オーロラ観望記
その3
イエローナイフ編
(2025年9月)
公開:2025年9月26日〜
更新:2025年10月3日 *一部修正しました
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9月19日撮影(色、ちょっと濃い目)
昨年(2024年)から、太陽は活動期だ。連日太陽は素晴らしい姿を見せてくれるし、特に太陽望遠鏡は最強のものとなって、毎朝感動を届けてくれる。8月20日なんて、太陽の直径を超える程の超巨大なプロミネンスも出た。
SolarHamのwebsiteの動画からクリップ
こんな活動期なら、さぞかしオーロラも凄いに違いない。また、前回は真冬で湖も海も凍っていたので、今度は湖面に反射したオーロラ、しかも赤色を交えた壮大な景色を見てみたい、と思っていたので、シルバー・ウイークに再びイエローナイフ のNanook Aurora Tours 大塚さんにお世話になることとなった。予約は1年前にしっかり入れた。
旅にトラブルは付き物、まるでロール・プレイング・ゲームのように、1つ解決しては、次なる問題が降りかかってくる。Booking.comは、カードの切り替えのタイミングで予約すると、カードの更新が反映されないケースを経験している。オーストラリアでは、「 カード決済ができない。警察に通報するぞ!」などとメールは来るし、サポートは全く機能していない。ようやく日本でサポートと繋がったら、現地で新しいカードで支払い手続きをして下さい、などとバカ炸裂の返事が来たりする。今回も同様のトラブルに見舞われた。1年前に予約していた旧市街の手頃なB&Bから、カードが認識できない、とメール。ちゃんとカードは更新しているし、これはBooking.comのエラーだ、と返信。すると、「あんたとは、もうビジネスができない」と予約をキャンセルされてしまった。あわてて他の宿を探したら、もう直前なので、どこにも空きがない。ようやく見つけて安堵したら、今月ではなく1年後の9月だった。
あきらめずに検索し続けたら、やっと空港の近くに3泊確保できたが、残りの3泊がどうしても見つけられない。レンタカーでの車中泊も考えたが、TVで散々危険な会社、と報道されているAgodaで残りの3泊が予約できた。現地に行ったら予約されていない、宿そのものが無い、という報道が絶えなかったので、予約先The Explorer Hotelに問い合わせたら、1泊分しか取れていない、しかも予約はAgodaではなくExpediaからだと言う。この問い合わせを双方に毎日行ったら、予約が2日確実となり、最終日もAgodaは確保されている、という。あとは現地入りしてからの勝負か。宿代は倍以上に膨れ上がってしまっていて、返金不能と。
前回もイエローナイフ空港には深夜着で、タクシーもすぐにいなくなって雪の中で少しだけ奔走したことがあった。今回はタクシーを事前予約しようと思ったが、どこもメールに応答が無い。最初の滞在先のSuper 8へは、深夜1時のチェックインになるけど大丈夫か?と散々メールしたけれど、こちらも応答が無い。電話したら24時間対応だ、との事だったが、その後もチェックインは16時からだ、とメールが来たりして不安は増すばかり。下手したら、タクシーは無い、行けても玄関前の外で 気温数℃の中、野宿?なんて頭をよぎる。しかも、1年前に予約した大塚さんに3回、最終確認メールを送ったが、こちらも応答が無かったのである。もう、なるようにしかならないので、不安いっぱいで現地入りすることになった。
機内で見たオーロラ(iPhone
11Proで撮影)。右側のは一緒に行ったfmasaさん撮影(飛行機は三菱CRJ900)
こんな調子だから、飛行機も飛ばない、とか、いろいろトラブルまみれになるかと思いきや、全て順調。そしてイエローナイフ到着前には前回同様、見事なオーロラが 機内の窓から出迎えてくれた。写真はiPhone 11によるもの。17 Proは予約したが、間に合わなかった。赤い色は機内の灯り。いろいろ工夫したが、どうしても写りこんでしまう。皆慣れっこなのか、読書灯を付けたりiPhoneで動画を見たりと 、誰も窓の外を見ない。
空港のシロクマは健在だった
今回は、中国人団体がいて、深夜というのにけっこうな混雑だ。極めて幸運なことに荷物がすぐに出てきたので、即タクシーに乗ることができた。Super 8に行く途中もオーロラは出続けている。団体客の前に無事!難なくチェックインできたので、これまたラッキー。部屋は最上階の角部屋だったので、窓からヒラヒラとうごめくオーロラも見え (ブレイクアップだったかもしれない)、これまたラッキー。何もかもが幸運ずくし。祝杯を上げようとしたら、宿ではビールは売っていなかっ たので、清涼飲料水で乾杯!
