなみに足元にはポテトがいます。
 いつまで突っ張りしてるんだ佳乃ちゃん…。いい加減反撃に出てみる。とどめの一突きぃっ、と勢いづいたら胸に手が…。
 佳乃ちゃんに張り倒されました。負けた(笑)。
 ところで何してたの、って話になる。暇を持て余している、と答えてみた。佳乃も暇らしい。
 ポテトがいつの間にか人形咥えてました。地面に置いて、後ろ足で立って歩いて見せる。芸を見せて、と言うつもりなんだろうが、見物料に骨は却下と言ったらシュンと引き下がった。
 どうして人形を持っているのかと佳乃に訊かれて、芸を披露してやることに。
 仕掛けを考えている佳乃に、法術…一種の魔法だ、と説明すると「なぁんだ」という言葉が返って来た。そして「魔法なら私も使える」と。
 それきり用事があると学校に戻って行く佳乃。魔法使えるってどういうことだろう…。
 さて、補習終わるまでの時間、どうしよう。一度神尾家に戻って休憩。
 観鈴マップを眺めて、橋の向こう側にそう言えば行ったことがないと思って向かってみた。
 …山の頂上に神社があっただけ。収穫なし。
 戻って商店街。霧島診療所の近くで芸をしようとすると、何やらぴこぴこの二重奏が聞こえて来た…みちるとポテト。
 みちるをからかってたら怒って帰ってった。その時ひらっと落ちて来たものが。お米券だ。
 夜。散歩に出てみる。ふらふら歩いてあの橋に。更に先へ進むと、闇の中に何やら白い物体…様子を見ていたら、ポテトでした(笑)。
 ズボン引っ張られる。何だか何処かに連れて行こうとしている雰囲気。付いて行くと、あの山頂の神社。そこには、佳乃がいた。
 呪文のような歌の一節のようなものを呟きながら立っている…と思ったら倒れた。慌てて抱き起こす。お姉ちゃん、とかうわごとを言っている。
 しばらくして目を覚ましたはいいが、全く何も覚えていないらしい。そのことに気付いた佳乃ちゃん、お姉ちゃんに治してもらおう! と。腕のいい医者で、車からトラクターまで直せるらしい(…それ医者の仕事じゃないよ…)。
 って噂をしてたら本人登場。妹を探しに来たらしい霧島聖。姉に向けて佳乃ちゃんは、ここで倒れていたのを助けてくれた、昼間お相撲ごっこした、そして凄いもの見せてくれた、と説明…してくれてるんだけど、何かこう微妙に誤解を産みそうな説明…。
 こ、こちらからも説明…しようと思ったら、ますます話がややこしくなってしまった。、聖さんには、佳乃ちゃんにいたずらしようとしたとしか思われなかったようだ。えらい剣幕で怒られる。め、メス振り回さないでー!! きゃー殺されちゃうよーマジで!
 佳乃、助けようとして何を思ったかポテトを投げつけて来た。姉の後頭部に命中。
 やっとのことで正しく事情説明が出来て誤解は晴れた。その場は自己紹介しただけで今夜は帰る。

 7/23。観鈴の家を出る決意をする。
 廃線となった駅舎を次の寝場所に決めた。
 観鈴の家で、晴子さんに断って飯盒をもらう。

 7/24。そして移住生活1日目。商店街で芸をしていても、客はポテトのみ。見物料は相変わらず骨…。味わってみるわけには行かないしなあ。
 やけになって暑さに当たり散らしていたら、聖さんが出て来て水ぶっかけられた。ははは。
 茶でもどうだと誘われたのでお邪魔する。
 …あの。診察室でお茶ですか。あの。ポテトも診察室に入れていいんですか(衛生上どうかと…)。高級茶葉だと言うその緑茶は確かにおいしかったが、ポテトにまで湯呑みで同じお茶をあげてたりして。
 佳乃ちゃんが「ただいま」と言いながら直接診察室に入って来た。…いいのか? 患者以外が診察室占領して。冷たい麦茶がいいという佳乃のリクエストに応じて、聖さんが取りに行く。
 佳乃ちゃん制服姿。飼育係でウサギの世話をして来たらしい。しかし、山犬食べるだの首が伸びるだの、何処までが作り話なんだか…。
 戻って来た聖さん、昼食はソーメンにするそうで。食べて行くか? と訊かれたのでありがたくいただいて行くことに。
 でも、佳乃の一言で流しソーメンすることになり、何故か竹を切り出して来いと言われた。おまけに、流しソーメンの位置は一番下流に座らされる(笑)。
 夕方までそうして診療所にお邪魔していた。帰ると言ったら「夕飯も食べて行けばいいのに」と佳乃ちゃん残念そうだった。
 駅舎に帰り、みちるとのどさくさで手に入れたお米券で米を調達しようとしたが、既に店が閉店していた。ははは。田舎の店って閉まるの早いんだよね、確かに。

 7/25。米屋に入ろうとして、カートを引く女性にぶつかった。勢いで米袋がカートから落ちてしまったので、拾うのを手伝う。
 …20kgを5袋って…随分買い込んでるんだなあ。それをカートに乗せてよろよろと道を歩いている。あまりに危なっかしいので、商店街の入り口にあるという車まで運んであげることにした。
 その光景を見ていた聖さんが声をかけて来る。遠野さんとそんな関係だったのかって…あれ、美凪ちゃんの母上だったのか。まるで知らなかった。
 娘のためにと100kgもの米を買い込む優しいお母さんだな、と何気なく言ったら、聖さんが顔を曇らせた。どうも何かの病気、らしいんだけど…何なんだろう。
 改めて米をゲット。運んでいる途中でみちるに人形を奪われ、駅まで米担ぎながら追うハメに。死にそう…(笑)。
 美凪さんも現れた。みちる曰く「人形がかわいそうだから助けた」。美凪さん、人形を見て綺麗にしてあげると言ってくれたので好意に甘えてみる。
 あちこち補修してくれた上、何やらピンクの衣装まで。こっちの趣味には合わないけど、みちるが「可愛くなった」と言っているので、芸の小道具としてはこの方がいいのかな。
 そう言えばお母さんに会ったよ、と話したら、美凪さんは、母親は夢を見ている人だと。心の病気なのかなあ。
 さて。商店街に戻り、再び芸を、と思ったけど、人が通りません。そこに現れた聖さん。どうやら、妹から往人を引き止めておくように頼まれたとかで、診療所に招かれたので入る。
 が、掃除させられました(笑)。
 させられているうちに佳乃ちゃん帰宅。で、俺に何か用すか。…は。散歩行こう、って…。
 そんなわけでポテト含めて散歩。ええいもう。付き合いますよ。はい。
 最初に会った橋のところに来る。静かで落ち着ける場所ねえ。
 今日は水面を覗き込んでいた佳乃が川に落ちてしまった。それをきっかけに全員参加の水遊び大会に突入。夕方までそこで過ごしてしまった。
 服は乾いたらしい。しかしバンダナ、まだ外さない。外して絞れば早く乾くのに。でも、絶対外さない、と言い切るので、それ以上はバンダナには触れないことにした。
 駅舎に帰り、腹ごしらえをしようとして気付いた。米と水と飯盒はあるが…火がない。はははー(泣)。
 そして人形。折角美凪さんに作って貰ったはいいが、元が可愛いというタイプでないため、ピンクのひらひらつけていてもちょっと不気味。やっぱり直してもらった方がいいのかなあ。

