オーディオ日記 第59章 ただ音楽のために(その20)2025年7月31日


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模索し続ける:

我が家におけるストリーミング再生で「ベストな音」が掴めたという訳でもないのだが、出音にそこそこ満足してしまう日もある。けれどこれが終着駅ではないという意識も常に頭の隅に付き纏う。

ストリーミングプロセッサーを導入し、その接続方法やら、宅内のネットワークの根本的な見直しなど模索を続けた効果とその意義は自己満足かもしれないが確かにあったようにも思える。これらの施策によって僅かでも向上が感じられたのならば、また次の泥鰌を探すことになる。これを沼と呼ぶのかどうかは定かではないが、オーディオファイルの宿命のようなものか、、、

システム全体をざっと眺めてみて、どこにまだ弱点が残っているのか、あるいは自分としても未だ完璧とは云えないところはどこか。洗い出せばキリが無いようにも思えるし、やるべきことはそれなりにはやってきたような気もする。

けれど自分の頭の「中」だけで鳴り響いている音楽を現実のものとするための探求を続けねばならない。これが自発的呪縛というものなのか、あるいは向上心の塊と考えるのかによって、気持ちも変わってくる。もちろん多くのオーディオファイルも同じと思うが、当方もポジティブに考える立場を取る。要は心の持ち方次第、とにかく虚仮の一念であっても前へ進もうとすることが肝要。

で、今般目を付けてみたのはパワーアンプ用の電源ケーブル。今までメーカー純正のものを使ってきた。それほどの不満はなかったこともあるし、「電ケー」の沼に嵌る方も多い様子は承知している。なので敢えて(本能的に?)近寄らなかったとも云える。

現状、更に求めるものは静寂感と実在感。つまりリアリティをより感じさせてくれるような音楽に仕上げたいのだが、今回のこの部分でその効果が求められるものなのか、自分でもちょっと良く判っていない。だが、やるべきことのひとつでもあろう。パワーアンプは4台あるので、そのうちの一部を変更して様子を見るか、敢えてケーブルを同一のものとして全取っ換えとするか、この点はちょっと悩んだ。

電源ケーブルと電源タップ(パワーアンプ用)
Power TAP

だが、何らかの期待値を持ち、その着実な効果を求めるのであれば、中途半端は多分意味がないとも予想される。となると課題は電源タップ。太くて硬い4本をしっかりと受け止める重量がタップには必要となる。正直電源タップの中身の仕掛けによってどの様な音へのインパクトがもたらされるのか理解できていないので、取り敢えず重さも重要視して1.7Kg程度あれば配線状態が安定するだろうと、、、

良くも悪くも電源ケーブルは想定以上に太く硬く (20GA×6本+テンセルワイヤーの3芯構造)取り回しには大汗をかく。本当にここまでのものが必要なのだろうか、と思わず自問してしまうほど。

四苦八苦して4台のパワーアンプ用にセット:
Drive Section Phpto

なお、この電源タップの前段にはEMCフィルター(40A容量)を挿入している。集合住宅住まいなのでこの手の対策は必須だろうと考えており、容量についてはかなり余裕を見たものとしている。

パワーアンプ用EMCフィルター:(TDK Lambda RSMN-2040)
TDK Lambda RSMN-2040 TDK Lambda RSMN-2040

さて、音である。全くエージング無しの状態での最初の印象はとにもかくにもパワー感の増大。だが、音は「カタッ!」という印象でこれには少々困惑する。まぁ、これだけ太いケーブルなので、ある程度は辛抱強くエージングせねばなるまいとは思っていたのだが、これは心積もりとしての期待値を越えてくれるようなポテンシャルを秘めているものと(楽観的には)解釈することもできるかもしれない。後は望みの方向に熟成、練れてきてくれれば御の字なのだが、はてさてどうなることやら。