1日目(9月17日)
昨夜は3時に寝たけれど8時15分に起きて朝食に向かった。9時半までなので、早く行かないと品切れが出る恐れがある。Super 8は中国人団体の貸し切りのような状態で、ソーセージは僅かしか残っておらず補充も無かった。団体会話爆音の中、専用の機械に入れて焼き上げるワッフルは美味しく食べられた。 毎日食べたのは、言うまでも無い。
上手に焼けるようになると、達成感がある
さて、本日の観光は、まずは州議事堂から。友人のために観光案内。巨大なシロクマはまだあった。それからPrince of Wales Northern Heritage Centreへ。ヘラジカの皮で出来た船は、まだちゃんと展示してあった。
近くなので、The Explorer Hotelに寄って宿泊予約の確認。ちゃんと取れていた。それから、懐かしくなっていたSusi Northへ。味は求めていない。Vixenは健在。前回お世話になったNarwal B&Bはコロナで営業を止めてしまったけれど、9年経ってまだ存在している店舗があると、「頑張れっ!」と応援してしまう。
こちらは望遠鏡メーカーではなく、理髪店
大塚さんに3回送ったメールはどれも届いていなかった、との事だったが(中継サーバーのせい?私のメールアドレスが簡単・短か過ぎるのが原因の場合がある)、無事現地で連絡が取れ、21時お迎えで、10人でのツアーが始まった。
気温17℃と、そうとう暖かい(寒くない)。
常連客が多く、中には年2回、ここ何年かずっと来ている、という高齢の方もいた。気温17〜19℃というあり得ない暖かさと快晴。聞けば、我々が到着する時まで、ずっと曇っていたという。歩く高気圧の面目躍如か。まずは1箇所目、北に9km程行った所。南北に伸びていて、赤色を交える。撮影目的ではないので、まずはしっかり見た。撮影はその次だ、とは言え、やはりちゃんと撮らないと。
そこから数km程東の湖畔に移動し、湖面に反射するオーロラを狙うことになった。初めは細長かったが、次第に広がってカーテン状になっていった。そして、それがひらひらと広がって湖面に反射する光景は、やはり美しい。
カメラはEOS R5 Mr.2 + Sigma 14mm F1.8 DG HSM + EFレンズ・アダプター。初日は星がちゃんと写るように、リー・ソフトフィルターNo.3を入れて撮影してみた。結果は、どっちが主役なのか微妙、という事で不要だったし、オーロラ自体も寝ぼけたものとなった。ISOは6400、F1.8解放、シャッター・スピードは3.2〜4秒が多かったが、オーロラの動きはそれよりも速い場合が多かった。初日なので、相当数の写真を撮ったけれど外ればかりで、ノートパソコンでの現像にげんなり。9年ぶりの撮影とはいえ、反省課題多数。
大塚さん©撮影(トリミング)
ツアーガイド・大塚さんの写真は流石だ。デジカメで撮ったままだと、もの凄く濃い緑色で塗りつぶされた画像になって安っぽくなってしまうが、そこをどうやって抑えるか、あれこれ教えてもらった。しかしながら、この写真は凄い! 私の髪の毛がオーロラの逆光で光っている! 一緒に行った天文仲間のfmasaさんとの良い記念写真にもなった。
2日目(9月18日)
今日は、現像に手こずったりして、特に観光は無し。午後は、目の前のWalmartへ行き、格安の椅子を買った。快晴、14℃の中、 北東に30km程行った湖畔に真っ先に陣取って、オーロラの出待ち。昨日は、出発時にはオーロラが出ていたけれど、今日は見えない。ここは、オーロラ達人 ・大塚さんの異次元の嗅覚がものを言う。湖畔の際は岩場の斜面なので、歩くのもカメラの設置も大いに緊張した。カメラが並ぶので、広角レンズに写りこまないように最前列にするか、逆に引くか、だけれど、最前列を選択。
