温暖化対策の試行:
猛暑の日々が続いている。住まいは地表から50mくらいの高さがある高層住宅で南北に風が通るため、以前は夏でもクーラーのお世話になることはあまりなかったのだが、ここ数年はもう必需品。毎日ほぼフル稼働である。「危険な暑さ」とさかんに云われるので、家に籠もることも多く必然的にオーディオのスイッチがオンとなる。それはそれで音楽三昧の言い訳にもなるので好都合でもあるのだが、、、
だが、この温暖化の傾向と勢いを鑑みるに最早「冷夏」になるようなことはほぼ無いだろうと予測できるので、夏場にクーラーのお世話になりつつ、盛んに熱を放出するような機器を使い続けるのはちょっと時代にそぐわないのかな、と思えてくる。我が家で主な熱源となるのはA級アンプとOCXOを搭載している機器である。アンプは音楽を聴くタイミングにてスイッチオンで良いのだが、OCXOは暖め続けておかねばならない、、、
2台のA級アンプ(上段)とOCXO搭載のハブ:(冬場にはありがたい暖かさだが)
4way構成の中高域、高域に使用している2台のA級アンプ(A-35)は無負荷状態で消費電力155W/台とそこそこ大きい。OCXO搭載の機器は10MHzマスタークロックとスイッチングハブ。消費電力はそれぞれがおそらく30W程度でそれほど大きなものでもないが、24時間オンである。筐体外部でも40度前後を維持している機器(温度計で測ってみた)なので、電気代ということよりも、総量としての発熱は結構なものとなると推定。
温暖化対策あるいは省エネとしては、それぞれ(1)AB級アンプに交換する、(2)OCXO搭載機器の使用をやめる、という単純なものであるのだが、この程度にて如何程の意義があるものかとも思うし、音へのインパクトは間違い無くあるのでそれが大きいと困るな~という危惧も拭えない。だが、やはり試行してみようかと考えた。
(2)は普通のスイッチングハブと繋ぎかえれば良いので比較的簡単に試行できる。やっかいなのは(1)である。2台のパワーアンプ交換となるとそれなりの意を決しなければならない。だが、A-35とて導入以来そこそこ年数が経過していることもあるので、いつかは交換の時期がくるだろう。それを今行えば良い訳だ。温暖化対策、省エネという言い訳も立つ。
OCXO搭載の終端ハブにマスタークロックを注入するというお馬鹿な構成で使っていることもあるので、マスタークロック入力だけを中止するというアイデアも頭をよぎるのだが、やるなら温暖化対策として徹底したい。この終端ハブに関しては、若干思い入れもあるし実際良くできた機器だと思うので少し未練はある。光ファイバーを含めた一連の宅内配線のブラッシュアップで改善された部分を帳消しとする可能性も大なのだが、産業用のSFPポート付きハブ(低発熱、ファンレス)に変えることで大きく悪化しなければそれで「良し」と考えることにした(なお、SPFモジュールは熱の観点からも1Gに限定している)。
パワーアンプについでは、Accuphase社のAB級ラインアップの現行最小モデルであるP-4600に交換。現在低域、中低域に使用しているP-4200の後継機ということもあり、一世代スキップしているがある程度の音の親和性は保てるのではないだろうか。本来的には、この際4台まとめてリニューアルが望ましいのだろうけれど流石に少々負担が大きいのでまずは2台の交換に留め、あくまでもA級をAB級に変える、という方針を遵守。ただし、P-4200(76W)に比せば、P-4600は無負荷時の消費電力が幾分増えており(94W)、それに伴い発熱は少し大きくなっているだろうけれど。
用法としては、新たに導入するP-4600を低域、中低域用とし、既存のP-4200をA-35の後釜として中高域、高域に転用する。なお、片チャネルの低域、中低域を1台のP-4600にて担当させるという変則的な用法は今までと変わらない。
パワーアンプ用の電ケーとタップを一挙に
交換
したこともあって若干ながら音の変化があり、このところようやく何とか纏まってきたかと思える音をまたまた弄ってしまうのは、ちょっと勿体無いかなと思うところもある。だが、ささやかな温暖化対策であってもやっておこうという意識は大切かもしれない。蛍光灯の照明器具をLED対応に改造したことを含め室内のほぼすべてをLED電球に変えた。また、昨年リスニング環境にもかなり大きな内窓(5mx2m)を増設して全室二重窓化した。これらも省エネと断熱(更に遮音)を狙ったものであるが、この夏に存外の効果を発揮してくれている。年寄りが危険な暑さを乗り切る?ためには、適切な冷房が欠かせない、ということが喧伝されてもいるので、基本的な対策は行っておくべきなんだろう。だが、やはり心配は「音」が望まぬ方向に変化してしまうことである。ここが設定や調整でキープできれば良いのだが、、、
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