ラリーレイドモンゴル2002参戦記

 

8月14日  ETAP−3

  9:00スタート予定なので、7:00起床。今日は、ループコースなので、ビバークの移動がない。

ということはテントを撤収する必要がない。それだけでかなり余裕ができる。
 ビバーク地は心地よい風が吹いている。昨晩はシュラフにもぐりこみ、ファスナーをあげた記憶がないくらい即寝深寝(こんな言葉あるのか?)。でも体はまだ火照っている。その体を冷やすには、ちょうどいい風。
 朝になってから2名のエントラントがもどってきていた。
 まったりと朝食をとっていると、ユキさんに、「鵜澤さん、元気そうで良かった」と声をかけられる。
ということは、昨晩は相当悲惨そうだったのか? 八尋さんが残念ながらリタイヤしたことを聞く。本人もすぐにきて、明るく、いつもどおりなのでホッとする。ただ、顔のキズと腫れが痛々しい。
 そこへスタート時間を11:00にすると発表がはいる。3名のエントラントが現在、ビバークへ向かっているので、スタートを遅らせ、待ってあげようとの山田徹さんの計らい。そう、スタート時間までにもどればリタイヤではない。

 

  スタートまで3時間以上ある。昨晩出来なかった整備ができる。エアークリーナーの埃をコンプレッサーで吹き飛ばす。乾式の為、チョー楽。しかも工具いらず。問題はマップケース。度重なる転倒で、電動が手動になっている。おそらくスイッチ部分が砂を噛んでしまったのだろう。チェックすると予想どおり砂だらけ。その砂がスイッチの接点を削ってしまい、使い物にならない。まあ手動でも全く問題ないので、気にしない事に。
その他は、HPN製のハンドガードを取り付ける部品がなくなり、仕方なくガムテープでグルグル巻きにし固定する。ハンドガードの役目を果たさないし、見た目も悪いが、まあいいや。ただ、値段が気になる。
 一番の問題はエアーポンプをどうするかのはずだが、2日間で3回もパンクしていながら、まだパンクについて深刻に考えていなかった。「ハイエナみたいだな」と思いながら、八尋さんにエアーポンプとチューブを借りる。その際、八尋さんは携帯ポンプとブリヂストン製の大きな物(中腰で上から両手でいれる定番の形)をもっていて、携帯ポンプは何とか空気は入るものの、壊れていると聞かされたのに、「もうパンクはしないだろう。荷物になるし、小さいほうでいいや。」と気楽に考えていた。

 

 スタートまで、まだ時間はかなりある。テントの影に横になり、体を休める。ほとんどのエントラントがそうしている。すると、スタートをもう1時間遅らせ、12:00スタートにし、10:30までに残り3人が戻ればこの日もスタート出来る様にすると発表があった。すぐに#64KTM400伊藤さんが戻ってきた。続いて、#7XR400深草さん(女性)が到着。2人とも、すぐにETAP−3のコマ図に巻き換え、簡単な整備をすると日陰に入り、休んでいる。その間、声をかけるタイミングがない程、集中している。スキが無いというか、殺気さえ感じる。想像以上に、絶対に大変だったはずなのにクール。私はといえば、難所のたびに大騒ぎ。この2名を見て、そんな自分が大いに恥ずかしく思えた。
 あと1名は誰だろう?と思っていたが、#45XR−BAJA植木さんから、#44KTMアドベンチャー小林さんが戻っていない事を聞かされる。「エッー・・・・?!」 小林さんは、3月に田中隊長、私の3人でツーリングへ行った際、「鵜澤ちゃん、モンゴルいこうよ。最後だよ。悔い残っちゃうよ。ついでに俺のXR400買わない?」と、最初に気持ちを揺るがしてくれた人。(モンゴルに出ようと決意したのはツールド・ニッポンの時でしたが、意識したのは、この時でした) その日、羽生市の某所のサンドの登りをデューンにみたてて、なんどもアタックしていた小林さんの姿を思いだした。
 10:30まで残り15分くらいに小林さんが戻ってきた。相当な高さのデューンの頂上にマシンがオブジェのように、突き刺さっていたらしい。小林さんには声をかけずにはいられず、「おつかれさまです」とひと言だけ言うと、「○△×、□§*☆!?」と返事がかえってきた。(何を言っているかわかりませんでした。今だから笑えますが、この時は正直言って、少しひきました。スミマセン) メチャクチャ、ハイテンション。
 小林さんのマシンはあちこち砂を噛んでしまい、かなり調子が悪いらしい。ここで菅原さんのメカニックとして参加していたカイザーさんが、「30分でマシンを直す」と言って、作業に取り掛かった。このカイザーさんはKTMのパリダカワークスメカニックだった方で、素人の私が言うのもなんですが、テキパキとした身のこなし、手際の良さ、確実さ、どれをとっても芸術といえるものでした。約束とおり30分で終了。

