ロシアンラリー2001実戦編

 

 

2日目(5/1)

ナホトカ〜ウスリスク(267km+α)

今日も晴天。絶好のラリー日和である。

昨日と同じように、船からスタート地点であるナホトカの広場まで

隊列を組んで移動する。

今日は昨日と違い、ギャラリーの数が少なく、サイン攻めに会うこともなかった。

ブリーフィングで、今日の後半のコースがキャンセルされることが

告げられ、ショートカットの追加マップが渡される。

今日のコースには、ウスリスクタイガーに遭遇するかも知れない

ポイントもあるらしいので、気をつけてとのこと。どうやって?

 

スタート待ちの時、#14真田さんが

「(#9)竹下さんが林道の入り口で待ってるって」

とのことで、本日もBMW軍団で走ることになった。

そして、やはり緊張するスタート。

だいぶ慣れてきたコマ図をすいすいと読み、ルート上を進んでゆく。

舗装路が続くが、スピードはなるべく出さないように心がける。

そんなスピードなので、ロシア人ライダー達はびゅんびゅんと僕を抜いてゆく。

そう、このロシアンラリーには、地元ロシア人も数十名参加しており、

国際ラリー気分を盛り上げてくれている。

ただし、地元だけにロシア人について行くと、

とんでもない所に連れて行かれるらしいので要注意。

 

後方からクラクションが聞こえた、と思った直後、ロシア人ライダーに並走される。

僕のバイクの後部を指差し、走り去っていった。

後方を確認すると、テールバックがぶらぶら状態で、落下寸前である。

ありがとう、ロシア人ライダーさん!

§

20kmほど走ると、ダートに入った。

ここで、#9竹下さん、#14真田さんと合流。

僕が遅いので心配を掛けてしまった。

昨日と同様、#9竹下さん、僕、#14真田さんの順で走り出す。

僕と同じバイク(排気量違い)である竹下さんは、的確なライン取りで走るので、

後ろに付いて走っていると、とても勉強になる。

後々思い知るのだけど、僕が走ることが出来たのは、

多分、竹下さんのライン取りのおかげだと思う。

§

何本か小さな川を渡り、進んでゆくと、これまでになく幅の広い川。

向こうに岸には、大勢のエントラントが溜まっている。

「大回りに回って!」との指示を頂く。

今回は、川底のごろた石につまづくこともなく、

GSの重量を生かし、楽に(?)渡り切ることが出来た。

やっぱり楽しい、川渡りって!

後で知ったけど、真中を突っ切ると、とても深かったらしい・・・

 

フラットダートを楽しみにしているエントラントは多いだろうけど、

川渡りを楽しみにしている奴ってめずらしいんではないだろうか。

まあ、楽しみ方は人それぞれってことでしょう。

まだ少し危なっかしい川渡り(ロシアンラリー&西巻裕 著作権所有)

 

ここから先、コマ図には川渡りの指示が増えてくる。

大きさはまちまちだけど、川渡り6連ちゃんなんて所もあった。

§

少しゆっくりしすぎたせいだろうか?

CP1に着いたのは、時間ぎりぎりの13時59分。

CP1の開設時間が14時までなので、ほんとにぎりぎり。

みんなは、早々と落ち着いており、峠の茶屋のような店で、

シシカバブーをつついている。僕も一口おすそ分けに預かったけど、

結構いけた。でも、シシカバブーって、いったい何の肉?

お店では、料金二重取りされた人もいたとか。

くつろぐみなさんを後に、走り出す。

遅れを取り戻すのだ。

峠の茶屋?

