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わっと氏のこと



「苺閉鎖騒動」の決着をみたら、この人は退会するのだろうな。何とはなくそう思って
いた。御本人は「日本人的な責任の所在」について考えたとお書きになっているが、
私は、おそらく、それはご自身が探し出したひとつのきっかけであって、その背景に
は「ひとつのリセット」という意思の表れだったと思っている。

ある時期以降のわっと氏というのは「とてつもなくこの人は、無理をしているのではな
いか」そう感じることが、私にはしばしばあった。無理矢理、ケンカを売っているので
はないか、議論をしているとわかるのだけれど、したくもないことをやっているという
感じが行間から滲み出ていた。

何度も書いてきたことだが、氏は一時期「2番会議室」のガイダンス役を自ら率先し
て、取り組んでいたことがある。私など、基本的に人見知りする方だから、ああいう
役割は苦手だし、ある種の「人あたり」がよくないと、それは出来ることではない。
丁寧なコメントをつけていたことが、今も私の印象に残っている。

また、現在のチャット、当時はRTと呼ばれていたが、その会議進行を務めていたこ
ともあった。決まった時間に定期的に時間が拘束されるわけで、一度や二度ならば
ともかく、長期間に渡ってこれを担当するというのは、大変なことである。
しかも、いきあたりばったりで司会というのは出来ないわけで、氏はそういう準備も、
丁寧にやっていたという記憶がある。ネットで紳士であるかはともかくとしても、私は
一度お会いしたことがあるが、温厚な、紳士であることは間違いない。淡々としたも
の静かな方である。常に考えながら言葉を選んでいるという印象が私にはある。

ひとつエピソードを紹介しよう。
最初に私が大阪でオフをやったとき、実は事前に何人かの方と打ち合わせめいた
ことをした。「何がいいかなぁ」「水炊きがいい」そう答えたのはわっと氏であった。
「水炊き」というのはご承知のとおり、博多の名物である。博多であれば店は何軒も
あるし、それぞれの特徴も思い浮かべることができるのだけれど、大阪に「水炊きな
んてあるのかしらん」と私は少々悩んでしまった。博多にある有名な老舗の暖簾分け
をしてもらったというその店舗をみつけることができたのは、ある意味、わっと氏のお
かげであると言えるかもしれない。以来、その店に私は時折、顔を出すようになった。
東京でオフをやり、大阪でオフをやり、いつかは名古屋でもできるかなと、そんなこと
を考えた時期が、私にもあった。

よくも悪くも「思い入れ」の強い方であった。今ではもうそのログは消滅してしまったが
ドチャットでわっと氏から猛然とアタックされたことがある。迫力はなかったけれど、そ
れはそれなりに、真面目であるということは、よくわかる。だから私はそれを不快だと
は今でも思っていない。そのあと管理人のnani氏に「ごめんなさい」などと書くあたり
わっと氏の「ほんとう」はむしろ、こちらに近いものがある。

ある意味、持つ必要の無い「疎外感」に氏は苦しんだのかもしれない。
私のSUBSYS辞任の際のWAKEIさんとわっと氏の「やりとり」をみていて、私はそのこ
とをぼんやりと感じていた。「小生にはわからない、小生が知らないことがある」それ
が、氏を苛立たした面が多分にあったのだと思う。しかし、実際、そんなものは本当
に存在しなかったのである。実際、会議室でWAKEI氏は、説明を試みているし、私の
問題については、私自身、WAKEIさんが「言いにくい」こともあったのかもしれないが、
きちんと説明をした。それでも、なかなか納得してもらえなかったようである。
こうなると、こちらも一体わっと氏は「(ありもしない)何を知りたいのか」とわからなくな
ってきてしまう。以後、わっと氏とは、どうもしっくりいかなくなってしまった。
何かその鬱憤というと語弊があるかもしれないが、わっと氏はどうも違うコミュニケーシ
ョンを求めていかれたように私には思える。

先月末、西村氏やふくやんを交えて、プライベートなオフ会の場を持った。
このとき、私は全てのご案内を事務的に処理したのだけれど、実はわっと氏にもご案
内を差し上げた。理由は簡単である。ちょうど、ドチャットでわと氏が「場としての苺批
判を行っているのをみて」それなら、本人に会って、直接意を伝えればいい、そして、
そのことについて参加者と議論すればいい。そう考えたからだ。
氏は出席されなかった。それはそれでいい。
ただ、このときに私は「わっと氏の憤懣は別のところにあるのだな」と考えたことも事実
である。

わっと氏に推進室へのお誘いを確かRTで行ったのも私であった。そのことを後悔して
いる面が私にはある。そういうことをしなければ、氏はまた、今日とは違うネットワーク
の、もっと静かな、少なくとも氏を苛立たせるようなことにはならなかったであろうことを
私は想像するからだ。

氏が今回の退会で、自らを「リセットされる」ことも、ひとつの選択である。
そう、どこかで、FSHISOに入会した頃のわっと氏が、氏にしかできないことに取り組ん
でいかれることを、それが結実することを、心より期待したい。






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