 

 そんなこんなで、スタート。12:00スタートといっても、310kmのループコース。日没までは10時間くらいあるので、気持ちにゆとりがある。平均速度50km/hでも6時間で戻ってこれる。ブリーフィングの時、
「今日は、標高の高い平原を走り、またここへ戻るルートです。」と、山田徹さんから話があった。
 スタートから、20km付近の村へさしかかる。またまた、子供たちに聞く作戦(だからいつまでたっても成長しない)で難なくクリアし、右往左往している何人かをパス。間違った方向へ走っているエントラントもいる。
 しばらくは、サンド質のピストを往く。「もうサンドは勘弁してくれよ」そんな情けない気持ちで走行を続ける。そのうち前方に山々が見えてくる。やがてその山へと突入。相変わらずのサンドに、大きな岩がゴロゴロ。しかも登りのピスト。砂にハンドルをとられ、岩にガツンとヒットし、ストップ。再スタートするにも、サンドの登りでは、スピードに乗せる事が出来ない。実力を露呈するには充分過ぎる路面だ。まあ、先を競うには、タイム差も順位も昨日で大きく開いているので、ミスコースだけは気をつけようと思い始めると、自分なりにうまく走れる。(リラックス) 

 

 砂がなくなり、山岳路になる。日本の林道とは違う。木が全く無い。そして、すべてが急角度の逆バンク。というのは、ピストは日本の林道のように、山を切り開き、傾斜がきつくならない様に斜めにクネクネと徐々に上がったり下がったりするのではなく、山の稜線にそって、ほぼ直線的に山を越えていく。よってガケの底が、走行しているピストの真下に見えたり、急な下りでまるでトライアルの様な感じになったりしながら、進む。
 ようやく山を越えると、大平原になる。緑の草原の中に1本のピストがくっきりと、遠くに見える山まで続いている。久しぶりのハイスピードクルージング。やっぱりGSには、これが1番よく似合う。
 
草原の中のピストを走行していると、ビッグホーン(4輪)が止まっている。パンクだろうか?手で大丈夫だと合図してくれたので、横を通り過ぎる。また山の中へ突入。ノドが渇きはじめたし、気分転換のためにキャメルバッグから水を吸うが出てこない。「んっ?・・・」 手を背中にまわし、キャメルバッグを触るとグローブが濡れる。標高の高い所なので、それ程の暑さではないので、確認はCP−1でする事にする。
 今度の山岳コースは、アップダウンあり、小さな川渡りあり、景色も良く、楽しい。ただ、薄いピストが多く、ナビゲーションは難しいのか、間違った方向への轍が多い。自分自身を信じ、我が道を往く。
 山を下っていると、前方に村が見える。CP−1は村の手前。CP−1へ近ずくと、オフィシャルのヘリが見えてくる。そして、村のすぐそばの為、村人がたくさんいる。ヘリの周りにも人だかり。今までのCPはオフィシャルのみだったが、ここは随分にぎやかなCPだ。CP−1(115km地点)到着。

 