 7/26。朝、観鈴の所へは行かずに金を稼ぎに商店街へ。
 とは言え、もはや定位置となってしまった診療所の前は相変わらず閑散としていた。
 聖さんに声をかけられる。頼みごとがあるらしい。報酬は昼ごはんだとか。…何やらされるんだろう…。米と飯盒があることが頭にあったのできっぱり断ってしまった。頼みごとの中身も聞かず。
 駅に昼ごはんに戻って来てから、火がなかったことを思い出したらしい。アホか…(笑)。
 空腹に耐えられず、お昼寝。
 目が覚めたら夕方。しかも美凪さんがそばに。膝枕しようとする彼女の好意を断ってから、人形のことを切り出す。実は人形は男の子なので(というのはでっち上げなんだが)、ピンクのふりふり服は困るんだけど、と。
 美凪さん、服を元に戻してくれました。
 その代わり、と、ここに来るはずのみちるに伝言を頼まれる。今日は早く帰るからということらしい。
 それと、お風呂に入っていないでしょう、と指摘される。汗くさいらしい。まあそりゃそうだろう…。美凪さんは、父が以前この廃駅の駅長だったから、と鍵束を取り出した。駅舎には駅員用の簡易シャワーなどがあるらしい。ありだかやー。
 鍵、預けてくれるそうです。駅は大切な思い出の場所で、寂れて行くのが淋しかったから、人がいた方がいいのだそうで。
 ようやく飯盒でご飯も炊けるようになった。ふー。
 みちる来た。でも、何だか淋しそう。言う前に美凪さんが帰ったことは判ってくれたようだ。
 さっきまでのやり取り見ていたらしい。美凪が楽しそうだった、と感謝されてしまった。あのみちるが急にしおらしくなって、ちょっとびっくり。

 7/27。商店街で佳乃ちゃんに会う。また飼育係して来たらしい。
 佳乃ちゃんに「ちょっとの手間でネズミ算的に収入が…」と甘いことを言われ、つい調子に乗って言われるままについて行く。橋を越え、山を登る。
 神社ですよねえ…。
 何をするかと思ったら、いきなり拍手打って商売繁盛祈願を始めた。あはは。
 お前の魔法で何とかしてみろ、と無茶を言ったら、少し悩んでから、一番の願い事は何? と聞いて来た。
 小さい頃からずっと聞かされた話が口をついて出る。空にいる、翼を持った少女。その子を探している。何となく。でも佳乃ちゃんにとっては奇怪なうわごとに聞こえたらしい。まあそうだろうな。
 診療所に戻って来た。聖さんが「スイカがあるぞー」と言ったせいで、また引き止められてしまいました。ただし、先日の流しソーメンに続いて、今回は佳乃ちゃんのリクエストで室内スイカ割り…いいのか診療所。

 7/28。何故かまた診療所の床磨きをさせられている…。聖さんによれば、今朝は嫌な客が来ていたから念入りに磨きたいそうで。
 客は、隣町に新しく出来た総合病院の院長。患者を取られたのはもちろんだが、ウチに来ないか、ウチの息子を紹介するぞ、何なら医者なんか辞めて家庭に入ったら、などと言って来たらしい。
 父親から引き継いで2代で、この街で医者をやっているそうで。大切な思い出の場所だから、手放すつもりはないと聖は言う。
 診察室でお茶していたら、佳乃ちゃん戻って来た。そして、「あのこと話してくれた?」と。何のことだろうと思っていたら…。この診療所で住み込みでアルバイトをする気はないか、と打診された。
 …マジか(←口調移った)。
 何か給料は物凄く安そうだけど、それでもお金出してくれるっていうならこんないい話はないよね。承諾する。
 お世話になった人に挨拶をしたいので、仕事は明日からということにする。
 駅に戻り、来ていたみちると美凪に話す。もうここには来ないと。

 7/29。お仕事開始。掃除に打ち水などの雑用をした後に待っていたのは…。
 茶飲んで聖の愚痴を聞くことだった…(笑)。
 で、正午を過ぎた頃。いつもより少し遅れて帰って来た佳乃が、帰宅して真っ先に「ポテト帰ってる?」。そう言えば見てないね。
 学校にいる時、ぴこぴこーとか細い声がしたらしい。でもいくら探しても見つからなかったそうで。
 一緒に探してあげましょう。
 姉から、佳乃に聞こえないように耳打ちされた。佳乃の体調に気を遣ってやって欲しいと。何かあったらすぐに連れ戻せと。まあ、姉としての当然の気配り…にしちゃちょっと妙な気はするけど…。
 学校の周りから例の橋、神社まで足を伸ばすが見つからない。
 佳乃の魔法とやらでは判らないのかと聞いてみるが答えはNo。
 そして、少しためらった後に、佳乃はバンダナの話をしてくれた。これを初めて貰った時に、大人になるまでずっとつけていれば魔法が使えるようになると言われたんだそうだ。
 以来、水泳や身体測定の時ですら外したことがないのだと言う。姉も妹のその意志を尊重してくれて、イジメなどがあった時も助けてくれたらしい。
 本当はこれを外すのが怖いのかも、と佳乃は言った。外しても魔法が使えなかったら…。でも、使えたら使えたで、その方が怖いのかもね、とも言った。
 結局ポテトは見つからなかった…と思ったら、自力で帰って来た。感動の再会。
 診療所に入って理由が判った。数日前、聖が昼ごはんを報酬に往人に頼みたかったこととは、佳乃に弁当を届けることだったらしい。断られた聖はポテトにそれを頼んだが、ポテトは途中で弁当を失くしてしまって帰りづらかったらしいのだ。そうだったのか。
 夕飯を食べていると、花火の音。隣町の花火大会の音だけが聞こえて来るらしい。見たがる佳乃。でも今からでは無理。
 妹思いの姉は、バイトに財布を預けて、コンビニ・玩具店でロケット花火とトンボ花火を買い占めて来るよう言い渡した。す、すげーな(苦笑)。

 7/30。昨夜、買い占めた花火をドカドカ打ち上げた跡を掃除して、それから室内の掃除。しながら思ったのだが、一応病院内にいる立場として、この服でいいんだろうかという疑問が。
 診察室に入ると、白衣が1つあった。腕を通してみた。サイズはいい感じ。
 ポケットに鍵が入っている。薬棚の扉が合いそうだけど…勝手に開けるのはまずいよな、やっぱ。
 さてモップがけ。でもちょっかい出したがる佳乃ちゃんに邪魔されまくり(笑)。
 それが終わって、例によって茶飲みタイムに入ってしまう。それにしても患者が来ない。聖さん、往人を、実は人形芸が趣味の医大出たばかりのドクターに仕立て上げようとするが、そんなことしたら医師法違反です聖さん。年上の女性にモテるったって…こういう街で病院にかかる年上の女性ってたいていの場合は…(笑)。年上過ぎ。限度がありますよー。
 夜。夕飯後に佳乃が散歩に行くというので、姉から同行を頼まれる。だけど、その後ろでポテトを偵察に出している(笑)。信用されてません。
 いつもの橋の所に来て、佳乃は母親の話を始めた。体が弱くて、早くに亡くなったこと。父も仕事が忙しくて体を壊したこと。だから、姉はずっと妹の母親代わりをさせられていて、手伝う人がいてくれればいいと思っていたこと。
 もし魔法が使えたら、母親に会って謝りたいと言い出した。でも往人は言った。謝るんじゃなくて、感謝すべきだ、と。
 ついでに、また川に落ちた…佳乃ちゃん(苦笑)。
 夜。寝付けずにいたら、診察室の電気がついた。びしょ濡れで帰って来た佳乃を心配して診察していたらしい。話に聞き耳を立てていると、途中で突然雰囲気が変わる。
 「来たのか」と聖。「いつものように繰り言だけ」「意味が分からない」「佳乃をどうしたいんだ」と独り芝居のように聖が呟き続けている。
 佳乃の声。声は佳乃だけど、喋り方は別人。「この子は、私の命」と。
 そして突然、佳乃は我に返った。
 …何だろう、あの声。多分、あの神社での出来事と同じだよね…。

