△ 「宇宙海賊とヒミツの星」シーン12


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照明が上手明かりに。休憩室。ルビーを先頭にテル、ロー、ライム、シンドバッド、ゾネスが入って来る。

テル 「これで準備は整ったわ。」写真
ロー 「しかしあんまり見せてもらえなかったね。」
ゾネス 「敵に全てを見せるわけないだろ。」

パールが飛び込んで来る。

パール 「大変です!」
ゾネス 「どうした?」
パール 「発信機の信号が消えました!」
ゾネス 「なに?!」
シンドバッド 「想定内です。すでにおおよその場所の検討はついていますから。誤差は0・1光年。」
ロー 「その範囲内なら「ヒミツの星」を普通のレーダーで見つけられるね。」
ゾネス 「パール、おおよその位置でワープを止めて。」
パール 「アイアイ。」

パールハケる。照明が下手明かりに。アハト、ヴァイス、ジローがいる。アハトが銃を持っている。

アハト 「なるほど、プラズマガンというのはこういう仕組みになっているんじゃのぉ!」
ヴァイス 「マガジンは外してありますが気を付けて扱って下さい。」
アハト 「分かっておる!ズキューン!バキューン!」
ジロー 「…あ、あの、一つ質問してもいいでしょうか?」
ヴァイス 「王子がなぜ一般の客船に乗ってたか?」
ジロー 「あ、はい。でも極秘ですよねそれって。」
ヴァイス 「お答えしますよ。そろそろ極秘でもなくなるでしょうから?」
ジロー 「え?」
ヴァイス 「実は私が誘拐したんです。」
ジロー 「ゆ、誘拐?!」
ヴァイス 「厳密には私たちの仲間による作戦です。王子を火星にいる母親に会わせるための。」
ジロー 「母親?って、王妃様ですか?」
ヴァイス 「ええ。実は王妃様は伝染病にかかられ、自ら星を出られて火星で療養されているのです。」
ジロー 「え?お見舞いに行くのに問題が?」
ヴァイス 「王子は来月国王に即位されます。この時期国を離れるのはご法度。ましてや伝染病の母に会うなど許されません。」
ジロー 「即位されてからじゃダメなの?」
ヴァイス 「王妃様の余命が…一ヶ月を切っているのです。」
ジロー 「えっ…」
ヴァイス 「王国では王妃に会わせたい派と会わせない派がぶつかりましたが、結局我々の意見は通らずこんな形で王子を…」写真
ジロー 「そうだったんですね…」
ヴァイス 「しかしまさかこんな事態になるとは…。」

大きな音がして部屋が揺れる。

アハト 「なんじゃ?」
ヴァイス 「ワープが終わった様です。」
ジロー 「何か少し早くないですか?」
ヴァイス 「なんでもないと良いのですが…」
アハト 「早く海賊を退治したいのぉ!そして母上に武勇伝を報告するのじゃ!ズキューン!バキューン!」
ヴァイス 「そうですね王子。」

(作:松本じんや/写真:はらでぃ)

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