S-JIS[2008-04-10/2009-02-20] 変更履歴

MS-Projectの特徴

マイクロソフトのProjectの特徴(出来ること・出来ないこと)のメモです。
あんまり使いこなしている訳じゃないけれども、使ってみて思ったことを書いています。


MS-Projectを一言で言うと、予定を管理するツール
予定の登録と進捗具合の確認は出来るが、実績は管理できない。したがって「予実管理」のツールではない。

  1. 実施すべき作業(WBS)を登録する。
  2. 各作業に対して開始予定日と終了予定日を登録する。[/2009-02-20]
  3. その作業がどれくらい完了したかを入力する。
    すると予定に対してどれくらい進んでいるか・遅れているかが分かる。
  4. ある作業を中止したことは記録できない。
  5. その作業がどれくらいの余裕・遅れをもって終わったのかは分からない。[/2009-02-20]

WBS

MSーProjectでは、WBSという単位で予定(開始日・終了日)を入力する。
WBSとはWork Breakdown Structureという語が元らしい。

MS-Projectでは、単純に「作業」ではなく、その作業によって作られる「成果物」を書く。
つまり「設計書を作成する」ではなく、「設計書」と書く(実際はもっと個々の具体的な名前で複数になるはず)。

やるべき作業(作成すべき成果物)を全て洗い出して書くことにより、作業の漏れが無くなることが期待できる。


予定

WBS毎に予定、すなわち開始日と終了日、あるいは作業にかかる想定日数を入力する。
また、「別のWBSの後に開始する」とか「別のWBSの前に完了させる」といった前後関係を指定することが出来る。
こうやって連なり(先行タスク)を指定すると、そのグループ全体の開始予定日・終了予定日が自動的に出てくるので分かり易い。

どの作業をいつ始める必要があるのかを考えるのに非常に便利。

しかし「○月○日に完了」「あるWBSの前に完了」といった指定はできるが、「あるWBSの10日前に完了」といった指定は出来ない。
(リリース日の一週間前に完了させる、といったニーズはあると思うんだけどなぁ)
あるタスクの「n日後に開始」という指定は出来る。[2008-07-26]

ちなみに、期間を0日にして「マイルストーン」を示すことも出来る。
(「リリース日」とかの(作業を行うのではなく)イベントが発生する日を示す)

ただし、曖昧な予定(未定な予定)を入れることは出来ない。[2008-04-29]
たとえば「5月中にリリースするけど、具体的な日付はまだ未定」とか。
仮決めの日付で入力しておくのは当然可能だが、それが仮決めなのか本決定なのか見分けが付かない。

非稼働日(休日)にマイルストーンを置くことも出来る。[2009-02-20]
しかし、そうするとその日は稼働日に変わってしまう!
すなわち、それ以外のタスクもその日に実施するようなスケジュールに変わってしまう。


進捗

各WBSに対し、どれくらい完了したか(進捗率・達成率)をパーセントで表す。初期値は0%、完了したら100%を入力する。

ガントチャートでは、開始予定日から開始終了日までの範囲で現時点の進捗具合が位置(印)で示される。

例えば開始予定日より前に作業を始めた場合、印が現時点より右側にあるので「予定より進んでいる」と分かる。
遅れていれば印が左側になる。
各WBSの進捗の位置をつなぐと稲妻のような線が出来るのでイナズマ線と呼ばれる。
あるWBSが遅れていて別のWBSが進んでいる場合にトータルで見て遅れているのか進んでいるのかも示される。

イナズマ線は進み具合(遅れ・前倒し)が分かるので非常に便利。


途中経過のパーセントの決め方は何通りか考えられる。

いずれの算出方法を採るにしても、統一したやり方をしないとあまり意味が無い。


中止

MS-Projectは、予定していたWBSが不要(取り止め)になった場合に、それを記録することが出来ない。

いつまでも残しておいたら永遠に「遅れ」という扱いになってしまう。
100%にしたら、実際には終わっていないのに「完了」扱い…いまいち納得いかない。

WBS自体を削除したら、そういうWBSがあったことが記録に残らない。
(中止になったのと最初から無かったのでは だいぶ意味合いが違うのに)


実績

MS-Projectは、上記の通り予定進捗を把握することが出来るが、実績を把握できない。

そもそも進捗も進捗率を入力するのであり、それが「実際にいつ始まったのか」「いつ終わったのか」の日付は入力しない。
(入れようと思えば入れられるようだが。[2009-02-20]
だから後から見たときに「完了した」事は分かっても、ばっちり予定通りだったのか、前倒しで余裕をもって終わったのか、遅れに遅れてようやく終わったのか、という事は分からない。

実績日を入力したとしても、その期間内にフルにその作業だけ行っていたのかどうか(稼働率)は分からない。[2009-02-20]
(残業時間の登録なんて出来るか…?)

したがって当然のことながら、完了したMS-Project上に出ている日数と人数を使っても、実際にかかった工数(人月)は算出できない


まとめ

MS-Projectは、予実管理でなく予定管理するツール。
予定を立てたり予定通りに進んでいるのかを確認するには非常に便利。
しかし実際にどうだったかの実績を把握することは出来ない。


バグ

印刷範囲のバグ

「印刷範囲が1×1ページになる」という設定をすることが出来る。[2008-05-17]
しかし、2ページになってしまうことが多々ある。(2ページ目には、最後のタスクが1行だけ表示される)

正しい回避策は分からないが、とりあえず最終行にダミーのタスクを入れておき、印刷するときに「全ページ」でなく「1〜1ページ」を指定する、かなぁ。


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