 CP−1でキャメルバッグを確認するつもりだったが、村人に囲まれるのが嫌なので、村を離れてからストップし、背中のキャメルバッグを確認すると、なんと!水が入っていない。撒き散らしていたということか?
当然軽くなっているのに、全く気が付かなかった。このキャメルバッグも購入後11年が過ぎている。ホースの付け根がパックリ割れている。経年劣化が原因だろう。ホースは元々は透明だが、かなり変色している。
「なんでだよ!こんな時によ」とまたもや怒るが、自分のミス。(とはいえ、簡単に切り替えが出来るほど、まだ人間ができてません)ここでストップしている間に、#26F650ダカール三ヶ尻さん、ユキさんにパスされるが、「2人ともスタートは自分より20番以上前だよな。ミスコースしたんだ。ということは他にもいるだろうし、少し順位が上がっているだろう」と思うと、俄然気持ちが盛り上がった。(イヤな奴です)
 コースは再び、南へ向かう。また暑くなりノドが渇くだろうが、まだ500mlのジュースがあるから、残り190kmは大丈夫だろうと、再スタート。

 

 しばらくは幹線道路を行く。当然、舗装ではないが、ピストではなく道路と言っていい。やっぱり道路となれば、走り易い。またここでも、ワイドオープン。途中、菅原さんのパイロットが、パンクのようで、ストップしていた。菅原さんは、煙草をふかし、こちらに手を振ってくれる。
 ここで、馬場さんにパスされる。あまりスピード差がないので、少しスロットルをあけ、再度抜こうとしたが、モンゴルに来る前に、よしともさん(MX国際A級、モンゴル、オーストラリアン・サファリ等多数出場)が、「ラリーは人と競っちゃダメですよ」と、アドバイスをくれた事を思い出し、マイペース。

 

 そろそろ、幹線道路から、再びにピストに入るポイントが近づく。コマ図に、“IMP”マーク(ここは重要なポイント)がある。左斜め後方に折り返す様に(時計でいうと6時35分を針が指す角度)進路を変えるが、三ヶ尻さん、ユキさんは、通り過ぎたようで戻ってくる。馬場さんはこのポイントは間違えなかったようだが、不安だったのか、止まっている。そこで馬場さんをパス。やはり、よしともさんの言うとおりだ。ここで、OHV2台、F650.2台、計4台のGSで走行することになる。しかもその先頭を行く。そんなシュチエーションに酔っていると、“あ”っという間に3台にパスされる。4台の中で最後方をマイペースで走行。マイペースだがノドの渇きとは闘っている。気温は走行風があたっている腕時計でも、41℃を表示。乾燥している事と、走行風でリップクリームもすぐ乾く。キャメルバッグのありがたみを大きく感じる。500mlのペットボトルにジュースが入っているとはいえ、止まって(ほんの少しのストップでも、ラリーは基本的にハイスピードの為、前を走行している人の姿が、アッという間に地平線の彼方に見えなくなります。そうすると、未熟な私にとっては、かなり遅れをとっている気分になり、それが焦りに繋がります)飲む気には到底なれず、余計に渇きを増大させている。早くCP−2にたどり着き、ついでに水分をとりたい。

 

 CP−2まであと7,8kmのポイントで左に進路をとる事にコマ図ではなっているが、少し早めに先頭の三ヶ尻さんが、左に進路をとる。「あれっ」と思ったが、そこにピストもあるし、GPSの指す方向もあっている。
ユキさん、馬場さんもそれに続く。私は、「昨日同様、これは集団ミスコースになるんじゃ?」と思いつつも、昨日同様に、「ま、いいか」で付いていく。(学習能力ナシ)
 少し行くと、谷の中へ入り込み、路面も大きな砂利とサンドの登りになる。
「カレ川じゃん。さっきのはピストじゃなかったんだ!」  サンドの登りの為、止まりたくないので、ふられるハンドルを押さえ込みパワーバンドを維持するGS3台を後ろから見ていて、「こうなったらもういいや」という気分になり、ヤケクソで追う。(絶対に、マネしないでください)
 すると不思議な事に丘の上にあるCP−2(187km地点)へ到着。しかも、コマ図の距離と、距離メーターが、ミスコースしたのに合っている。オフィシャルから、「一体、どこから来たんですか?」と聞かれるまで、自分以外の3人は、オンコースと信じきっていたとの事。(ラッキーにもクラックや穴がなかった。しかも距離が合っているなんて。それよりもミスコースと思いながら、ついていく自分を何とかしなければ・・・・) 
 三ヶ尻さん、ユキさんは、スタンプを押してもらい、速攻スタート。馬場さんは、水分とともに、塩分補給。私はなにはなくとも水分補給。ノドが渇ききる前に少しづつ、補給していればそれ程、水が飲みたいと思わないが、1度そうなってしまうと、飲んでも飲んでも体が水分を欲する。500mlしかないジュース。残り距離やトラブルを想定し、残しておかなければならないが、どうしても我慢できずに、2口程残っているだけ。