 7/31。早朝、聖さんが外出している。つい後を追いかけてみたら、例の神社にいた。
 罪滅ぼしをしたがっている、というようなことを言う。
 …何だろう…。
 家に戻る。佳乃が電話している。内容からすると飼育係を誰かに頼んでいるらしい。電話を終えた彼女は風邪気味だと言っている。聖が寝てるように妹に注意して、佳乃は部屋に引っ込んだ。ちなみに、昼食は往人の出前つきだと聖に言われて妙に喜んでた。…俺でいいすか?
 昼、約束通りお粥を運ぶ。話したいみたいだったけど、聖に怒られるからとすぐに戻る。
 そして夜。聖は寄り合いがあるとかで出かけてしまった。2人で食べるようにとソーメンを作っておいてくれている。
 それを部屋に運んだら…佳乃、いない。
 慌てて家を飛び出して、足は自然と山頂の神社へ。
 そこにいた佳乃は、また別人のような例の声。虚ろな目。そして突然、往人の首を絞め出した…。
 でも何とか殺されずには済んだようだ。一瞬正気に返った佳乃は、やがて気を失って倒れてしまった。

 8/1。目覚めたら夕方。首筋に傷がついていると言われて鏡を見れば、アザと爪痕のようなものが。派手にやられたなあ。
 聖が話し始める。
 母親が死んだ夏。お祭りに行って、佳乃は聖に風船をねだった。たくさんの風船があれば空を飛べると、母親に会えると信じていたから。父も聖も、まだ幼い佳乃に母親が死んだとは言えず、空にいると教えていたらしい。
 家に帰って父親に小遣いを前借りしようとしたが、父は往診中でいなかった。
 姉妹は神社に戻り、売れ残りを貰えないかと風船屋に頼んでみようとしたが、既に祭は終わっていた。
 少しだけ灯りの洩れている本殿を見つけて、つい覗いてみる。
 そこには何故か真っ白な羽根があった。佳乃は「魔法の羽根だ!」と目を輝かせる。届かなかった佳乃のために手に取って渡してやったら、見回りに来た人にどやされて追い出された。
 その帰り、もうお母さんの所には行けないんだね、と佳乃は言ったそうだ。
 その翌日から異変が始まった。うわ言を言い、自分でも知らないうちに出歩いたりする。そしてある夜、自分でも気付かないうちに佳乃は診療室でメスを手首に…。
 大人になるまで外さなければ魔法が使えると言ってバンダナを渡したのは、聖だった。次に手首を切ろうとした時、それが目に入って正気に返ってくれることを期待したのだと。
 聖は、妹の病を治すために医者になる決意をした。
 でも、医学では治せない領域なのではないかと思い始めている、とも。
 羽根に触れた時、何故か悲しいと感じたのを覚えているそうだ。
 話によれば、その羽根、神社の御神体らしい。…羽根が?
 母親から聞かされていた「空にいる少女」の話が少し引っかかる。関係あるのかなあ…。
 聖は、最近佳乃の別人格(?)の現れる頻度が増えたこと、常識ではない力を持っていること(首の傷、外傷ではなく炎症みたいなものらしい…内部からの何か?)、などが気になっているそうだ。
 佳乃を守ってやってくれと頼まれる。せめてバンダナを外せる日が来るまでは。

 8/2。午後、佳乃が遊びに行こうと言い出したら、聖は即決でアルバイトに特別休暇を下さいました。
 佳乃とポテトと一緒に外へ。
 来るのはやっぱり例の橋。佳乃は、往人の探している「翼を持った少女」について聞いて来た。そして、いつかはこの街を出るのかとも。出ると答えた途端に「寂しい」と言う。
 もし空が飛べるようになったら、往人の代わりにその子を探してくれるそうです。
 夕方になり、寄る所があると佳乃に告げて別れた。向かったのは例の神社。真っ直ぐ本殿に向かう。南京錠がかかっていた。
 法術で手を触れずに物動かせるったって、それ悪用するのはなあ…別の手を考えようとした時に、何故かポテト登場。しかも錆びついた鍵まで持ってるし。…まさか?
 そう都合よくはないわな。開けられませんでした。はあ。しかも鍵折れて中に半分残っちゃうし。
 家に帰る。聖は往診だそうで、夕飯は佳乃が作ってくれた。しかし…気絶するほどひでぇ味だったらしい…。聖は、怪我するといけないと妹に刃物を持たせない方針だったようで。包丁も含めてね…。
 夜、待合室のソファで寝てると佳乃が来た。
 往診先に聖は泊まるらしい。そして、電話で今から帰ると言った姉に、そうしたらいいよと言ったのは佳乃の方だとも。
 佳乃に「私をもらって下さい」と言われた。
 ………。
 バンダナ、外れました、ね。

 8/3。佳乃もいない。服もない。っつーか俺の服も!? やがて佳乃の声が部屋の外から聞こえて来た。…洗濯してくれてたそうです…それはどうも…。代わりにと、残してあったと言う父上の服を借りる。
 早朝、聖は帰って来ていたらしい。開口一番聞かれたことは「佳乃の料理を食べたのか」。…そっちですかい。
 でも、朝食は赤飯だと言う辺りは、バレてんだな。バレてんだろうなあ。
 午後から、また一緒に散歩しようと言う佳乃。今日はしぶしぶだけど聖のお許しも貰えたので外出。
 また例の橋へ。人形芸が見たいと言う佳乃のために披露する。そして、往人のこの力は何のためにあるんだろうね、と聞いて来た。
 魔法は人を幸せにするものだったらカッコいいね、が佳乃の持論らしい。
 飼育係の仕事があるらしく、佳乃は駆けて行った。
 ふらふらと歩いて辿り着いた場所はバス停。やって来たバスに…乗らないでおく。
 夕方、帰って来て自分の服に着替えた時、一緒に置かれていた手紙を見つける。
 佳乃の字で。「やっぱり空に行く」と。往人の探している人を連れて来るから、好きなだけここにいて、姉を助けてやって欲しいと書かれている。
 そして最後に「首の傷、ホントにゴメンね」……。
 慌てて聖に手紙を見せる。聖は、どうしたいのか自分で決めろと言った。佳乃は、自分が往人を殺しかけたことに気付いたのだ。これからも同じことが起こらないとも限らない。だから佳乃はあえて離れようとしているのに、それでも佳乃のそばにいる気なのか? と。
 当然でしょう…ここまで来て離れられるわけがない。
 探しに出る。えーとまずは…ホントに飼育係なのかも知れないので、学校。出て来た生徒に佳乃を知っているか訊いてみたら、偶然今日の飼育当番の子だったらしい。ちなみに佳乃は来ていないと。
 だとすれば、もう候補は1つしかないんすけど。やっぱあそこですよね…神社。
 でもいないよう…。
 診療所に戻って来た時、足元に…ポテトだ。付いて来いと言うように走り出したポテトを追うと、やって来たのはやっぱり神社。そして…。
 血だまり。外れたバンダナ。そして佳乃。
 せめて連れて帰ろう。そう約束したから。聖と。