さっそく非常に淡いオーロラが、湖面の先に見えだした。流石のロケーション選択。あとは待つだけだが、なかなか濃いのは現れない。でも赤色を交えて、なかなかカラフルだ。程なくして、大量のツアー・バスの通過(湖面の対側、つまりオーロラの先を行き来する)と団体客がやってきて、撮影は、その合間だ。イエローナイフは中国人に大人気で、専用ホテルもあるし、大型バス乗りつけた沢山の団体客がそこら中にいる。昔ほど酷い悪マナーは減ったと思うが、それにしても騒々しさは異次元だ。オーロラを前に大声・大騒ぎで、去り行くまでは我慢、我慢。
それでも1時には、濃いオーロラは湖面全体を緑色に染める時もあったし、北側には天から降り注ぐようなオーロラも出現した時もあった。翌朝現像する時、緑を抑えてやってみたら、何か味気ない。下品だ、とか言っておきながら、色の抑制は控え目の写真になってしまった。まあ、これはこれで良いか。
帰る途中、ツアー名物の大塚さん特製パウンドケーキ +
ティータイムで体と心を温めて各宿へ戻った。この日はオーロラが見れなかった、という声も聞いたので、ブレイクアップこそ無かったけれど、満足の夜だった。
3日目(9月19日)
今日は、宿をSuper
8からThe Explorer Hotelへ移動だ。Super
8の玄関にはタクシー会社のホットライン電話があって、電話をすると、あっという間にやってくる。11時にチェックアウトしてホテルに行ったら、部屋、空いてるよ、どうぞ、と無料でアーリー・チェックイン。またまたラッキー!
さて、今日は旧市街の観光だ。タクシーでラッサム島の入口まで行って、そこから歩いて1周した。ここでは、今がちょうど紅葉(ここでは黄色)、と。まあ美しい黄葉に心が洗われる思いだった。建物は、雪の時ほど魅力的では無いものの、懐かしい再会も。
その後、狙っていたBullock's Bistroへ。満杯+行列だったので、30分後の予約をして、ちょうど行っていなかったBush Pilots Monumenntへ向かった。アイスロードは、最近は年末。年始には凍らなくなった、とのこと。ここでも温暖化の影響が大きい。
ここから見える凍っったアイスロード(2016年1月)と今回。
戻ったら、さらに大人数の行列。「予約があるので失礼!」と分け入って、程なく座れた。オーダーは、前回美味しかったホワイト・フィッシュのフライとサケ科の魚のグリル。やはりホワイトフィッシュは美味しかったが、グリルは味が濃い。そう言えば、朝のソーセージも塩味が濃くてびっくりした。
オレゴンから来た、という中高年のおじさんと同じテーブルになったのであれこれ話してみたら、車で寝泊まりしながら、北米〜カナダを気ままに旅している、と言う。軌跡を地図で見せてくれたけれど、いったい何千kmになるのだろう。私は仕事があるから出来ないなあ、と言ったら、「辞めちゃえば。簡単だよ、辞めなよ。」って、そうは行かないんだけど.... これがこの間のブレイク・アップしたオーロラだ、とiPhoneの画面を見せてくれた。でも、どれも見慣れたとても濃い緑色のオーロラ大会だった。iPhone手持ちでオーロラが撮れるのは本当に凄いけれど(私のiPhone 11 Proでは無理)、やっぱりそこかあ、とちょっと残念な面も。簡単な調整で、もっと高品位な像に仕上げられるのに。
イエローナイフは、アートの街でもある
帰って仮眠。さあ、今夜はどうだろうか。
北に10数km行って、今日も湖畔に一番乗り。ここかなあ、と三脚をセット。今日は無駄に撮らずに選んで撮るぞ、と思っていたが、刻一刻と表情を変えるオーロラを見ていると、やはり片っ端からシャッターを押してしまう。フィルム時代には考えられないなあ。
カラフルなオーロラで、派手に濃くなくても十分魅力的だ。その後、 東側の地平線に濃いのが出続けて(200km以上先?)、その下は、さぞ凄いだろうなあ、という話になった。その後、オーロラは盛大に出まくって、0時半には待ちに待った大ブレイクアップが起きた。
その後も、続く.....