 

 CP−2後は、ハイスピードフラットダート。残り130km。まだ17:00。日暮れまで、5時間。今日は、明るいうちに戻れ、しかも整備まで出来そうだと思いながら、相変わらず暑いが、気持ちよく草原を地平線目指して走る。大体、80km〜90kmにスピードを保ち、時折100kmオーバー。風の音とフラットツインの回る音しか聞こえない。排気音さえ、後方に置きざりにしている感覚。なんとも表現し難い、夢気分。
♪なんにもない、なんにもない全くなんにもない。(中略)〜なんにもない大地にただ風が吹いてた♪
{アニメ「はじめ人間ギャートルズ」の副主題歌。唄、かまやつひろし}
「もしかすると、この歌ここでつくったのか?」などと、鼻歌気分のクルージング。  しかし!!

 

 「あれっ・・・また?!。でもリム打ちしてねーぞ。なんでだよ!くそったれ」またもやフロントパンク。
「3日間で4回目かよ、ゴールするまで一体何回パンクするんだ?神様は俺を完走させないようにしているんじゃねえのか?」と、口走ったが、今回は冷静。オンコースである事、残り距離が50kmで、時刻18:15。
最悪2時間ここにいても、明るいうちに戻れる事を思うと、「まだ3日目なのに、日本では考えられない、いろんな事が起きて、いい経験だ」というくらいの精神状態だった。心配なのは暑さと水分量。だが、水はあとから通過する人に少しずつ分けて貰う事にする。マシンで日陰をつくり、その小さな影で作業する様にする。
 一番はじめに馬場さんが来たので、水をわけてもらう。CP−2を私より前に出たがミスコースしたとの事。次に菅原さんが来たが、さすがに菅原御大を留めるには気がひけるので、手で“大丈夫”の合図を送る。
作業中、エントラントが通過するたびに、ずうずうしいなと思いながらも水をわけてもらい、500mlのペットボトルを満たすことが出来た。順位は今日はいいところにいたが、それはもうどうでもいい。
 ところで、今回のパンクの原因は、昨日、チューブの穴をパッチで貼ったが、それが剥がれていた。気温が高く、ハイスピードの為、チューブ自体が熱を持ち、接着剤がとれてしまうと、モンゴル経験者から聞いていたが、まさしくそれである。ここでそのチューブを切り開き、八尋さんから借りた新品チューブと2枚重ねにする。ヘビーチュ−ブ2枚重ねなら、もうリム打ちも大丈夫だろう。
 タイヤにチューブを入れ終り、八尋さんから借りたエアーポンプで空気を入れるが、壊れている為、なかなか圧があがらない。今更あの時なんでこちらを借りたのか悔いる事になる。全てが自分の責任。またまたここで、他人だよりのズルい考えをする。通過する人に借りようと考える。誰か来るまで、少しずつでも空気を入れておこうとするが、こういう時に限って通過する人がなかなか来ない。1時間位誰も来ない。空気圧は、まだ0.6kg/cu。もう1時間入れ続けても単純計算で1.2kg/cu。それでもGSにとっては空気圧は足りない。だんだん不安になる。「もう何人かいるはずだよな、それとも今最下位か?」
 そんな時、バイクの音が聞こえてくる。少しすると姿も見えてくる。植木さんだ。申し訳ないと思いながらも止まってもらい、エアーポンプを貸してもらう。全く嫌な顔をせず、
「先にいくので、使い終わったら、もって来てくれればいいですよ。もしパンクしたら鵜澤さんを待ちますから」
と、OKしてくれる。(大感謝) 植木さんの話だと、おそらくうしろはあと2人だろうとの事。

 

