「ドチャット」にわと氏というHNの会員が「花田の行為はtty氏や著美氏に対する名誉毀損と
なるのではないか」という趣旨のことを述べていた。
別に私が彼らに対して、法的手段などとるつもりは全くないので、法律的なことを書いても所詮
役に立つことはないのだが、いい機会でもあり、私の判断を開示しておきたい。
まず、名誉毀損というのは「親告罪」である。つまりtty氏や著美氏やWAKEI氏が、HP開設者で
ある私に対して「花田のHPの○○○○の△△な表現は、私の名誉を著しく毀損し、社会的評価
を低下させる影響を有している」ということを親告しなければならない。
「従ってHPを廃止しろとか、該当発言を削除しろとか、HP上で謝罪しろ、とか」場合によっては、
損害賠償とか、考えられるのはそういうことである。
もちろんプロバイダに対する要求というものもあるかもしれない。つまり私が契約しているプロ
バイダに対して、利用契約を打ち切るよう要請するという方法もある。
で、結論から言えば、もちろん、私は両者の名誉毀損にあたるなどということを認めるつもりは
毛頭ない。以下、その根拠を開示しておく。
1.本HPで「支援の会」の特定発言者、ならびに管理者、実質主宰者に対して、批判を行うこと
については、事前に実質的な主宰者であるWAKEI氏に公開と同様の一文を送信し、事実関
係についての訂正があれば応じる旨を伝えている。氏からは「事実関係」について誤りがあ
るとの指摘はなかった。
2.「支援の会」の思想というものは、一言でいうならば「対抗言論説」である。それを簡単に言え
ば「当事者の名誉回復は一次的に自らの言論によるべきであることを基本とする視点」だが
その「対抗言論」を実施できる環境は整えているし、反論権も当然、保障していることを私は
このHPでも開示している。前述した立場をとる者が、対抗言論を行使することなく、HPにお
ける私の「言論活動」を規制することは不当なものでしかない。
3.名誉毀損に関しては「公共の利害に関する事実に係り、かつ、その目的が専ら公益を図る
ことにあり、事実が真実であることの証明があった場合」には成立しません。更には、事実
が真実であることの証明がない場合でも、行為者(=花田)がその事実を真実であると誤信
し、誤信したことについて確実な資料、根拠に照らし相当な理由があるときには、犯罪とし
ての「故意」がなく、名誉毀損罪は成立しないという判例がある。
(最大判昭和44年6月25日刑集23巻7号975頁)
4.侮辱罪というのは、名誉毀損のような事実の真実性の証明による免責規定はありませんが
それが公共の利害に関し、公正なものである限り、違法性は阻却される。
公共の利害・公益を図るということについては、彼らはいずれも、ネットワーク事件では初めて
の訴訟ともなった「ニフティ訴訟」の被告や支援者でもあり、自身の主張を「反論」という著作
にまとめて出版した公人でもある。この事件がネットワーカーの中でも、或いは法律関係者か
らも注目されていることは多くの資料、ネット検索から知ることは容易であり、発言者は現代
思想フォーラムのSYSOP・SUBSYSという責務にあることからも、彼らを批判することは、公共
の利害・公益に合致する、とりわけネットワーカーとしての彼らに対しては、ということである。
上記のような観点から、たとえ、彼らの社会的評価の低下を招いたにしても、違法性又は故意
過失はないという主張が成立するでしょう。つまり不法行為は成立しないという立場を私はとっ
ています。一応、呑み友達の弁護士にも聞いてみましたが「まぁ、そんなところだろう」というこ
とではありました。
私が所有する当該ログをここに貼り付けた場合、どういうことが想定されるかということを、
述べてみましょう。「(発言者本人)の許可なく、自分の発言を掲載することは、自分の著作権
(公衆送信権)を侵害しているから即刻削除するように」という要請が考えられる。
で、この場合、管理者が貼り付けるわけですし、「支援の会」のメンバーは私の個人情報につ
いて、相当、把握をしていますから、仮処分の申し立てを行うにしても、とりあえず警察にいっ
て「告訴」するということも、私を特定することは、彼らには決して難しいことではありませんか
ら、そこまでは容易でもある。
名誉毀損とか著作権侵害とか著作者人格権侵害とかプライバシー・公衆送信権の侵害とか、
まぁ色々あるでしょう。そのときに、彼らが常々主張していた内容と、私の「知る権利」や「反論
権」「付随する反論行使の方法」と、一体どちらが優越するかというのは、なかなか興味深いも
のがあります。
ただし、自分たちが「本人のいないところで誹謗中傷した発言が、私の知るところとなったから
といって」上記のような主張を一体、どこまで維持できるのか。かなりみっともないものだろうと
は思います。
行使しない以上、これは役に立たない想定でしかありませんが、私の根拠となる一端を示して
おくことにした。もちろん、人によっては「それは花田の都合のいい解釈だ」という主張もあるか
もしれない。その是非はともかくとしても、最低限、この程度のことは知っておかないと、それこ
そ怖くて、掲示板など開設できるものではない。
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