歯周外科手術

フラップ手術

 フラップ手術は歯肉剥離掻爬(=しにくはくりそうは)手術ともいいます。フラップ手術の適応は真性ポケットで骨欠損がある場合骨欠損がなくても深いポケットが残っている場合です。特に骨欠損や根分岐部病変が存在する場合に効果的な手術法です。フラップ手術にはいろいろな術式がありますが、それらの違いはメスの入れ方の違いになります。

 まずメスで切開を行います。下の例では歯槽頂(=しそうちょう; 骨の一番高い部分)への1次切開と歯肉溝への2次切開を行っています。次に骨膜剥離子(= こつまくはくりし)で歯肉(フラップ)を剥離します。骨頂から2〜3mmの範囲にとどめ、あまり大きくは剥離しません。全層弁とは骨膜ごと剥離する弁を指 します(歯肉弁からの出血を少なくできます)。その後、歯根に面している部分の肉芽組織を除去し、スケーリング・ルートプレーニングを行います。最後に弁 を縫合し、歯周パックを行います。縫合には針をはさむ持針器(=じしんき)が用いられます。

 フラップ手術の治癒は接合上皮性付着再付着になります。スケーリング・ルートプレーニングを行った部分は接合上皮が面し、根尖側で歯面に線維が残っている部分は再付着します。骨形態によっては修復も起こります。

 

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最終更新2013.1.9