 植木さんが去った直後に2台が通過した。その後しばらくエントラントは来ない。やっと作業が終わったが、結局、2時間以上かかり、やっと出発。すっかり日が傾いているが、ギリギリ日暮れ前にゴール出来そうだ。
おそらく最下位。パンクするまで、あんなに気分よく走っていたピストが全く別の所に思える。明るいうちにビバークに戻る事だけを考えているつもりが、「もうほとんどの人が、メシ食ってんだろなあ。」などと、思いながらの走行。そのうち、マップケースの取り付けステー付近から、ガタガタと音がして、マップケースが大きく振動する。「やっぱり、ダメだったか」 仕方なく止まり、チェック。 ツールド・ニッポンの時に自分自身で作製したマップケースの取り付けステーに亀裂が入っている。(一難去って、また一難・・・泣) 
 3ミリ厚のアルミ板を加工し、折り曲げた箇所を補強していたが、全く、手を加えていない真っ平らな部分に亀裂。想像以上に各部にストレスを与える振動のようだ。ラリー前から、このステーはもたないだろうと予想していたので、予備として違うタイプのステーを準備していた。(だったら初めから、それにしろよと突っ込まなないでください)ただ、そのステーはビバークにある。完全に割れてしまったら、それこそ一大事なので、スピードを抑えて、亀裂状態を保たなければならない。ここで、明るいうちにゴールする事をあきらめる。

 

 せっかくのハイスピードコースなのに50Km〜60kmでの走行を強いられる。太陽が地平線に沈んでいくのをGSを走らせながら、見るのもオツなもんだ。なんて余裕はない。
 太陽は完全に沈んだ。目の前に湖が広がっているのが薄っすら見える。コマ図ではこの湖を迂回し、湖の反対側のピストに乗り、その後10km程度でビバークになっているが、そこまではCAP走行。完全に辺りは暗黒の世界になり、ピストが見つからない。下手をすると、湖に突っ込んでしまうのではと恐怖に襲われる。
しばらく右往左往していると、遠くに2灯式のヘッドライトが見える。藁をも掴む思いで、ヘッドライトを目指す。向こうもこちらのヘッドライトに向かっているようだ。ヘッドライトの主は#41XR600(バハライト)吉田さん。パンク修理している時にパスされたが、ここでミスコースし、迷っていたらしい。2人でオンコースを探す。1人だと、エラく心細かったが、俄然勇気が湧く。
 やっとオンコースらしきピストを探し、走行していると、ビバークの明かりが、前方に見える。昨日同様、「生き残った!あほったれが」とヘルメットの中で叫ぶ。灯りが見えるだけでこんなにホッとする事ができるなんて。
吉田さんにつづき、ゲートをくぐる。今日も馬場さんが迎えてくれる。「よく帰って来た。明日もいける」と、声をかけてくれ、いつもとおりの固い握手。時刻22:40。
 ほとんどのエントラントが、デューンに沈んでゆく夕陽をみながらの食事だったらしい。羨ましい限り。この日310kmのSSでトップと5時間30分も差があった。マシン整備も、大多数のエントラントがすでに終わって、昨日より時間はかなり早いが、静かなビバーク地。食事を済ませ、早速マシン整備に取り掛かる。
 先ずは、振動により球切れしたダストランプの電球交換、破損したGPSホルダーの修復、そしてマップホルダーの取り付けステーの交換。エアークリーナーの掃除、クラッチワイヤー注油で作業終了。マグライトとヘッドランプの灯りが頼りだった為、思った以上に時間がかかり、2時になってしまう。周りには3,4人のメカニックが作業しているだけ。「でも明日は10:00スタートだから、ゆっくり寝れるな」なんて思いながら、掲示板を見に行くと、日本からの応援メッセージが貼られていた。バカミーの田中章史さん、北海道の山口さん、GSクラブの澤田さんはじめ、みんなからのメッセージがこれほど励みになるとは、正直思ってもいませんでした。(明日への活力です)

 

 それにしても毎日、自分で作製したり、取り付けたものがよく壊れます。明日は何が壊れるのでしょうか?

お休みなさい。

 

SS順位 57位
総合リザルト 50位(58台中)
リタイヤ 計21台

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