 8/4。見た夢は、金色のススキの中に立つ誰か。
 起きたら疲れ切った聖がいた。佳乃、命に別状はないそうだ。でも。
 手首についていた血は佳乃のものだが、またもや外傷なし。内側だけのひどいアザ。往人の首と同じ症状だそうだ。
 もう彼女の「病気」はこの病院では手に負えない。何も出来なかったと無力になっている聖。
 往人、何か思いついたことがあるらしい。神社に行こうと言い出した。
 意識のない佳乃を抱えて3人で神社へ。聖は神社の管理をしている人の家に寄って鍵を借りて来た。
 鍵が壊れてるせいで、結局聖が扉壊したんだけど(笑)、中へ。その奥にあった羽根は。
 輝いている。羽根じゃない。物質ですらない。それに引っかかっているのは往人だけなんだろうか。
 床に横たえた佳乃の体に羽根(?)を乗せて、法術をかける。やがて羽根(?)は震え出し、そして突然光に包まれる。
 白穂と名乗る女声。生まれた子の名は八雲。手首に醜い痣があり、それが不吉だと村人たちに陰口を言われていた。
 それでも気にせず育てて来た。八雲はむずがっても、母親から伝えられた子守唄ですぐ泣き止む子だった。
 でもその日は泣き止まず、どうしたんだろうと思っていたら、空から羽根が落ちて来た。手を伸ばす八雲に白穂はその羽根を取ってあげた。すると羽根は輝き出し、それを見て八雲はとても喜んでいた。
 この羽根はきっと神からの贈り物だと白穂は思い、願をかけた。八雲が健やかに優しく育ってくれるようにと。
 ところが、その後に異国から船で攻めて来られて戦争が起こり、夫も徴兵された。
 戦争は、何故か突然起こった大風によって、異国の船が全て沈んでしまうという終結を迎えた。夫は帰って来なかった。
 しばらくして、村に役人が来て、輝く羽根のことを聞き回った。それは穢れたものであるから、触れた者がいるなら名乗り出よと。白穂は、八雲が遊んでいた羽根を取り上げて隠し、その夜一緒に夜逃げをした。
 旅を続けて、ある村に辿り着き、丘の上の神社に身を寄せた。宮司は親切にしてくれた。
 しかし、八雲が熱を出す。宮司は、白穂親子が村に疫病を持ち込んだのではないかと噂していると話してくれた。神社に奉られている巫神は、厄難をもたらす者に徴を与えることがあるのだと。八雲の手首の痣のような。
 この村では、災いを鎮めるためには贄を神に差し出すのだと言う。八雲を生贄にと暗に言われたのだ。そうしなければ、怒った村人が何をするか判らない。親子に対しても、宮司に対しても。
 ならばいっそ私の手で、と白穂は我が子の首を絞めようとするが、出来なかった。そして、自分が身代わりになるからこの子だけは助けて、と宮司に懇願して自ら手首を切ったのだ。

 光。
 その中にいた母と再会する佳乃。
 母親に手を差し出されたが、佳乃はその手には触れなかった。姉もいる。そして、好きな人も出来た、と。
 母は「あなたに羽根はないから、そこで幸せにおなりなさい」と娘に話していた。

 目が覚めたら夏祭。診療所は一時休業。
 あれから3日眠り続けてから目を覚ました往人は、法術が使えなくなっていた。
 多分、そのための力だったんだろうと納得しているらしい。佳乃を取り戻すための。彼女が帰るための道をつなげるための。
 羽根、あの直後に幻のように消えてしまったらしい。今は別の羽根が御神体として祀られているらしい…い、いい加減だなあ。
 聖が妹に風船を買ってやっている。そして、病院に戻って行った。
 佳乃と往人は神社の裏の草地へ。そこで彼女は、実は私も魔法が使えるんだと言い出し、バンダナを外して往人の手首に巻いた。
 いわく、この街が好きになり、何処にも行かなくなり、空にいる女の子のことなんか忘れちゃうんだそうで。
 その魔法なら、とっくにかかっている…かもね。

□■□

 …何だろう。クリアしたんだけどした気がしない。何も解決していないじゃないか…。空にいる翼を持つ少女、の方が。
 結構1プレイが長いなあと思ったんだけど、それにも増して、かなり「序章」な感じがする。プレイする時にキャラ萌えよりシナリオ読んでいた人間としては…何だか何も解決した感じがしない…しない…クリアしたのに「先が気になる」なのは珍しいかも。

 佳乃っち、御神体に触れて白穂さんに取り憑かれてしまっただけだろうか…まだ何かありそうな気がして仕方ない…っつーかCG1枚開いてない…。

□■□

 情報探してしまった。CG1枚、美凪ちゃんの母上を助けなければ取れるのね。ゲーム的都合ですがちょっとごめんなさいです。


AIR(PS2) プレイメモ(3)

 美凪さーん。

 7/21。リサイクルショップの日雇いの仕事などしてみている間に立ち寄った駅でしゃぼん玉を飛ばすみちると、一緒にいる少女美凪。観鈴の同級生らしい。喋るのがワンテンポ遅いお嬢さんである…。観鈴によれば学年トップの秀才らしい。
 か、会話が続かない…。
 そこに体当たりかまして来るみちる。だから俺は変態誘拐魔じゃないっつのに…。
 長ーくかかりましたが何とか自己紹介。美凪、遠野と呼んで欲しいと指定して来た。下の名前は嫌いなんだろうか。
 何だかさっきからじーっと見つめられているっぽいんだが何なんだ。みちるには睨まれてるけどこっちの理由は判ってる(苦笑)。
 観鈴マップに駅はなかったので訊いてみると、廃線になって使われていないことを教えてくれた。でも動き回るのに目印にはなるので地図には書き足して貰うことに。

 7/22。観鈴を学校に送った後に商店街に来てみた。診療所の前でみちるとポテトがぴこぴこ二重奏しているのに出くわす(苦笑)。何なんだこいつは…。
 逃げ出したみちるが落としたお米券ゲット。

 7/23。午後、観鈴の家を出る決意をして駅にやって来た。これからどうしようか考えながら昼寝をしていた所で、みちるに殴られる…。
 バケツに鉄パイプって、そんなモン何処から調達して来たのか訊いてみたら、廃駅の元待合室らしき場所だった。ゴミ溜めになってるなあ。
 ところで何か用か? と訊ねると、いつまでこの街にいるのかと聞かれた。早く出てけー! と喚かれてまた喧嘩になる。
 みちるの最後の捨て台詞は「美凪は渡さない」だった。
 …はあ?
 さて寝る場所をどうしよう。ふとみちるが残したバケツが目に入り、廃駅を宿にすることを思いついた。観鈴の家の納屋に忍び込んで飯盒を探そうとする。晴子に見つかるが、往人が出て行こうとしていることを知って、飯盒を譲ってくれた。

 7/24。観鈴に出て行くことを話しながら学校へ。堤防にいたら、美凪さんがやって来た。駅に寝泊りしようと思っていることを言うと、駅には人がいた方がいいと言ってくれた。そんなもんか?
 そして、食事はどうするのかと。弁当を作ってくれると言う。そ、それは嬉しい。
 んで診療所の前で大道芸開始。ポテトしか客いないけどな…。
 聖さんにお茶に誘われ、そしてソーメン食べて行くかとも言われるけどそれは断る。美凪さんと約束あるからね。
 堤防に戻って来たけど。美凪さん…何故か大量のお米券を所持している…で往人に更に2枚ほど進呈してくれました。ははは。
 お昼、みちるも一緒に食べるらしい。うーん歓迎されないと思うけどなあ。
 美凪さんは、みちるは自分の半身だと言った。そして、みちるは往人のことばかり話しているからきっと好きなんだと言った。…話の内容にもよると思うが…。
 ずっと付いて行って、辿り着いたのは駅。みちるいるねえ。シャボン玉作れたとはしゃぐみちるに、美凪は星の砂の小瓶をプレゼントしていた。
 で、隣にいる往人が気に入らないみちるにまた喧嘩を吹っかけられて、ひとしきりツッコミし合った(?)後にようやくゴハン。
 食べ終わったみちるは満足げにお昼寝。まったり過ごすうちに夕方になってしまった。
 夕飯はどうするのかと美凪に訊かれて、お米券あるから平気だと言うと、もし店は閉まっていると返事が。がく。でも、こんなこともあろうかと、と言いながら美凪はもう1つの弁当箱を出して来た。ううありがたいー!

