何心なく応募した作品に賞をいただき、驚いています。 今は第三次思春期で、自分も含めた人間にとても興味があります。あるきながら想いを攪拌し、産みたくなったら立ち止まって産む。そんな単純で生理的なやり方で書いています。 よんどころなく書いた詩が、手を離れ、人に読まれることで形となり、自分のもとへ返ってくることを本当にしあわせにおもいます。これから自分の詩がどう変化していくのか楽しみです。ありがとうございました。
ワタシは体を持つので 電車の座席ひとり分を占めることができる 他人の目にも ワタシは人間に映るらしく 「大人一枚」といってお金を出せば チケットだって買える 工事現場を横切るとき 係の人はクレーンを止めて ワタシを通してくれる 引力に逆らって 重い買い物袋を持ち 歩きまわる 体を持ちたくないと強く願う心は 限りある体の なかに宿る ワタシは何度でも空を見上げる それは脳のスクリーンに映し出される かぎられた物質からできた 脳のその奥の かぎ型の月のオレンジ色の端から 新しく生まれおちる
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