絶えず変化  

変化とは、動きです。動きとは「存在」と「非在」の併存です。存在しているものが、同時に、存在していないものであることで、動きになります。存在しているだけなら静止ですが、そこに存在しないという現象があるから動きになります。「存在」と「非在」の併存は矛盾です。すべてが絶えず変化するこの世は、矛盾で成り立っています。

初期仏教では、この矛盾を「諸行無常」と表現していますが、これが「一切皆苦」の根本原因とされています。大乗仏教が誕生すると、「非在」に視点を置く「空(くう)」の中観思想と、「存在」に視点を置く唯識思想が生まれます。 「非在」に視点を置く「空(くう)」の思想は、虚無主義へ進む危険性があるために、「存在」に視点を置く唯識思想が生まれたようです。

唯識思想の「存在」は、見えるものだけが存在するこの世の世界です。中観思想の「非在」は、この世では存在が確認できない世界です。この世では、見えないものは存在しないとされますが、「非在」がなければ、諸行無常のこの世はありません。「存在」も「非在」も、この世の営みとしての変化や動きには、欠かせないのです。



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