大塚さんが、来ますよ、と声をかけてくれたが、たまたま三脚にセットしてあったカメラの向きのままの状態で、適当にシャッタを押しまくった。ブレイクアップは、天頂だけでなく、そこかしこで起きているので、カメラを向けている暇がない。それより何より、この盛大な光景をしっかり見届けたい! 急速に流れ込んでヒラヒラと動く様は、本当に凄い。大歓声(中国人の爆音より大声の関西人のおじさんがチャンピオン)があると、興奮度にターボがかかる。貴重な盛り上げ役だ。
ブレイクアップ後の状態と、到着した団体(たまたま地元の船のライトが当たった瞬間)
このブレイクアップの後、団体客がやってきた。狭いエリアだと、こんな具合。カメラの前を横切ったり、その前でスマホをかざす人もいる。「ちょっと今撮っているので」と英語で言うと、ちゃんと避けてくれた。しかし友人は、「ここは公共の場で、あんた専用ではない」と日本語で言い返された、と。
まさにオーロラ爆発で、爆発の煙のような霧のようなオーロラが全天を覆ってしばらくしたら、帰る途中に様子を見ながらどこかに寄るということになった。しばらく走って、「さあみなさん、ちょっと見てみましょう。」と車を降りた瞬間、大ブレイクアップが起きた。天頂で左右から合流して流れ込む光の渦。やはりヒラヒラが高速で動く様は圧巻だ。赤色も交えて、それはそれは壮絶な眺めだ。これを見にここに来たんだよなあ。
大塚さん撮影©の動画からのクリップ
写真?カメラも出す暇もありませんでした。しかし、凄いタイミングと予想・判断だ。これを神対応と言わずして何と言おう。しかも、大塚さんはツアー翌日に写真を送ってくれる。ブレイクアップした動画まである。 世界中で多くのツアー・ガイドに出会っているが、彼はまぎれもなく世界最高のガイドの1人だ。この夜は4〜6℃。足底からしんしんと冷えて、寒かった。
ホテルに戻って、今回も日食の時と同じように、コロナ・ビールで乾杯した。大興奮のせいか、全く酔いが回らない。しばらくして「変だなあ」と思ってラベルを良くみたら、アルコール0の表示だった。そうかぁ、だからスーパーで清涼飲料水の隣にあったのか。 カナダではお酒はスーパーで買えません! 笑って床に就いた。
4日目(9月20日)
今日は近くのスーパーでお土産を買った後、リカーショップでアルコールの入ったコロナ・ビールを調達した。コロナ・ビール、メキシコのは全く別物のように美味しいが(キンキンに冷えている)、メキシコ以外では、普通なのだ。この手のものは皆そうで、不思議〜。
それから、前に宿泊したNarwal B&B近くの湖畔を経由してNWT
(Northwest)
Brewingへ。ところが前回は美味しかった面影は無くなって、料理はまたまた味の濃すぎるもので、もう辟易。茶色くない、味の薄い(というか、普通に濃くない)料理にはありつくのが、かくも難しいとは。
しかも、チップこれだけ?としつこく要求してきて、もうげんなり。
前は晴れの予報だったが、曇りに変わっていて、「今日はダメかなあ?」という感じでツアー・スタート。17℃と暖かい。様々な情報から判断し、まずはここで待ちましょう、と車を停めてしばらくすると、雲越しにオーロラが見えてきた。天頂を通過したリ、何本か見えた時もあったけれど、0時からどん曇りとなり、ティー・ブレイク後、きょうは2時にホテルに戻った。それから、 調達したコロナ・ビールで乾杯したのは、言うまでも無い。
5日目(9月21日) とてつもないグランド・フィナーレ