 7/25。観鈴を学校まで送った後に米屋へ。出て来た中年女性がお米を運ぶのを手伝う。娘が米好きで、食べて喜ぶ顔を見るのが嬉しいと話していた。後にそれが美凪の母親であることを聖から聞く。
 娘のために米を買いだめするいい母親だと言ったら、少し聖は言葉を濁らせた。体の病気ではないんだがな、とだけ。
 米を無事に手に入れての帰り際、みちるに人形を奪われて米を担いだまま追いかけるハメに…。死ぬー。
 駅まで来てしまった。美凪さんも来てた。人形を助けてあげたと主張するみちる。そして人形を見た美凪さん、綺麗にしてあげるとピンクのふりふり衣装を着せてくれた…それはちょっと…と思うのだが、みちるが「かわいくなった」と言うので、子供たちに芸を見せる分にはこっちの方がいいのかなあと思い直してみた。
 大切なものなんですね、と美凪に言われる。そうかもね。
 そういえば、今朝お母様に会った話をする。そして、何処か具合悪いのかと訊いてみた。
 美凪が言うには、母は夢を見ているそうだ。母にとって夢は現。夢の向こうには何もない…。
 少し悲しげなその言葉をみちるが遮った。そしてこっちに「美凪が悲しむような話するなー!」
 みちるに引っ張られて美凪たちは去って行く。
 夜、米をご飯にしようとして火がないことに気付いたり、やっぱり人形のひらひらが嫌で元に戻そうとしたり悪戦苦闘してしまったりして。

 7/26。金を稼ぎに商店街へ。でも稼げはしないのは相変わらず。聖の使い走りを断って駅に戻って来るが、空腹でどうしようもないのでお昼寝タイム。
 起きたらそこに美凪さん。早速なので、人形が実は男の子だったんだと口から出任せを言い、男物の服にしてくれと頼んでみた。
 男物の服は慣れてないので一晩預けてくれと美凪さんに言われて、大人しく人形を渡した。明日の昼過ぎにここで待ち合わせる約束をする。
 美凪から、みちるが来たら自分はもう帰ったと伝えて欲しいと頼まれる。
 それから、往人が汗くさいので、駅舎の中のシャワー室を使うといいと鍵を貸してくれた。彼女の父親が元駅長なのだそうだ。
 ここは大切な思い出の場所で、寂れて行くのは寂しいから人がいた方がいいのだと言ってくれる。
 それから、星の砂の小瓶もくれた。3人お揃い、だそうで。
 駅舎の鍵をありがたく使ってシャワーを浴び、飯盒でお米を炊いていると、みちるが来た。珍しくさみしそう。
 ずっと見ていたと言った。そして、美凪が楽しそうだったとも。「ありがとう」と言われる。そして…「少し悲しいけど、やっぱりこれでいいんだってそう思ったの」。
 …何がだろう?

 7/27。昼まで寝てたらしい。起きて頭から水をかぶっていた所に2人がやって来た。
 人形は無事に帰って来ました。オーバーオール着たちゃんとした男の子です。
 で、突然、美凪さんはままごとは好きかと訊いて来た。どうやら、人形を持ち歩いているせいでそう思われたらしい。
 人形芸を2人に披露する。仕掛けはなく、法術を持つんだという話もする。
 いつの間にか美凪と話し込んで、旅の目的の話になった。翼を持つ女の子を探していると言っても、美凪は笑ったりはしなかった。しないと思ったからこそ、話してみたのかも知れないけど。
 傍らで眠ってしまったみちるの頭を撫でながら、今度は美凪が話し出す。みちるが昨日来ていたか、と訊いて、少し悲しい顔になった。
 みちると一緒の時を過ごすのはとても幸せだと美凪は言った。それから、往人は誰かと一緒にいる幸せを感じた時がありますか? と尋ねて来る。
 遠い昔にはあったかも知れない。母親と旅をしていた頃。
 そして今の旅も、もしかしたらその延長線に過ぎないのではないかと、そんなことをふと思っていた。

 7/28。朝、武田商店の前でゴミを漁っているみちるがいる。…何でゴミ漁りなんてしてるんだ、この子は。辞書らしいものを発見して持ち帰ることにしたらしい。
 そして商店街。またカートをよろよろ引いている女性。美凪の母親だ。運ぶのを手伝うついでに、こないだのは全部食べちゃったのかと訊いてみたら、まだたくさんあるそうです。…なのに買うの??
 ふらふら歩いて校門前。美凪が出て来た。これから帰るのか? と何気なく訊いてみると、まだ帰らない、みちるに会いに行くと。心なしか何かを取り繕ったような感じに見えた。
 駅まで一緒に来ると、みちるが寝ていた。集めたゴミに囲まれてご満悦な雰囲気。美凪によれば、それがエコロジーなみちるの趣味であるらしい。
 美凪、これから天文部の部活ために学校に戻るそうだ。その間少しだけでもみちると遊びたかったらしいけど、寝ているのを見て諦めて立ち去る。
 その夜。星を見ながら、美凪に貰った星の砂を見ていると、ようやくみちるが目を覚ました。2人で星を見上げながら、みちるは言った。美凪からのプレゼントである星の砂をずっと大切にして欲しいと。
 美凪には幸せになって欲しい。みちるは、いつもの口調でさらっとそう言い残して去って行った。

 7/29。朝ご飯を終えてから商店街で人形芸。仲の良い姉妹が見物に来てくれた。珍しい。
 2人が立ち去った後、駅に戻る。美凪が読書中。横でみちるがランチ中。そしてその後は相変わらずのシャボン玉遊び。うまく作れないみちるに手本を見せる美凪。
 夜になって、隣町の花火大会が始まった。ちょっと遠いけど辛うじて見える。見た目と音はもちろんズレズレだけど。みちると美凪は見入っている。
 花火が終わると、美凪は明日は来られないと言った。みちる曰く「でーと」なんだそうで。何か言うことないのかって…えーと。嫉妬してみる?
 みちるに指摘されて真っ赤になってる往人を、ちょっと嬉しそうに頬染めて見ている美凪。…実は何だかいい感じ?

 7/30。みちるだけがやって来た。美凪はデートなんだからもっと落胆しろ、落ち込んで街を出て行けーと無茶を言うみちるに「金がない」と言うと、金が手に入る方法を教えてやると言う。
 大人しくついて行ってみたら、自動販売機の周辺で小銭を探すハメに。おいおい。
 見つからないので腹立ち紛れに自販機ぶっ叩いてしまい、店長に追いかけられた。
 逃げて着いた先は神社。お社を知らないと言うみちるに「神様の家」と説明するが、神様は空にいるはずとみちるは納得出来ない様子だった。
 境内にいた親子ネコに目を留める。みちるが「お母さんってあったかいのかな」と少し寂しそうに言う。母親がいないのだろうか、と言いかけると、「ちゃんといるよ」と返して来るが、何処かその笑顔が空々しい。何か隠してるな、この子。
 商店街に戻って来る。美凪が母親と2人で歩いているのを見かけた。みちるに、あの人(美凪母)知ってるか、と訊いてみるが、それには答えず。みちるの2人を見る目は何だか寂しそう。
 やがて美凪の母親は美凪と別れて商店街を出た。1人取り残された美凪は寂しそうだとみちるが言う。「美凪を呼んであげて」と。
 みちるの妙に切実な言葉に応えて彼女を呼ぶ。近づいて来ていつものように挨拶。だけど、ふと気付くとみちるはいなくなっていた。
 美凪、去り際にでーとは嘘だと言って来る。母親と出かけていただけだと。
 楽しかったとは言うものの、何となく笑顔が遠い感じ…。

