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風と光のうた
メンバー
終わりに
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アンサンブル・アメデオ 第3回サマーコンサート パンフレットより
Ensemble Amedeo The 3rd Summer Concert
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1997年7月21日(月)
於:ティアラこうとう
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「風と光のうた」(夏の音楽会テーマに寄せて)
さわやかな風が踏み抜けた。たちまち木々もざわめき、花や鳥たちは、にぎやかなお喋りをはじめる。陽ざしは、思いのほか強く、光と陰の境界は、くっきりと縁どられた。
夏の昼下がり。
瞳を閉じて、ゆったりと流れる時間を、体いっぱいで感じてみよう。やがて、瞳の向こうに、小さい家が見えてくる。見たこともない風景なのに、懐かしさが込み上げてくる。2階にかけ上がる。
海だ。
耳を澄ましてみよう。どこかで聞いたことのある調べだ。思いきって飛び降りてみよう。はかり知れない奈落の谷底めがけて、ひたすら墜ちていく。
やがて、いっぱいに広げた両手に、ひゅうひゅうと、物凄い音をたてながら、風の手応えが感じ取れるようになる。水平線ぎりぎりのところで、上昇気流を捉えた。全身に稲妻が走った。その瞬間に大空が舞い上がる。
僕は鳥になった。
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