早くも最終日になってしまった。昼までぐっすり寝て、近くのベトナム料理のフォーを食べに行った。求めるのは、あっさり味だ。さあ、とテーブルに並んだものは、揚げた茶色い春巻き(生春巻きだと思ったのに〜)、そして茶色い各種がのった汁なしのフォーだった。大失敗。もっとメニューをちゃんと見ておくんだった。回りは皆 、普通のフォー。いいなあ〜。
さあ、気温15℃の中、出発だ。 車を進めながら、元気予報とオーロラ情報をにらめっこ。そして、西へ行きましょう、との事で、高速道路のすぐ近くの空き地に陣取った。下に行けば沼に反射したオーロラが撮れるが、 それは出る位置次第だ。上の丘なら、フレキシブルに動ける。今回は丘に陣取った。
写真は青色だが実際は緑色
淡くオーロラが出ているが、いつもと印象が違う。赤色が多いのである。撮ってみると、相当赤い。ここで、驚きの光景が! 遂にグリーン・レーザーを使う大バカ者が出てきたのである。このまま放置したら、イエローナイフも朽ち果てていくかもしれない。まだ淡いオーロラだって美しいのに。
11時過ぎには濃い部分が動き出して、天頂から赤色を交えた光が降り注いできた。大きな教会のステンドグラスから漏れきたような荘厳な光、しかし壮絶な光の洪水でもある。もう感動で言葉も無い。聞けば、これが春・秋の典型的なブレイクアップ、と。動きの激しさは無いが、天頂からパイプオルガンの響きが降ってくるような感覚だ。しばらくして去っていくと、またまた光のカーテンは続く。
予報・予想では、ブレイクアップはこの1回かな、ということで、ティー・タイム。今回はツアー最後ではなく、オーロラを見ながらパウンドケーキ(現在は、コーヒー味、紅茶味、キャラメル味の3種)とお茶(ホット・チョコレート、コーヒー、紅茶)。なんと贅沢な時間だろう。
すると、1時半過ぎにどんどん濃くなって、2度目のブレイクアップが起きた。今度は予想して天頂にカメラを向けていたので、ストライクの連射が撮れた。それが、これ。
これではまるで、岡本太郎の「芸術は爆発だ!」ではないか。面倒でも、この画像をダウンロードして連続再生すると、大迫力のタイムラプス動画になる。我々は、この日の朝5時の便で去るので、3時前にはホテルに戻らなければならない。 でも、このようなオーロラが続く。
少し落ちつ いたところで引き上げてホテルに戻り、即、荷物をまとめて3時半のホテル・バスに乗って空港へ向かった。機内では、まだオーロラが見えていた。結局、到着時も含めて 、今回は6連勝3日/5ブレイクアップという好成績を収めた。今回も大塚さん、ありがとう! 貴殿がいなかったら、こんな凄い体験はできませんでした。心から最大限の賛辞と感謝を申し上げます。
ところで、オーロラを何回見たか?と聞かれたら何と答えたら良いのだろう。今までは、チェナで1回、イエローナイフで1回、テカポで1回、計3回と答えていた。つまり、見たチャンスの数だ。しかし、チェナでは3日、イエローナイフでは5日4ブレイクアップ、テカポでは1日見ていて、それなら計9日(回)4ブレイクアップとなる。1日に何度か見たり見えなかったりする時もあるが、そこまではカウントしてられない。という訳で今回のも含めると、4回、15日(回)、9ブレイクアップ と、けっこうな数となった。
サンフランシスコ観光
サンフランシスコと言えば、坂道とケーブルカー、アルカトラス刑務所、そして金門橋が有名。
このドラム缶のようなものはメインのケーブルで、直径92.4cm!ケーブル1本の長さが2331.7m、重さ24500トン、ケーブル総長128748km。1937年竣工。
大戦前に、これとNYの高層ビル群を見た日本人は、戦争反対であった。
アルカトラス刑務所は60年前に閉鎖されていて老朽化が酷く再利用はできない(トランプの発言はアピールだけ)。
