FFジェミニ ハッチバック
街の遊撃手
FFジェミニ ハッチバック
私の住んでいる市内にはいすゞのディーラーは一軒しかなかったのですが、町の整備工場やガソリンスタンドが「販売協力店」としてあちこちでいすゞの看板をあげていました。1980年後半、いすゞはジェミニをFFにモデルチェンジしてデビューさせました。「街の遊撃手」のキャッチコピーで作られたCM、パステルカラーの車体で特にハッチバックは女子たちに大人気でした。可愛いだけではなく、エンジンや足回りをチューニングした「イルムシャー」や「ターボモデル」「ハンドリングバイロータス」といったバリエーションも追加され、男子たちにも注目されました。
このFFジェミニ、ハセガワさんから4ドアセダンのイルムシャー、ハンドリングバイロータス、そしてこの文章を書いている2022年7月時点でイルムシャーターボも発売予定と精力的にプラモデルにしてくれています。というわけで、FFジェミニを作ろうと決めたのですが、ハッチバックが作りたい。しかし、ハッチバックのキットはない、「改造しちゃえ」ふと悪魔のささやきが頭をよぎり、うっかりと頷いてしまったことが、約1年間にわらる戦いの日々の幕開けでした。
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まずはボディーカラー、もちろんあの水色一択です!しかし、タミヤなどのスプレー缶では今ひとつピンとこない、色を混ぜて作るにも、エアブラシを持っていないので塗るときに困る、そもそも実車の正確な色がわからない。ネットを検索して出てくる画像はどれも微妙に色が違うし、そんなにこだわらなくていいかとあきらめてタミヤの水色にしようと思っていたところ、Holtsが特注で色を作ってくれてスプレー缶に詰めてくれることを発見!そして、あのFFジェミニの水色のカラーNo.が4140P1であることも突き止め早速発注、まもなく届いた色はネットの画像の印象よりは緑に近い水色と言うより青緑でした。
塗料が用意できたので制作に取りかかりました。ハセガワのキットはマイナーチェンジ後の前期、後期が選べるようになっていますが、私はマイナーチェンジ前の可愛いフロントマスクで作りたい!ということで、フロント周り、そしてリヤトランクをハッチバックに、4ドアを2ドアに改造していきました。しかしなんか違う。リアのハッチの角度が浅く、直線的で長い感じ、これではダメです。といわけで、潔くもう一箱買って作り直すことにしました。
今度はリアハッチもいい感じにできたので、サフを吹いて細かいところを修正して、いよいよ特注の塗料を吹き付けました。が、ここで問題が…、塗った表面が細かく割れていくのです。よく乾かして、ヒビをうめながら重ね塗りを…、しかし乾く過程でどんどんヒビは深くなる一方でどうにも修正できません。仕方ないので、一度剥がして塗り直すことに。ペイントリムーバーで少しずつ塗料を落としていきました、が、やはり改造のために切ったり接いだりしたところがボロボロに、哀れ、ここまでの苦労が水の泡になってしまいました。
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なぜ塗面がひび割れてしまったのか、自動車用塗料なので何か成分が違うのか、下地のサーフェーサーと反応したのか…、とりあえず次はサフを吹かないで塗ってみよう、ということで、また一箱購入しました。
過去2作で気になっていたところ。ハッチバックはセダンより全長が短い、そこを修正しなかったのでリアハッチの造形が今ひとつしっくりこなかったところを、今回はなおしていきます。いろいろ考えた結果、ボディー後端をシャーシとともに切り詰めるのがいいのではないかということで、4mmほどの幅でカットしました。そして、トランク部分などもカットしました。
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他のキットの部品が流用できないか、ファミリアと86レビンのリアハッチを当ててみましたが、ウーン…、というわけで、やはり今まで通りプラ板とパテで造形することにしました。大体形ができたところで、2ドア化の方に取りかかりました。後ろにずらす分だけピラーごとボディーを切ってしまいます。
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切り取った部分を入れ替えてくっつけて、後ろのドアの取っ手部分のくぼみとドアラインをパテで埋めてしまえば2ドア化は簡単です。
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フロント部分は、ライトを切り詰めて、グリルはプラ板で作りました。リアバンパーも切り詰めて形を修正、フロントバンパーもチンスポイラーを切り取って、ウインカーの位置は違うのですがこのままでいきます。ホイールも当時のデザインを再現、他にも窓ガラスやリアシェルフなどあちこち作ったり直したりしました。ここまで来ると、リアスポイラーもつけたくなります。これも何個も作ってやっといいサイズ感のものができました。リアハッチの造形もいい感じにできあがったのでいよいよ塗装ですが、サフが吹けないので細かい傷やでこぼこがわかりませんが、できるだけ表面をならしていきました。
そしていよいよ塗装です。ライト周りをマスキングして、今度は大丈夫かな?しかし、ひび割れが始まりました。サフのせいではなかったようです。ペイントリムーバーを使うとまた崩壊してしまうので、紙やすりで削っては塗って…作戦でいくことにしました。非常に手間がかかります。スプレーの中身もあと少ししかありません、というところで表面のでこぼこは残っていますが、なんとか目立たない程度にはなりました。クリアーをかけてでこぼこがもう少しましになるのでは、というわけで、クリアーを上にかけると少しましになったので、これでよしにしました。
その後もまあトラブルはいろいろとあったのですが、1年がかりでなんとか完成したのがこちらです。
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