 7/31。みちるが来ている。でも元気がない。話しても仕方ないことだと言いながら悩んでいるみちるに無理に吐かせてみたら、今夜天気が悪くて星が見えないということを真剣に悩んでいたらしい…。
 でもその根拠にしていたのは拾った新聞…3週間前のでした。やって来た美凪に、今夜は晴れるからと言われて安心するみちる。
 そしてランチ。大好物のハンバーグの登場にはしゃぐみちる。往人の分もあると勧めて来た美凪の言葉に甘えて箸をつけようとするが、みちるが邪魔する邪魔する…わざと怒らせようとしてないかなあ、こいつは。
 夕方までシャボン玉で遊ぶ。その後、美凪は部活動のため学校に行くと言う。往人も誘って来た。部外者が行っていいのかと訊いてみたが、部長さんだからいいらしい。承諾する。
 ただ、みちるは2人きりには猛反対らしい。テゴメにされるって…そんな言葉何処で知ったんだか。
 それならみちるも来ればと美凪。でも、みちるは星を見に行くこと自体に迷いがあるらしい…どうしてだろう。
 いつまでも悩んでいるので、とりあえず学校まで一緒に来てから考えたらと引きずって行く。
 美凪は、ずっと3人で歩いてみたかったんだと言っている。そして往人も、こういう安らぎも悪くないと思い始めていた。1人でも2人でもない、3人の安らぎ。
 学校の入り口まで来て、みちるは一緒に行くことを決めたようだ。屋上へと。
 他の部員もいると思っていたのに、そこには誰もいなかった。天文部、美凪1人だけのようだ。
 空にいると言う翼を持った少女のことを思い出しつつ星空観察。
 終わって、商店街でみちると別れる。美凪は夜も遅いので家に送ることに。
 美凪の家の前で、母親に「いつぞやはお世話に」と挨拶された後、夕飯に呼ばれるが遠慮する。母親に対する美凪の態度が妙に悲しげなのを不思議に思っていたら、その母親が、自分の娘のことを----目の前の美凪のことを「みちる」と呼んだ。
 そして美凪もそれに「うん」と答えて家に入った……とても寂しそうに。

 8/1。みちるだけが来る駅前。美凪は姿を見せない。

 8/2。美凪はやはり姿を見せない。みちるは泣き出しかけている。
 夏風邪でも引いているんじゃないかなと話す。星の砂に願いをかけてみるのはどうかと提案したら、みちるは真剣に願をかけていた。
 そしてシャボン玉の練習。泣きそうなみちるを見ているのが辛くて、一緒に練習付き合うことにする。

 8/3。まだ来ない。こりゃ本格的に風邪を引いているんじゃないだろうか。
 来ないなら行けばいいとみちるに言うが、みちるは美凪の家には行きたくないと。理由は自分でもよく判らないまま。ただ、美凪はみちるに自分の家の場所を教えてくれたことがないので、きっと美凪は教えたくない理由があるんだろうと思っているらしい。
 みちるは、往人に行って欲しいと頼んで来た。宝物だという青の小瓶を託される。風邪を引いて苦しんでいたら、渡して欲しいと添えて。
 美凪の家に向かう。呼び鈴を鳴らして出て来た母親に娘を呼んで欲しいと頼むが、家に娘などいないと不思議そうに返された。
 ……え。
 商店街へやって来る。聖に呼び止められて、茶に呼ばれる。時間がないと言うのだが、強引に診療室に連れ込まれた。
 でも、お茶うけに出た話が美凪関連だった。相談しについさっきまでここに来ていたと言う。往人が美凪と仲がいいのを知っている聖は、その内容を話してくれた。
 美凪の母親の病気が完治したのだそうだ。2日前に突然。心の病だったので、何故急に治ったのかは聖には判らないそうだ。でもその割に浮かない顔だと指摘すると。
 母親は、完治したことで娘の存在を忘れてしまったのだそうだ。
 かかっていた精神科の医師によれば、それは「夢から覚めた」ということらしい。
 …どーいう意味だろう…。
 聖は、美凪は部活動があるから学校にいるはずと教えてくれる。
 そして学校。校門でしばらく待ってみるが美凪は出て来ない。だとすればあそこしかない。屋上へ行く。
 いた。
 約束通り、みちるからの小瓶を手渡す。
 しばらく空を見た後、美凪の方から「話した方がいいでしょうか」と言ってくれる。個人的な問題に巻き込むのは迷惑と思っているっぽい美凪を説得すると、ようやく話し出してくれた。
 美凪には、生まれて来ることが出来なかった妹がいた。みちるという名前をつけるはずだった命。美凪の母親は、みちるを流産した時から心を病んでしまった。
 美凪はお父さんっ子で、いつも父にくっついていた。それを見た母はいつも寂しそうな表情をしていた。母親のことももちろん好きだったが、そんなことは伝えなくても理解してくれていると思っていた。
 だが、母にとってはそれは疎外感で。だから生まれて来るはずのみちるは母にとっては希望だった。その希望は、始まる前に潰えてしまったのだ。
 母は夢の住人になった。そして、その中には美凪という娘はいなかった。彼女の希望だった「みちる」がいるだけ。美凪は、みちるとして振舞わなければ母親に受け入れてもらえなくなっていた。
 母親は、精神科の治療のお蔭で少しずつ良くなっていた。そして、往人が家まで美凪を送った日、母は眠りながら見る方の夢を見、その中で、みちるがこの世には生まれなかった命であることを理解したのだそうだ。
 そして「目覚める」。目覚めることで、夢が終わり、現実を意識する。
 母は、起きて家にいる美凪に「あなた誰?」と言った。
 娘のみちるは、成長しないまま亡くなった命だと理解し、目の前にいた『みちる』は本物ではないと理解したら、それが誰なのか判らなくなってしまったのだ。
 空にも大地にも居場所を失う。飛べない翼に、意味はあるんでしょうか。
 居場所がないなんて言うな、と往人は美凪を責める。美凪を待っている人がいる限り、そこに彼女の居場所はあるのだから。
 学校を出る時、美凪は大きなスポーツバックを抱えていた。家出して来ているのだそうで…。そしていきなり、自分も駅舎に住むと言い出した。
 時間がないんだそうです。美凪の夢はまだ覚めていない。その夢が終わるまであと少ししかないのだと。
 何のことなのかはよく判らない。美凪も、今はこれ以上は話せないと言った。
 そして彼女は駅舎の待合室に、往人は外のベンチに分かれて眠ることに。
 ----美凪の過去の記憶。母の妊娠。家族会議で決めたみちるという名前。ちなみに美凪の名は「あなたたちの未来が、いつまでも美しい凪に満ちていますように」というのが由来。
 家には背に羽を持つ女の子の絵があって、父はそれを神様の絵だと言っていた。神様がみちるを連れて来てくれると母に言われて、美凪は幼心にとても楽しみにしていた。
 みちるは妹になってくれる。女の子の神様は友達になってくれる。そう思っていた。

 8/4。美凪は飯盒で米を炊き、麩と炒ったネギの入ったみそ汁も作っていた。腐らなそうな材料を家から持って来ていたらしい。
 そして午後からはみちるも加わるいつもの日常。
 往人は「仕事」をしに行き、夜は学校の屋上で天体観測。
 3人でいる時間に安らぎを感じた往人は、この町にいたいと願うようになる。
 帰り道、みちるは学校の前で別れて走って行った。あの子なりに気を遣ったつもりらしい。でもどうして気を遣われているのか理解してない往人…。