§

CP1後、20kmほど舗装路が続く。例によって、右側通行の一般道。

くねった道を走っていると、つい右側通行であることを忘れてしまう。

特に、左コーナーでは、コーナーリングの最中に左に寄ってしまい、

コーナーを抜けた時には見事に左車線にはまっている。要注意です。

 

先頭の#9竹下さんは、止まるそぶりを見せず、どんどん進んでいく。

道の真中を牛が横切っている、とてものどかな光景に遭遇。

牛達が歩をゆるめた隙を見計らって、通過させてもらう。

ついでに、ずっと走りずめだったので、無理やり竹下さんを呼び止め小休止。

この間に、また続々と後続車に抜かれてゆくのでした。

 

 

景色の良さそうな場所で、みんながバイクを止めている。

ロシアの大河(?)がゆうゆうと流れている、なかなか気持ちのいいポイント。

間もなくCP2。今日は、ちょっと舗装が多い気がするけど、

CP2以降はコマ図から開放されるので、すっかりツーリング気分で走ってます。

§

フラットダートが続く。道が乾燥しているので、とにかく砂ホコリがすごい。

熱気でゴーグルが曇ってしまうので、ゴーグルを上げて走っていたら、

飛んでくる砂のせいで、顔は真っ黒、目は真っ赤のすごい顔になってしまった。

そんな状態で、気持ちのいい開けた草原のCP2に到着。

ここでも、子供達が寄ってくる。何を言ってるかは分からないけど、

身振りで、いいバイクだと誉めてくれているようだった。

#14真田さんのF650は、フロントサスフルボトムの影響で、

フォークオイルが漏れて、ダンピングが利かなくなってしまったらしい。

リタイヤも考えていると言う。何とかならんかな?

§

とりあえず、ウスリスクの街へ向けて出発。

ニシマキさんの朝の話では、ここから30kmくらいの距離。

これは、ぜんぜん見積り違いで、実際には100kmくらいはあった。

20時ごろ、とはいっても時差の関係でまだ明るいウスリスク市に到着

そして、ゴール!

なんとも言い表し難い充実感と、無事走りきれた安堵感に包まれる。

ここウスリスク市は、ロシア共和国沿海州で、何番目かに大きい都市。

きれいな町並みだ。異国に来たんだと言う事を実感する。

ゴール地点には、結構な数のギャラリーがおり、またもや

プロのラリーライダーにでもなったような勘違いをさせてくれる。

給油&駐車ポイントに移動する。

ウスリスク市は内陸にあるため、今日だけはホテル泊である。

久しぶりのゆれない地面で、ゆっくり出来そうだ。

 

団地のような外観のホテルまで、歩いて移動する。

部屋は、2人で1部屋。船でも同室の#18八重樫さんが同室。

部屋はごく普通のビジネスホテルのような感じ。

でも、トイレ&浴室を見てぶったまげてしまった。

トイレは水洗。でも、どこを探しても水を流すレバー、ボタンが見当たらない。

正解か分からないけど、水タンクのフロートを手で直接持ち上げて水を流した。

浴槽は、底に段差のついた変な形。これだけならいいけど、お湯が出ない!

しょうがないので、水シャワー浴びました。

これなら、船の方がまだましかもなー。

食事は、ホテルではなく、別の場所にあるレストランに行くそうだ。

料理は、中華料理風。ご飯に生姜焼きのような肉が乗っかっていて、

久しぶりにほっとする味付けだった。食後に出たロールケーキも美味。

 

ホテルに戻り、売店でお土産を買う事にする。

おばちゃんが1人で切り盛りしており、忙しそうだ。

売店は、カウンターになっていて、おばちゃんに「あれ取って!」と伝える。

言葉が通じないので、買い物はなかなかはかどらない。

日本人が、大挙して押し寄せたので、おばちゃんは、かなりいらいらしている。

そして、やっと僕の番。

タバコ6個、チョコレート2個で、87ルーブル(=435円)

やっぱり物価安いよなー。500ルーブル札が高額紙幣だというのもうなずける。

日本人が、大挙して現れぽんぽん500ルーブルなんか出すもんだから、

おばちゃんも、なお、いらいらするんでしょう。

§

買い物後、バイクの整備のため、外に出ようとしたら、

オフィシャルに止められてしまった。

時間が遅いので危険だということと、勝手に夜に街に繰り出して、

帰って来られなくなったら困るというのが外出禁止の理由。

今日は、バイクの整備なし。

少し不安だけど、明日に備えて体を休めることにするか・・・

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