Knowlesら(1979)は初診時のポケットの深さが、異なる外科処置の治療効果に影響を及ぼすかどうか、43人の患者で8年間評価しました。外科処置は歯肉縁下キュレタージ(ポケット掻爬)、Widman改良フラップ手術、ポケット除去手術(根尖側移動術)を比較しています。
(Knowlesら 1979より改変)
どの術式であっても、ポケットの減少とアタッチメントゲインが得られ、長期的に維持されていることが示されました。
Roslingら(1976)は50人の患者を5つのグループに分け、根尖側移動術+骨移植(AFB)、根尖側移動術(AF)、Widmanフラップ手術+骨移植(WFB)、Widmanフラップ手術(WF)、歯肉切除術(G)の治癒を24ヵ月間評価しました。
(Roslingら 1976より改変)
どの術式を用いても、ポケットや炎症の改善に差はみられませんでした。すなわち、従来の歯周外科に骨移植を併用することは無意味であることが証明されました。
Pontrieroら(1999)は40人の患者に対する楔状骨欠損への様々な再生療法の効果を1年間評価しました。スプリットマウスのデザインにより、実験側はGTR法として吸収性膜(GuidorとResolut)または非吸収性膜(Gore-Tex)を用いるか、エナメルマトリックス抽出物としてエムドゲインを用いました。対照側はアクセスフラップ(エムドゲインの場合は溶解液であるPGAゲルのみ塗布)としました。
(Pontrieroら 1999より改変)
ポケットの減少やアタッチメントゲインはアクセスフラップと再生療法で差がみられるものの、再生療法間では差はみられませんでした。
1.
従来の歯周外科手術の治癒は同様であり、術式の違いによる差はみられない。
2.
再生療法は従来の歯周外科とは差がみられるが、GTR法とエムドゲインでは差がみられない。
最終更新2013.1.2