 8/5。午前中美凪は夏期講習だそうで。
 1人で散歩してると、先日人形芸を熱心に見てくれた姉妹にまた会った。姉妹に芸を見せると、カラスの羽をくれた。カラスは友情に篤い鳥なので、持っているとたくさん友達が出来るらしい。
 駅に戻ると、扇風機が回っている…風を浴びているみちると、傍らで読書する美凪。
 ランチを広げて食事した後、みちるはお昼寝タイム。
 美凪は、いつかこの町を出るのかと訊いて来る。そして、寂しいと思ってしまうのはいけないことだろうかと…。
 いつか別れなければならない、いつか終わってしまう穏やかな日常。それはもしかしたら美凪の母の見ていた夢と同じなのかも知れない。だとしたら、この『夢』の先には何があるんだろう。
 そんなことを考えていた往人の脳裏に流れて来た声。「そんなの知らない方がいい」。それは確かにみちるの声だったが、本人は昼寝からその時に目覚めた。
 なんだったんだろう…。

 8/6。ランチはみちるのリクエストでハンバーグ。午後はシャボン玉遊び。夜は、2人で星空を見上げる。美凪の記憶。
 小さい頃、仕事をしていた父を駅まで迎えに行き、星空を眺めながら帰って来るのが美凪の習慣だった。父は星座に詳しく、色んな星の話をしてくれた。星は、人の心を綺麗にしてくれるとも。
 みちるの流産が切っ掛けで、美凪の父と母は夫婦仲が悪くなり、父は家を出て行くことに。美凪に付いて来るよう言ったが、母が精神的に参っているのを知っていた美凪は母を置いては行けなかった。
 父は星の砂をプレゼントしてくれる。これを持っていれば幸せになれると。
 美凪は父の帰りを待った。帰って来てくれないのは自分の心が汚れているせいと思い、夜空に自分の心を清めてくれるよう何度も祈った。
 やがて父は別の女性と再婚したとかなり後になってから知った。

 8/7。目が覚めたら美凪がいた。往人の寝顔を見たかったと朝からがっくりしている。じゃ代わりにおはようのキスでもいかがですか(笑)。
 マトモに受けて照れないで下さい美凪さん(笑)。
 みちるが来てシャボン玉で遊ぶ。手本を見せてくれている美凪を見ながら、みちるに話しかけてみた。同じこと考えてたのか。
 何となく、美凪はいつもと違う。彼女の言う「夢の終わり」までの間に、色んなことを詰め込もうとして、無理にはしゃいでいるように見えることがあるのだ。
 みちるが呟く。「やっぱり無理なのかな」と。

 8/8。美凪の夏期講習の間、みちると散歩。海辺のカモメと会話するみちる。もうすぐ風が吹くとカモメは言っていたそうだ。
 商店街に来る。人形芸をみちるに披露してやる。
 その時、診療所のドアから美凪の母親が出て来た。みちるが「かあさ…」と、そして「探してる…」と言いかけるが、それ以上は何も答えてくれない。
 大切な人に忘れ去られるのは悲しいことだが、忘れられているなら思い出せばいいとみちる。
 その後、美凪は家出しているでしょ、と言って来た。美凪は寂しそうだと。そして。
「あんな美凪を見るためにみちるは『いた』んじゃない」と、過去形で。
 多分みちるがしてあげられることは何もないから、往人が出来ることをしてあげて欲しいと。
 みちるは先に帰ってると言って駆けて行く。1人残された往人は聖にとっ捕まった。相変わらず診療室へと強制連行。
 母親がここから出て来るのが見えたので、何か判るかも知れないと美凪の家出のことを相談してみた。
 聖は、みちるの流産の時に父親が往診して以来、美凪から母親について相談を受けることがちょくちょくあったのだそうだ。だから、彼女の身に起きていることは知っているつもりだと。
 それならと往人は聖に突っかかる。娘を忘れてしまうなんて、そんな簡単に出来ることなのかと。
 聖は教えてくれた。さっき来ていた母親の話とは、何か大切なものを失くしたということだった。とても、とても必死だったのだそうだ。
 夕方の屋上。みちるは、美凪に対してついに言いたいことを吐き出した。無理している。寂しそう。そして、ここが美凪の居場所ではない、と。
 美凪はみちるを抱きしめる。
 帰り道、みちるは、「あとは往人に任せる」と言ってくれた。
 夜。駅舎で往人は美凪に言った。この町を出て行くと。そして----美凪も一緒に、ついて来て欲しいと。
 美凪の返事は「はい」だった。

 8/9。出発の前に「忘れ物」を取りに行くと言って美凪を連れ出す。辿り着いたのは、美凪の家。縁側で誰かを待ちわびるように空を見上げて、寂しそうに座っている母親を示す。
 最後は美凪自身が決めろと促した。
 でも往人は心の何処かで期待してる。彼女が自分の居場所に帰ることを。夢から覚めることを。みちるから託されたのはそういうことだと思ったから。
 なのに。彼女は……。
 (うわあ。いいのかそんな展開で…。)
 夜。駅に戻って来た美凪と往人。みちるがその2人の間にいないことは「わかっている」と泣きながら美凪。そして「膝枕をしていただけませんか」と。
 何て言うか、あの。
 みちるが消えてしまった穴に引きずり込まれてるっぽいというか何というか。

 8/10。夏期講習に向かった美凪に「迎えに行くから待っていてくれ」と告げて、往人はただ待ち続けた。夢はまだ終わっていないと信じて。
 夕方、みちるは現れた。折角託された想いを叶えてやれなかったと謝る往人に、誰が悪い訳でもないと悲しく笑うみちる。
 そしてもう1度言った。夢を覚ましてあげて欲しいと。彼女が悲しむ顔は見たくないから早く行って欲しいと。
 そして再びいなくなるみちる。星の砂の小瓶を残して。
 振り出した小雨の中を学校へ。屋上で待っていた美凪に小瓶を渡した。みちるに会っていたと告げた。
 結局美凪は、自分のいた場所に戻れなかった。そして、みちるを見送ることも出来なかった。彼女がいなくなるのを見るのが嫌だったから。怖かったと美凪は言った。母親と向き合うことも、みちると別れてしまうことも怖かったのだと。
 泣き崩れる美凪。その目が往人に向けられている。
 …何を期待してる、んだろう。
 自分で自分の居場所を決められない人間とは一緒には行けない。往人にそう言われて、美凪は、立ち上がりながら往人を見ていた。そして。
「私を…飛ばせて下さい」と。
 言ってしまったらもう戻れない。そう何度も前置きした後で往人は再び彼女に聞いた。一緒に行こうと。美凪は行かせて欲しいと答えた。
 そしてまた「膝枕をして下さい」。
 往人の答えは。
 …うわあ。18禁シーンぶった切るのはいいが、もうちょっと余韻残してあげてよ(笑)。

 そしてバス停。2人しかいなくて殆ど貸切状態。
 車内で往人は星の砂を取り出した。3人分を一緒に混ぜようかと提案したが、美凪は「もうみちるはいないから」と、みちるの瓶をそっと引っ込めた。
 2人分一緒になった小瓶は往人の手の中に。
 あいつはこれで良かったかだろうか。と往人が悩んでいるということは、ひょっとして…。

□■□

 やっぱりTrueじゃないんだ、
 ……。
 出直して来ます。
 分岐点が判り易いのが救いと言えば救いだ。彼女を『居場所』に帰してあげること、ですね。


 デートだと言う美凪に嫉妬しないし、寝顔を見たかったとがっくりしている彼女におはようのキスを求めたりもしない。
 …で、いいのかな。
 あれか。こっちに依存されるような要素=恋愛に持って行ってはいけないということなのね。ああ既に恋愛AVGじゃなくなってるこのゲーム…。