便の関係で、サンフランシスコ経由となった。ならば1日観光しよう。 観光内容を書くととんでもない量になるので、ばっさりと割愛。 ただ、現地ガイドから教えてもらったトリビアを一つ。1915年の万博の時に建てられて唯一残ったギリシャのパレス・オヴ・ファイン・アーツ。スターウォーズの制作に取り掛かっていたジョージ・ルーカスが時々これを見ていて、何か生かせないか、と考えR2D2の頭になったとか。確かに正面ではなく、街中では写真・右 下のように見えるので、そういうことか、と納得。
街中で見ると、まるでR2D2!
そういえばスターウォーズ。服は着物だし、オビワン(帯)だのジェダイ(時代)とかの名前はあるし、修行は禅の精神だし、最後はチャンバラだ。時代、世代をまたがる壮大なテーマ(ただし、数作の後の、むりやり黒人や東洋人を前面に出してからは全くつまらなくなって見ておらず不明)と音楽は、ワーグナーの指環のライトモチーフと同じ手法だった。ダースベーダーの誕生の章とかは名作だと思うが、自由にワープして恒星間飛行をする程の文明が進んだ社会で、あれだけ銃(のようなもの)や機銃をぶっ放してほとんどが当たらなくて外れるとか、あり得ないだろう、と私はどうも感情移入できないところもある。知らんけど。
あと、大変驚いたことが一つ。自動運転のタクシー Waymoが沢山走っていた。Uberのようにアプリでオーダーして、到着車両の屋根には、その人のイニシャルが表示される。アプリでロックを解除して乗り込み、シートベルトを装着してスタート。何が驚きって、低速安全運転かと思いきや、ベテラン・ドライバーと同等のスムーズで素早いスピードで運転するのである。コーナーや車線変更の時、無人の運転席でハンドルがくるくる回っているのを見、ロボットの滑らかな音声案内を聞いていると、未来社会へタイムスリップしたような感覚に陥る。今、起きている現実なのに。日本はUberに規制がかかっているようにタクシー業界を擁護しているので、導入は難しいように思うが、少なくとも中高年者の運転より安全、はるかに上手だと思えた。 車線変更の迅速さには、驚きを隠せない。なお、車内のディスプレイには、AIが把握している交通状況(車、人、自転車の動きなど)が逐一表示されている。 車種はジャグワー。
撮影について
私は基本眼視派で、まずはしっかり見て、撮影はそれからだ。私は撮影の専門家ではないが、私が今回撮って感じたことを参考になるかもしれないので、ここに記そうと思う。機材は「1日目」に書いた通り、EOS R5 Mr.2 + Sigma 14mm F1.8 DG HSM + EFレンズ・アダプター。初日、星もちゃんと写そうかとリー・ソフトフィルターNo.3を入れて撮影してみたが、写真は映えないしオーロラの像もしゃきっとせず、これは失敗だった。レンズはもちろん解放F1.8で、シャッター・スピードとISOで露出をコントロールした。ただし、オーロラの動きは遅くはないので、まだ暗いオーロラで3.2秒はぶれた。ISOは6400〜10000で撮っていたけれど、後半はずっと8000だった。明るく動きの速いブレイクアップの時は1秒で、天頂から降ってくる時は2秒だった。また、明るく潰れると現像でも救えず、露出過多にならないように注意は必要だ。
今回の機材は、ジッツォ・トラベラー三脚2型に梅本のボールヘッド(中)で支持していた。フロントヘビーだが、梅本のボールヘッドは優秀なので大丈夫だと過信していた。大塚さんからブレますよ、と言われていたがその通りで、現像
