この項目では根分岐部病変(LindheとNymanの分類)に対する処置を説明します。根の状態から適した処置法を選択します。
1度 | スケーリング・ルートプレーニング ファーケーションプラスティ |
2度 | ファーケーションプラスティ 歯根切断 GTR法(下顎大臼歯) 抜歯 |
3度 | 歯根切断 トンネリング 抜歯 |
1度か軽度の2度に適用されます。根分岐部の入り口で歯を削って分岐部の入り口を広くするオドントプラス ティと骨の形態を修正するオステオプラスティがあります。
2度あるいは3度で歯根を一部除去する処置法です。根分岐部の状態により、方法が異なります。
下顎大臼歯で根分岐部に病変が限局し、近心と遠心の付着が十分にある場合にはルートセパレーションを行います。これ
は大臼歯を小臼歯2本の形に変えるため、小臼歯化とも呼ばれています。処置後は歯間ブラシで清掃します。
上顎大臼歯は3根あり、セパレーションを行った部分をきちんと磨くことはかなり難しいため、適応とはなりません。
下顎大臼歯でいずれかの根に病変が大きい場合、あるいは上顎大臼歯においてはルートリセクションを行 います。これは根を分割した後、いずれかの根を抜去するものです。
下顎では近心根か遠心根を抜去します。ヘミセクションとも呼ばれます。
上顎では1根または2根を抜去する組み合わせがあります。遠心頬側根は短いため、単独で残すことは危険です。したがって、下の5通り の組み合わせの中から適したものを選択します。トリセクションとも呼ばれます。
※多根歯の根は歯面に面した名前で呼ばれます。下顎では近心根と遠心根、上顎では近心頬側根、遠心頬側根、口蓋根に分けられ ます。
歯冠部は保存し、歯根のみを切断する方法です。上顎大臼歯で頬側1根のみを抜去可能な場合に適応になります。
下顎大臼歯で2度または3度が適応となります。根分岐部の骨をわざと落とし、歯間ブラシが入る形態に 修正します。根の間が狭い場合や、根の分かれている部分が短い場合は適応になりません。
最終更新2013.1.10