6月25日 「災い転じて・・・」
ここ2週間はとてもめまぐるしかった。順を追って、少し振り返ってみたい。
調査地が草刈りで壊滅状態になって、ふぬけたようになってしまった2日後、K先生からTELがあった。
「どう?調子は。」
「ダメです。草刈りで巣が全滅です。」
「えー!!!(しばし絶句) ・・・河川の管轄は建設省だろ? どうせ秋にも草刈りするんだろうから、すぐに問い合わせて、秋の草刈りの延期を頼んでみたら? カヤネズミだって草刈りされても必死に生きてるんだからね。君も必死になんなきゃ、ダメだよ。」
これで気合いが入った。早速、教えて貰った管轄先の淀川工事事務所に電話し、担当者に直接会って話をする約束を取り付けた。
これと平行して、新規調査地を見つけなければならなかった。幸い、この問題はすぐに片づいた。いくつかの調査地のストックの中で、春にはほとんど巣が見つからなくて捨てていた場所で、たくさんの球状巣を発見したのだ。おまけに、自宅からごく近いので、頻繁にチェックしに行けるのも強みだ。
ところで、当日の交渉には、強力な助っ人がついた。K先生の奥さんで、知る人ぞしる、野生動物保全活動のエキスパートである。役所がらみの交渉は初めてだったが、K夫人の後押しもあり、最終的に「学校からの正式な申入書を貰えれば、草刈りの時期の変更を検討します」という言質を得た。ついでに、新規調査地として目星をつけておいた場所の使用許可も取り付けた。
後日、必要書類を提出し、今日、新規調査地の正式な使用許可の連絡を受けた。草刈り時期の変更についてはまだ検討中とのことだったが、ひとまず大手を振って調査できる場所を得たのはとてもありがたかった。
当分は、この新しい調査地で頑張ろうと思う。