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niftyが考えるSYSOP報酬とは。



もう随分と前のことだが、別のフォーラムのSYSOPから、こんな話を聞いたことがある。

「ひょっとしたらniftyというのは、SYSOPなど、報酬体系をいくらにしても、希望者などいく
らでもいると思っているのかもしれない」

まだ、tty氏の就任前の話だった。今ほどでないにしても、そろそろ個人がHPを有し、その
管理を行い、参加者にコミニュティの場を提供するということが、珍しいことでもなくなって
きた頃である。つまり「無料で管理者をやる者など沢山いるではないか。世の中にはネット
のコミニュケーションのスタッフに就任したい者はいるし、報酬などというものは、あればい
い程度」なのだということである。

実は、niftyのSYSOP報酬というものは、少なくともその制度が何回か変わっているのだが
値上げされたことはないはずである。ゆるやかに下降線を辿ってきたというのが現状だ。

それでも以前は、会員のフォーラムに対する利用時間というものが反映されていた。
利用時間に応じて、SYSOP報酬も加算されていたのである。もし、SYSOP報酬を労働価値
として規定するならば、この方が遥かにわかりやすいと思う。

今は、違う。簡単に言えば、1ヶ月あたりのそのフォーラムにおけるIDの総数(利用者総数)
に、ある金額を掛けたものがSYSOP報酬となるようだ。このシステムでは、例えば花田が、
仮に発言したり読んだりで1ヶ月あたり20時間FSHISOにアクセスしたとしようか。この場合
にそれが20時間であろうが50時間であろうが100時間であろうが、カウントされるものとして
はあくまでも1 IDである。

ここに1ヶ月10分間しかアクセスしないROM会員がいたとしよう。それも、1 IDとしてカウント
される。花田とこの会員は同じ1 IDということになる。報酬とリンクするものは何かといえば
利用者のID総数ということになる。

仮にフォーラムをひとつの企業と考えて、SYSOPの報酬を「企業が生み出す収益」としてみ
ると、この制度変更というものは、企業としては、相当な変革を要求されることになる。

以前は、それが常連であれ、新規入会者であれ、とにかく個人の利用時間を増やすことが
企業の収益に反映した。アクセスタイムが増えるには、どうすればいいかということを考え
;れば「企業収益」は上がったのである。ところが、今は、それだけでは経営的には駄目で、
とにかく「新規入会者」を増やす。その会員が発言しなくてもいいのだが、常に、退会者や
休眠会員を上回る新規入会者を獲得しない限り、収益は上がらない。

例えば既存会員100人が全ての会議室で活発に議論をしても、退会者の方が新規入会者
よりも多ければ企業収益は低下するのだ。ある意味では、どんどんサービス業に近くなって
きているのかもしれない。今日では、niftyの課金システムというのは変動制というよりは、も
う定額制だから、こういう報酬システムにしないと、それこそniftyという企業がフォーラムの収
益を計画できない、見込の算出が困難になるというのは、わかるのだけれど。

そういう意味では、FSHISOのSYSOPというのは、いつの時代にも「議論が三度の飯よりも好
き」という特性が求められるのかもしれない。私などBLのときにもSUBSYSのときにも、就任し
た以上は、楽しむぞという気持ちはあった。自分が楽しまないと、他者にそういうものを伝える
ことなど、できないと思うからである。

以前、tty氏は、私に「FSHISOを守るために、自分ができる限りのことはやっていくし、それは、
SYSOP報酬が零になっても、その気持ちに変わりはない」という趣旨のことを述べたことがあ
る。これは、ひとつの責任感である。使命感といってもいいだろう。そういうことは「誰」にでも
できることではないし、言論の自由について、私とSYSOPの見解が必ずしも一致しているわ
けではないが、それはそれとしても、立派なことだと私は思っている。





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