 8/9。彼女は、家に戻ることを選んでくれた。母親は、彼女を見てはっきりと「美凪」と呼んだ。彼女の名前を。
 夜。みちるがやって来て、美凪のことを頼んでもいいかと訊いて来た。みちるは、もう帰らなければならないのだそうだ。
 空にはさみしそうな女の子がいて。みちるは、その子の思い出の詰まった羽を分けてもらったのだ、と。会いたい人に会うために。仲良くなるには思い出が必要だったから。
 そして、楽しい思い出をたくさんもらって、みちるは女の子に羽を返しに行くのだと。夢はいつかは覚めなければらないのだから。
 みちるは、「この世に生まれて来ることを許してもらえなかった」という言葉を最後に泣き出してしまった。
 ただ抱きしめることしか出来ない。泣き止むまで、そこで、ずっと。

 8/10。みちるが最後に望んだのは「思い出」。
 美凪とみちると3人で、あちこちを歩き回る。川遊び。神社でかくれんぼ。
 そして夜は、3人で川の字になって駅で眠った。美凪はちゃんと母にことわりを入れて来たそうだ。

 8/11。朝食は往人と美凪の2人で作った。人形芸を見せてあげたりする。
 夕方から部活動。一番星を見るために夕日の時間から屋上へ。
 星空となった空を見上げながら、美凪は心を清めてくれるようにと星に願いをかけようと言った。でも往人の答えはNoだった。
 清めるということは消してしまうことではないのか。みちると過ごした日々さえも。
 美凪は呟く。全ては私の罪から始まったことだから。それさえなければ誰も夢など見なくて済んだはずだから。そうすれば…みちるもずっとここにいられた筈だから。
 1人屋上を出て行く美凪。残されたみちるに話しかける。美凪は気付いているのかと。みちるは答える。ずっと一緒にいたからと…。
 そして、みちるが美凪を苦しめているのかな? とも。
 そんなことはないと思うよ。

 8/12。美凪は夏期講習。
 ふらふら散歩して神社に着いた時、みちるに会う。どうしてここに、と訊くと、もう1人の自分があると答えた。でもそれ以上は何も言おうとしない。
 一緒に散歩。駅前に戻って来るが美凪は来ない。
 そこでみちるは最後のお願いを。----美凪の夢を、覚ましてあげて欲しいと。そうしなければ前に進めないから。
 雨の中、学校の屋上に走る。夜の雨上がりに立つ美凪。
 泣きそうな美凪。泣きたいなら泣けばいいと言う往人。でも、ここで自分が泣いたらあの子はいつ泣けばいいのかと、いつもと違って少し激しい語調で美凪は叫んでいた。あの子は、産声さえ上げることが出来なかったのに----。
 悲しい夢ばかり見ると美凪。いつも笑いかけてくれる笑顔がそこにいるのに、決して触れることが出来ないという夢。
 あいつの目を覚まさせてやろうと往人は言った。そして、美凪は何をしてあげたいのか? と。

 美凪の回想。物心ついた時からずっと知っていた羽のついた女の子の絵。それを見ながら、どうして自分に羽がないのかと訊いて母を困らせたりした。
 美凪は父の肩車で駅からの帰り道を歩く時、星の中を飛んでいるような気分になっていた。父と一番星を探す競争をしながら帰る道。
 妊娠した母は、心配する美凪に「神様から幸せを分けてもらった」と微笑んだ。美凪は、神様に願い事を1つだけするとしたら? という言葉に「妹が欲しい」と答えた。
 母は膨らんだお腹に願うように言った。美凪は声に出して願った。
 それから毎日、お腹に他愛もないことを話しかけるのが美凪の日課になった。
 しかし、母は重度の妊娠中毒症にかかって倒れ、妹は流産してしまう。
 その日から母は変わってしまう。『美凪』はいなくなり、『みちる』と呼ばれるようになった。
 両親は喧嘩をするようになり、父が家を出た。それでも美凪は父を駅に迎えに行き続けた。いつか帰って来てくれると信じて。
 友達が出来ず、1人で駅前でシャボン玉を飛ばして遊ぶ子供になっていた美凪。
 そんな日々を過ごしていたある日、みちるが駅前にいた。何故か友達になりたいと思った美凪は、それでも声をかけるきっかけを探せず、みちるにシャボン玉を飛ばして見せることできっかけを作った。
 それから2人でシャボン玉を飛ばして遊んだ。また明日と約束をして別れた。
 家に戻ったら、羽のついた女の子の絵がなくなっていた。幼い美凪は、それがみちるだったのだと思った。あの羽のついた女の子が、友達になるために絵の中から出で来てくれたのだと。
 美凪は、みちるに会わせておきたい人がいると言った。往人にも付き合って欲しいと。

 8/13。美凪はみちるに、美凪の家に行こうと言った。みちるは戸惑っていた。それでも3人は一緒に歩いた。美凪の家に。
 夕飯時。みちるは食卓につき、戸惑いながらも美凪に促されて自己紹介をする。美凪の母は笑いかけてくれた。いい名前だと。そして、にこやかな食事風景が始まった。母親と、みちると、そして美凪と。

 それからもいつもの日常が流れる。
 3人の星の砂を1つにする。3人の願う幸せは1つだけだから。
 シャボン玉遊びをする3人。うまく出来ないみちると往人。
 何度も練習を重ねて、夕焼けにようやくみちるのシャボン玉が飛んだその時、みちるは。
 一緒にまた星を見たかったという言葉を残して、作ったシャボン玉ごと消えてしまった。
 名前を呼び、探す美凪。でもそこにはみちるはもういない。
 でも往人には奇妙な予感があった。美凪を連れて屋上に走る。
 フェンスの向こうにみちるはいた。いつもは上げている髪を解いた彼女は何処か美凪と面影が似ている。
 みちるは美凪に思い出をありがとうと話し、美凪は、みちるがいなくなったら私は笑えないと泣きそうになっていた。
 みちる、美凪は笑っていなくてはダメだと言った。そして、みちる以外の人に対してちゃんと笑えるようになっていると。話を振られた往人も答える。美凪が自分に向けてくれた笑顔は嘘だったのかと。
 みちるは往人に言った。探している女の子をちゃんと見つけてあげて欲しいと。きっとその子は待っているからと。悲しい夢を見ながら、空の上で。
 そして美凪に言った。ずっと笑っていて欲しいと。笑っている美凪が好きだからと。
 美凪はようやく笑顔になった。笑顔で。みちるの望む通り、笑顔でさよならを言った。
 そしてみちるの姿は消える。思い出だけを残して。

 夏が終わりに近づく頃。往人はみちるとの約束を守るためにまた旅に出ることにした。いつか無邪気に見物してくれた姉妹の口コミのお蔭で、やっとそれなりに芸で稼ぎを出すことが出来たから。
 美凪は、父から突然手紙が来たと話してくれた。妹がいるのだそうだ。会いに行くと言っている。「下心あり」だそうです(笑)。
 何故なら。その彼女の名前は。

□■□

 恋愛AVGだと思ってはいけない、のだな…。やはりそういう次元とは関係なく1つの物語だと思った方がよさげ。
 というか…このストーリーってそういう要素全くないですね。美凪とその家族が、長き夢から解放される物語だったんだ…。
 不思議だけど、美凪さんが精神的にいきなり大人になったという感じがする。で、実は往人ってただ通りすがっただけで何もしてないというか、一部始終見てただけというか(笑)。往人である必要ないというか、いいタイミングですれ違っただけのお兄さんというか、そんな感じが…。
 でも、そのすれ違い加減がいいのかも知れないですね。このシナリオに関しては。
 ちゃんと恋愛で終わるノーマルエンドを何気にひどく後味悪くしてあるのもそういう作戦なのかなあと。何となく。

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