、拡大して見ると、星が流れているものもあった。ここはリング式台座をしっかり装着するべきだった。でも、早く明るい超広角RFレンズ出してくれないかなあ。ず〜っと待っているのに。
しかし、今になってもう一つ反省点。電子シャッターになったので、手でシャッターを押していて、これがブレの最大の原因だったかもしれない。過信は禁物だ。スローシャッターなので、昔なら当然レリーズを使っていたのに、どうも油断があちこちにあった模様。
今はiPhoneでも撮影が可能だが、色が濃すぎて不自然な仕上がりになる。SONYのデジカメも同様で、素人受けする派手目の発色になっている。簡単に色の濃さを下げれるので、そこはセンスだ。オーロラが濃く写って嬉しくもなると思うが、ネットに溢れている写真はほとんどが色が濃すぎていただけない。グアナファトの写真も異常に色彩が強調されていて(実際に行って見るとカラフルで綺麗な街だけれど、あんなにケバくはない)、それを見ると、怪しい通販番組の宣伝のようだ。今回の時期に行った人の写真がいくつか舞い込んできたが、天体写真をやっていると思える人のものですら色が濃くて、中にはまるでスイカではないか、というような写真まであった。 しかし、見た目と同じにしなければならない、ということは無く、ヒトの眼の波長、感度を超えた天体現象の写真と捉えることもできるし、単に風景写真として奇麗であれば色も必要だ。また、人によって色の感じ方には大きく差があり、かなりカラフルなオーロラでも色を感じない人もいた(慣れ、コツもあると思う)。また、明るいヘッドライトが来ると、せっかく暗順応してたのに、とも思うのだが、その方がかえって色が濃く感じることもあった(ヒトの眼は、暗い光と明るい光に反応する2つの細胞があって、色は明るい光に反応する細胞が司る)。撮影には邪魔でも、時々通過するライトはかえって色が濃く見えるので、発想を変えて見ると良いと思う。明るい街中の方が緑色が濃かった、という話も良く聞くそうだ。
濃い色の例と、まるでスイカのようなオーロラの写真(自分が撮影したもので再現
)
しかしながら、通常の天体写真でも、ひどく強調された画像も蔓延している。
また、R8 + RF16mm F2.8で動画撮影を試みたが、これは全くダメだった。全く写らなかったのだ。動画撮影は、メインのR5 II + 14mm F1.8 でも試みたが、こちらもISOを最大にしても全くダメだった。大塚さんは、ツアー日の写真と動画まで翌日に送ってくれるので、動画はそれで良しと割り切り、2日以降は行わなかった。RF 14o F2.8での静止画撮影も試みようと思っていたが、シャッター速度とISOを考えるとダメだなあと、こちらも初日に諦めてしまった。
ところで、天体写真を投稿するとあるsiteにこれらの写真を掲載したら、「以前、オーロラが天体写真かどうか論議があった」とメールが届いた。オーロラは言うまでも無く太陽風と 大気のある惑星の磁場との関係でできる天体現象で(木星は天体で地球は天体じゃないの? 木星でもオーロラが観測されている)、そういう概念、考えがあったのに大変驚いた。もともと眼視派なので投稿もあまりしていなかったが、ますます距離が遠のいてしまった。
冒頭に、前回は真冬で湖も海も凍っていたので、今度は湖面に反射したオーロラ、しかも赤色を交えた壮大な景色を見てみたい、と書いた。これが実現できただけでなく、それ以上の成果が上がって、この幸運には感謝しかない。次は? もちろん他の土地でのオーロラ体験でしょう。
続く.....!.
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