歯周基本治療とは歯周病の原因となっているプラークや、プラークを増加させる局所性修飾因子を取り除く治療を指し ます。
歯周基本治療を表す用語は多数あります。イニシャルプレパレーション、原因除去治療、初期治療などがありますが、すべ て同じ意味です。
口腔清掃指導とスケーリングは必ず行います。以下 に挙げる処置は必要に応じて行います。
保存不可能な歯の抜歯
明らかに残すことができない歯は早めに抜歯します。残しておくことは隣の歯の歯周病を悪化させる原因になったり、不快感や痛みが持続する結果となった
り、患者さんが残るものと勘違いして抜歯のときにトラブルになったりします。
う蝕(むしば)の治療
う蝕で充填(=じゅうてん; 詰め物)や根管治療(根の治療)が必要な場合は、基本的に初期治療中に直します。くわしくは歯の治療についてを参考にしてください。
暫間補綴
暫間補綴(=ざんかんほてつ)とはブリッ
ジや部分床義歯(=ぶぶんしょうぎし;
部分入れ歯)などで歯のない部分を仮に治しておくことです。ブリッジは金属ではなく、レジン(プラスチック状の材料)で作ります。最終的な形のものを最初
に入れてしまうと、「抜歯か残すか疑問な歯」が抜歯となったときや、根分岐部病変で歯根を分けたときなど、一度入れたブリッジをはずしたり、義歯を作り直したりしなければなりま
せん。患者さんは費用や時間を余分にかけなければならなくなってしまいます。ですから、最終的な形のもの(最終補綴)
は、歯周治療が終わってから入れます。
歯槽骨が吸収している歯では、歯根膜の幅が正常であっても、見かけ上の動揺度は大きくなります。
すなわち、固定を行ったからといって歯周病が進んだ歯の動揺度が減少するわけではありません。そのような歯は最終的にブリッジなどでつなぎ、 動揺しないようにします(永久固定)。
咬合性外傷
咬合性外傷のある歯は咬合調整を行います。上記のように見かけ上の動揺が大きい場合もありますので、慎重に咬合状態を確認してから行います。根分岐部で
の急性炎症により、歯が持ち上げられて咬合性外傷がおきる場合があります。このとき「ぴったり」に調整すると、炎症がおさまってから咬合が低くなりすぎる
ので注意が必要です。
不良補綴物の修正
辺縁の合っていない補綴物は、削って段差を無くしたり、新しいものに作り変えます。
最終更新2013.1.7