2008.Aug.04 Renewal
![]() 10年間使用のクリエートデザイン社214Aのメンテナンスをしてみました。 10年使用したアンテナは色々な部分が痛んできます。当然アルミ製のエレメントは腐食しますし、一番痛みが激しいのが、 プラスチック製のパーツです。10年間風と紫外線に曝されていたのですから腐食も相当なものです。 しかししっかりとメンテナンスすれば、新品の時と同様の性能が維持できますからね。 ![]() トラップコイルを焼いちゃった! 共振周波数がズッコケちゃったぞ! |
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クリエートデザイン社のアンテナ給電部には、マッチング用スタブが使用されています。 スタブはアルミ棒で、このスタブをブームに取り付けているのが、このスタブインシュレーターです。 |
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右−>10年間使用したスタブインシュレーター 左−>新品のスタブインシュレーター 10年間使用したスタブインシュレーターは表面が白く変色しボロボロの状態になっていた。 |
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クリエートーデザイン社にパーツ供給をお願いして郵送してもらいました。 214Aで使用しているスタブインシュレーターは2個なのですが、AFA40も使用しているため10個を供給してもらいました。 ブームへの取り付けビスも付属してました。 |
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![]() 右ー> 交換前 ファスナーにも錆が 左ー> ステンレスビスに交換 |
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エレメントを固定するエレメントファスナーもビニールテープと自己癒着テープで保護していましたが、10年の歳月で水が進入したようで、ビスは真っ赤に錆びていた。 錆びていたビスはどうやら鉄製のユニクロメッキだったようで、ステンレスビスに交換しました。 |
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![]() いつの間にか風雨に曝されて、天気の良い日でもアンテナが輝いて見えなくなっていました。 エレメントのメンテナンスは、単純に磨く作業で対応しました。 |
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![]() (ボンスター 1袋8個入 198円) |
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エレメント磨きには、ホームセンターなどで販売されているスチールウールに洗剤が塗布されている金属磨きを使用しました。 |
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エレメントは、少量の水を含ませたボンスターで磨きます。表面の汚れと錆が取れてツルツルになり非常にきれいに輝く状態になります。 ただこの作業、手がやたらと汚くなるので、薄手のゴム手袋を使用する方が良いかと思います。 |
![]() (下=>磨き前 上=>磨き後) |
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トラップ部分もきれいになりました。 トラップの両端のプラスチック製カバーは、アクリル系塗料を吹きつけ保護しました。 |
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全てのエレメントを磨き、まるで新品状態に再生 |
![]() バランのメンテナンスは特に必要ないとおもっていましたが、バランとふくしゃきを接続するリード線が、結構痛んでいました ので、新たに製作して交換しうることにしました。 |
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オリジナルリード線は、ビニール被覆線でテンションが掛かっていたわけではないが、圧着端子の付け根でストランドが何本か断線している状態だったので、テフロン被覆の電線に交換、圧着端子を取り付けた後に更に半田付けした。 |
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バランに問題はなかったが、一応分解してバランの中を確認したらびっくり!蜘蛛の巣見たいのがコイルに付着している。電気的に問題はなさそうだが、取り除いた。 どうやらバラン底部の水抜き用の穴から蜘蛛かその類の昆虫が侵入したらしい。 |
![]() これは、事故です。落成検査前にリニアと各バンドアンテナの接続をして、準備万端!スタンバイ状態の時に発生しました。 送信スタンバイスイッチに使用しているフットスイッチの配線がショトしたらしく、約480Wで45分間送信状態になってしまった ため、トラップコイルが焼けてしまったという事故です。 214Aの耐圧は1kwでも十分な設計ですが、流石に送信時間が長すぎました。 通常、過大入力の場合バランが耐圧に耐え切れずに死にますが、今回は、バランの耐圧は十分な範囲の電力であったため 結果としてトラップコイルが焼けてしまった。 共振周波数が200KHz上昇してしまい、使用頻度の高い周波数で使い物にならない状態(21・14MHz両バンド共に) になってしまいました。 幸い、RIGやAMPには障害は発生しませんでしたが、トラップコイルが焼けちゃうとは。 やっちまったな! |
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![]() 焼けたトラップコイル |
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焼けたといっても、黒くなっているわけではない。 よく見ないと判らないけど、コイルの巻が均一でなくコイル全体が膨張している状態になった。 |
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トラップコイルの分解 トラップコイルはコイルの外側に金属の筒を取り付けてキャパシタンスを形成しLCの共振回路を形成する構造です。 外側の金属の筒は4mmのリベットで固定されています。 |
![]() トラップコイル外側の筒を外す |
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トラップコイル外側の筒はリベットで固されている。 リベットの取り外しは、リベット径より0.5mm細いドリルでリベットの頭を削ることで、綺麗にリベットを取り外しできます。 必ず、使用されているリベットより、細いドリル刃を使用します。 |
![]() リベットが取れた状態 |
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リベットが外れれば、外筒は簡単にずれて外れる。 外筒をずらすと問題のコイルが現れる。 |
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トラップコイルもエレメントにリベット止めされているので外筒と同じようにドリルでリベットの頭を削る。 コイルが巻かれているボビンは透明なアクリル樹脂製でエレメントに2箇所。合計4本のリベットで固定されている。 |
![]() 焼けたコイルのボビンの内側は、熱で溶解してた |
![]() 新品のコイルボビン |
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![]() 焼けたコイルのボビン |
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白く変色溶解したコイルボビン、均一でなく膨らんだ状態になっていて、強度も十分な状態ではなくなっているようだ。 |
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上 → 焼けたコイル 下 → 新品のコイル。 |
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トラップコイルボビンにコイルの2mmアルミ線を接続ボビンの穴に付属のスペーサーを入れる。 リベット側には、スプリングワッシャーを入れて取り付ける。 トラップコイルボビンにはエレメントが40mm挿入される。 よく考えると、このコイルボビンの強度は結構なものだ。コイルから先の加重をリベットと外筒に接するフランジだけで受けているんだから。よく出来ています。 |
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交換完了! これで元通りの共振周波数になる。 あとは外筒を取り付ければ完成です。 |
![]() 今回、クリエートデザイン社にパーツの供給を頂き本当に助かりました。 昨今、部品交換をお願いするとかなり高額な修理代金を請求される企業が多い中、アマチュア無線の精神を十分に理解され、 自分で修理するという、アマチュア無線の原点を本当に理解しているクリエートデザイン社に心から感謝いたします。 メールでのやり取りではありましたが、最初から「もし、ご自分で修理するのなら」と、自己修理を前提に回答頂いた時は、非常 に感激しました。 パーツ発送も迅速な対応で、注文翌日には部品が到着するなどすばらしい企業姿勢に脱帽です。 |
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