さて、そろそろ終わりにしますか
投稿者:暗闇からの一撃 投稿日: 7月22日(日)01時29分01秒
>しかし、匿名掲示板で発言する限り、書かれた側は「書いた側」の責任を問うという
>行為は、かなり手間隙がかかるものです。つまり、責任などもたないよ、という視点
>で「書く」には、実に都合がいいわけです。
確かに「書き捨て行為」を行いやすい環境ではある訳です。しかし「書き手の責任」
を追求することに利益はあるのでしょうか。間違った主張が排除できれば論者まで排
除する必要は無いのではないでしょうか。一般的には、より説得力のある主張の方が
受け入れられやすいですから、十分に反論権が保障された空間であれば問題は無いと
思います。
(初めから相当な悪意を持って誹謗中傷行為におよぶ場合、犯人の目的は対象の信用
や名誉の毀損ですから、それを否定することが可能なら問題ないでしょう。
ただし、当事者がそれを感知しない場合は失われたものの回復にかかる時間が余計に
かかる訳ですが、それは議論とは別の次元ですので、置いておきます)
また、敗者復活が容易であるという点から見ると、新しい論者の育成も可能で、それ
が場の活性化につながる、という側面もあると思います。
ところで、匿名掲示板に否定的な意見をお持ちの割には、このBBSも匿名サーバー経
由での書き込みが可能な訳で、これは一種の自己矛盾を来たしかねないのでは?
花田さんとしてはFSHISOルールをこの場においても準用したいのでしょうから、勿論
私も尊重して匿名サーバを通さずに書き込みをしている訳ですが
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暗闇からの一撃氏のコメントに「書き手の責任を追及することに利益はあるか」という
問いかけがあります。実は、私の周囲にも「匿名掲示板」について、氏と同様の見解
を有する方が何人かいます。
以前、*鬼女面さんというFSHISOを代表するアクティブ会員が、いらっしゃいました。こ
の方が一貫して主張されていたのは「書き逃げ反対」というものでしたが、私もこの主
張には全く同意しています。ひとつ新聞の例で説明してみましょう。
例えば、今、どの新聞を手にしても、いわゆる「無署名原稿」というものの方がまだまだ
多いというのが実情にあります。以前に比べれば、それでも少しは増えましたが。
で、ここで明らかに間違った取材内容、或いは、個人の名誉を毀損するような記事が掲
載されたとします。書かれた側は、抗議をする。この場合、新聞社の広報であったり、担
当局であったり、編集局長であったり、社長であったりと、そのケースは様々です。
大体、新聞社の回答としては「ニュースソースからの綿密な取材、事実確認の結果、その
内容に確信を得ている」というようなものが最初に示されます。反論権などといっても、た
とえば、報道被害を蒙った人間に、新聞社がそれ相応のスペースを提供したなどという話
を私は聞いたことがありません。A新聞であれば、A新聞の読者に対して伝えられた情報
が誤っているものであれば、その新聞に反論を主張する機会を有するというのが、私は
名誉の回復には最も効果的なのですが、それはなかなか実現しません。ですからどうして
も訴訟になるわけです。まぁ、メディアというものは、訴訟に慣れているという面もあるので
すが。
例えば、匿名掲示板に、私が発言をすることは可能です。しかし、それは「花田の発言とし
ての反論」というものを読者に対しても100%伝えるということは困難です。おそらく花田の
偽者が沢山でてくるでしょう。それと書かれた内容に対する反論と同時に「そういういいか
げんなことを書いた発言者の姿勢を批判する。書いた人間にその根拠を問う」というもの
も「反論」に対しては含まれるわけです。それは匿名掲示板では極めて困難を伴う。そして
「無責任な内容であればあるほど」それが無責任な事実に反するものであるということをき
ちんと説明することには、相当の時間を必要とするわけです。書き手の方も、いつでも誰に
でも「なりすませる」わけですから、適当なことを書こうと思えばいくらでも書ける。
だから、私は今日まで、その全てを無視してきました。いちいちそこに出向いて反論などす
れば、それこそ「思うつぼ」といった面もあるわけです。
それと、治安維持法の時代ならいざ知らず、FSHISOの運営陣に対する批判や悪口雑言の
類など、名無しさんで書かなければいけないような、書けば即座に弾圧、逮捕などというもの
でもありません。しかも、私は、再三に渡って、言論に対しては言論で解決する、自分の名誉
に対して、それを守る手段として、訴訟提起など行わないということも、いいかげん飽きるほ
ど書いてきています。花田は何かあると、すぐ訴訟を持ち出すというのであれば、それは匿名
掲示板に書くことによって、安易な訴訟から身を守るということは、わからなくもありませんが。
しかし、私は批判の自由を封殺したことなど、一度もありません。FSHISOでBLやSUBSYSをや
るということによって、色々なことを言われるだろうし、私がスタッフとして実行した諸々につい
て、相当な批判が生じることも、当然想定していました。
他者を批判する、それは言論活動として、何ら責められることではありません。ただし、そのこ
とに対して、自分は批判されたくもないし、追及されるのも厭だし、根拠を問われるなんてのは
もっと面倒くさいし、まして責任などというのはとんでもないというのは、少なくとも私はアンフェア
だと思います。自分は他者に不利益となることは書くけれど、書いた自分は高みにいて、その
ことに決して巻き込まれたくないし、傷つくのは厭だというのでは、そこに覚悟もなければ、単
なる卑怯な行為といわれても、それは仕方がないのではないか、私はそう思います。
だから匿名掲示板に対する「抗議」というのは、個人ではなくて管理者に行くわけです。最後は
「場ごと潰してしまえ」みたいな要求になり、その場に書き込む者は、それに対してその場を守
ろうと発言を重ねる。
ただ、私は「場ごと潰してしまえ」というのは、これまたいかにも狭量だと思っています。
コミュニティの場を潰すなんてのは、どうにも野蛮な気がしていましてね。
匿名掲示板を設けたことは「自己矛盾」ではないかという問いですが、私が匿名掲示板に書
かない、もちろん批判的な面も有していますが、その一方で、それほど流行っているとはいい
難いフォーラムについて、まぁ、何人の方が書いているのかわかりませんが、えふしそ板とい
う場所があって、ああだこうだという発言はそこそこあるわけです。で、そのうちの大部分の方
は、当然FSHISOの入会者だろうとも思ったわけです。そういう方々と、コミニュケーションでき
る場を作れないかなという気持ちは、ありました。もちろんそこには「好奇心」というものがあり
ますし、それを否定しませんが、そういうみなさんと「話をできる」場というものは設けたかった
ですね。で、そのためには「匿名掲示板」じゃないと駄目なんだろうなと、単純にそう考えたと
いうことでした。
それと、かっての会員のみなさんで、今は、niftyそのものを退会された方もいらっしゃるわけで
そういうみなさんに、もう当時の出来事について、私が知っていることの、それも断片でしかあ
りませんが、ひとつの歴史の解釈として、お伝えしておきたい。そんなことをぼんやりと思った
ということもあります。
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