オーディオ日記 第59章 ただ音楽のために(その22)2025年8月10日


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温暖化対策の試行(その2):

効率の良い(発熱の少ない)機器の方が良い音がする、というような説はあまり聴いたことがないし、そもそも音云々とは本来あまり関係のない事象なのかもしれない、、、

今回の試行におけるスイッチングハブの選択では、OCXOを搭載した機器(LHY Audio SW6 SFP)はどうしても外せないと改めて実感することとなった。ハブによる音の差異に関しては自分でも論理的根拠はあやふやなのだが、実際ここまで違ってしまうと仕方のないこと。発熱に関してどうしたものかな~と考えてみたが、結局シンプルに夜間は電源オフ、という対応をとることとした。音楽を聴き始めるタイミングにて電源オン、アンプ等もある程度温まるのを待たねばならないので、気合を入れて聴くのは20分~30分後になるけれどこれはやむを得ず。一度電源を入れたら後はもうそのままで寝る時にオフという運用である。また、マスタークロックは短時間のウォームアップでは却って安定しないことも予想されるのでこれは悩んだ末に諦めた。

パワーアンプの方は両方を並べて用意しておき切り替えて比較するような試行は残念ながらできない。結線や電源供給も都度組み換えなければならないし、そもそも置く場所もない。なので、ここはもう割り切って「リニューアル」と同義と考えてしまうしかない。

P-4600を下段に、P-4200を上段に:(パッと見以前との変化は少ない)
Accuphase P-4600

やはり発熱はP-4200と比較すれば若干大きいが、A級アンプ程ではないので、そこは当初の目的を果たせたと云えるだろう。なお、設置後は一晩電源を入れっぱなしにしておいて初期のバーンインを行い、その後に音の確認を開始。

P-4600は4wayのうち低域、中低域を担当するが、一聴して感じたことは「音の厚み」と「安定感」。それでいて豊かに音が広がる。これは想定外にいい感じである。このアンプの評価が高いのも肯ける。なお、A-35からP-4200に切り替えることになるので、ちょっと心配していた中高域、高域であるが、これは繊細感は失われていないし、かと言って豊潤さが削ぎ落されてしまうようなこともない。何より人の声にさらに実体感が加わったように思う。従って、総合的に考えれば、温暖化対策と機器更新が僅かにプラス方向の音をキープしつつ、実現できたと考えて良いだろう。

このため更なる泥鰌を狙うためには、既存のP-4200についてもP-4600にリプレース、という邪な考えが頭に浮かぶ。幸いなことに、このアンプの入れ替えよる見た目はあまり変わらない(素知らぬ顔で変更してしまえる?)のだ。だが、このクラスのアンプも従前よりは随分と高くなってしまったので、流石にP-4600を4台というのはちょいとやり過ぎになるかもしれぬ。あるいはこのモデルの後継機種が出たタイミングで、ということになろうか。

マルチアンプ派にとって少々残念なのは、高品位、小出力のアンプの選択肢があまり無くなって来ていること。AccuphaseとてA-20を起源とする小出力のA級パワーアンプ路線は既にディスコンになっているし、AB級においてもP-300を起源とするシリーズは今はもう無い。P-4600がAB級アンプの最小モデルなのだ。マルチアンプ派にとっては出力の多寡よりも「GAIN調整」が可能なアンプが構成上必須でもあるので、その観点から他社はなかなか候補にはなり難いという事情もある。

まぁ、マルチアンプシステムを構成しているようなオーディオファイルは今や絶滅危惧種どころではないので、ここをターゲットとしたような製品は縮小せざるを得ないことはメーカー戦略として理解できるのだが。

さてこれで、我が家の温暖化対策は充分なんだろうか、、、正直それほどの達成感は無い。また今回トライしてみたこと以外にオーディオ関連では他の施策も現状すぐには思い浮かばぬ。それでもささやかな満足があるのはやはり音が心配していたような状況にはならず、安心して(省エネ?)オーディオ三昧ができる、ということ。ここは重要。