歯周補綴の考え方

長期的な臨床観察2

 さらに長期的な10年以上の臨床観察も行なわれています。

 Karlsson(1989)は97患者の140ブリッジについて、8年目と14年目の状態を評価しました。


(Karlsson 1989より改変)

 ブリッジを完全に除去した主な理由は以下の通りです。

臨床的な失敗 ブリッジ数
維持の喪失(う蝕による) 12
歯周病 3
審美的 2
う蝕 1
生物力学的問題 1
歯内 1
ゴールドフレームの破折
(金属の枠組み部分)
2
不明 2
合計 24

 ブリッジの除去率をカンチレバーの有無と、両者の平均からみてみます。14年目でカンチレバーブリッジは除去率が非常に高くなっています(33.3%)。


(Karlsson 1989より改変)

 

 Glantzら(1993)はブリッジ装着後15年経過した77名(5年時では109名)について調査しました。満足度は減少し、およそ1/3のBrが除去されていました。


(Glantzら1993より改変)

 15年の間にブリッジを完全に除去したもの(n=25)と部分的に除去したもの(n=6)の理由は以下の通りです。

Brの破折や脱離 51.7%
美容的に受け入れられない 3.2%
う蝕 9.6%
特別な理由がないか
記録されていない
32.5%

 これらの臨床観察をまとめます。

 

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最終更新2013.1.10