シャンカラ少年は、小さい頃から、この世を放棄して、サンニャーシン(遊行僧)になりたいと強く思っていました。彼は、お母さんにお願いをしていたのですが、シャンカラ少年抜きの人生など、お母さんには夢にも考えることはできませんでした。彼女は、シャンカラ少年が遊行僧となって家を捨てることをとても恐れました。お母さんがシャンカラ少年抜きで、ひとりさびしく生活することなどできましょうか。しかし、ある出来事が起きて、お母さんはシャンカラ少年に出家の許しを与えることになったのです。
ヴェーダ聖典を習得すると、シャンカラ少年は実家へ帰ってきました。彼はお母さんに献身的に仕え、また、よく面倒を見ました。彼のお母さんは歳をとりました。彼女はプルナ川で沐浴をする習慣があったのですが、その川は、家から遠かったのです。そこで歳をとってきた彼女は、歩いて川まで行くのに苦労していました。しかし彼女は、毎日川で沐浴するまでは、満たされませんでした。八歳になったシャンカラ少年は、お母さんの苦労をよく理解しました。そして、彼は、川の女神に祈りを捧げたのでした。その祈りは聞き届けられました。その川は流れを変え、シャンカラ少年の家のそばを流れ始めたのです。今では、お母さんの沐浴も楽になりました。