オーディオ日記 第59章 ただ音楽のために(その19)2025年7月25日


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宅内配線に悩む(その9):(魂を救う光)

Silent Fidelity SFPの用法において、我が家では3mのST-Linkケーブルにて、終端ハブとサーバーPC(SFPポートを持つ機器としては現状これが我が家で唯一)を接続することが自分流の比較検証の 結果 に基づけばベターとなった。比較対象としているのは上流ハブから15mのST-LinkケーブルでのサーバーPC直結である。まぁ、これが絶対であるかどうかは「感性」での判断なので盤石の自信は持てないが、、、

さて、ここで、、、この終端ハブとの短距離での接続では、このSilent Fidelity SFP以外にも
1.2~3mの「普通の」光ファイバーで接続
2.1~1.5mのDAC(Direct Attach Cable)で接続
ということも構成としては考えられるので、Silent Fidelity SFPがこの二つのケースを軽々と凌駕してくれるのか、その結果如何で我が家にてこのSFPのセットが運用上のポジションを占めることができるかどうかの最終の関門となる。

(左)低損失MMF/OM4 2.0m (右)Passive DAC 1.5m
MMF/OM4 Elite 2.0m Passive DAC 1.5m

比較する具体的なライバルは具体的には、1.1Gの産業用SFPモジュールと低損失光ファイバー(MMF/OM4)2mとする組み合わせ。2.はパッシブDACの1.5m(FS.com製ケーブル)、という内容である。両者の使用経験から率直に云えば、差はほぼ出ない、あるいは仮にあったとしても聴き分けられないかも? という予感があって多分その予感は当たるのではないか、という妙な自信というか確信も何故かある。

だが、あれこれとネットワーク構成を弄り廻し試聴してきた手前、ここはやらざるを得ないと考えた(自発的呪縛と呼ぶらしい)。この比較も行った上でなければ正当な評価をしたことにはならないだろう、と。

オーディオは救いの無い趣味と云う人もいる。自分でも、その通りだよな~と思うこともままある。相応の投資と時間を掛けても何ら向上を実感できないことも少なくない。それでも何処かに僅かな、まさに塵ほどの期待値があって、その可能性があると思える限りそれを目指して試してみざるを得ないのだ。それが「オーディオの道」であると今はもう達観している、、、

ネットワーク環境がストリーミングによる音楽にインパクトを与えることは実感として概ね把握できている。だが、それは結果としてのトータルなオーディオシステムからの出音であって、個々のパーツや構成の音を明確に聴き分けている訳ではない。そこまでを聴き分ける能力が自分に充分にあるとも思っていない。だから結局今回のこの比較も「感性」という隠れ蓑を借りた方便や言い訳にも近いものとなるかもしれない。

実際には多くのオーディオファイルは構成パーツやその素材に至るまでの極微細な音を聴き分けて優劣を付けている(らしい)。それがどの程度の真実であるか当方には判らないが、自分でも似たような比較をしている部分もあってその自覚と反省が常にある。けれど自分の感性と評価が絶対に正しいなどとはとても思えず、いつも半信半疑となってしまうところもある。

だから、システム全体として、このリスニングルームにて提示される音楽が、自分にとって是なのか非なのか、それで判断するしかない。人様の音を聴かせていただく場合も、また我が家でオフ会を開催する場合でも、基本は総合的な出音の良否の判断である。もちろん細部に関しての議論をすることもあるが、結果として出てきた音、そして音楽自体が評価の対象である。「部分に捉われない」という前提を常に戒めとして自分で持っていなければ、と言い聞かせてもいる。

これは別段今回のような一連のネットワーク構成や機器の話には留まらず、オーディオ装置の全てにあてはまることでもある。だから、結果としてそういうプロセスを経て「勝ち残った」ものが現用機器となっていく。従って、今ここにあるのは間違いなく自分の感性が選び、造り上げてきた音である。その音の良否はすべて自分に責任があり、機器や環境のせいにできるものではない。

Passive DAC 1.5mで接続しての比較:(速度は1G)
Passive DAC 1.5m

さて、、、ここでの比較の結果であるが、自分の判断としてはこの1.と2.は「明確に差を指摘できるほどには聴き分けられない」というもの。予感通りと云うか、駄耳と云うか、、、ただし、今回の比較から選択をするとすれば、1.の終端ハブから2mの低損失MMF/OM4光ファーバー接続ということになる。我が家の全体的な機器構成や環境も絡んでいるので絶対ではないし、その根拠もうまく示すことはできない。けれど、今までの何通りかの比較試聴を経て、我が家ではSilent Fidelity SFPは音の評価も含めて運用機器(注記)としてその一角を占めることには現状ではならない、という結論に至った。

(注記)
Silent Fidelity SFPには互換性、接続の問題が既に何件か報告されている。我が家でもPCIeカードのSFPポートを使用したサーバーPCとの接続はかなり不安定で、この状態で現用機とするのは難しい。汎用性を犠牲にするような仕様に変えてしまうことは音自体が絶対優位でない限り受け入れ難いものがある。

パッシブDAC(Direct Attach Cable)も比較の上では遜色無いと思う。ただし、ここで敢えてメタルケーブルとする意義は無いようにも感じられる。結局のところあれこれやってはみたが、上流ハブから光ファイバー(低損失MMF/OM4)でサーバーPCへ直挿しというシンプルな構成で良いと思う。Silent Fidelity SFPが己の魂を救ってくれる光になるかも、と淡い期待をしていたところもあるのだが、、、

異なる判断をする方もきっと居られるとは思うけれど、これは自分の判断。ただし、前提条件がある。SFPポートを持つネットワークストリーマに終端ハブから直挿しした構成は試せてはいない。いずれかの機会にここを試さねば「最終の」結論には至らないとも思っている。

ただ大変残念なことに、現時点で「これ!」と指名できるようなSFPポート装備のネットワークストリーマが無い。従って、その登場を待たねばならない、、、まだ何か分からないが早く出て来てくれ! 現状では候補となりうるネットワークストリーマとしてEversolo DMP-A10がハードウェア的には一番近いところにいると思う(近々出てくるEversolo T8にはSFPポートは無いらしい)が、Amazon Musicの楽曲をEversolo上のプレイリストとして任意かつ自在に登録することができない、という操作性の決定的な不備がある。ここが改善されれば、という儚い期待はあるのだが、、、