11月11日 北限調査再び(前編)
JR北陸本線から信越線を乗り継いで駅のホームに降り立ったのは、10月26日の夜だった。
背中に担いだザックを心もちゆすって担ぎ直しながら、既に心は明日の調査に向いていた。
カヤネズミの生息北限調査のために、2年ぶりに新潟にやってきたのだ。
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話は一旦今年の春にさかのぼる。
2年前の北限調査(*1)参加者で、全国カヤネズミ・ネットワーク会員でもあるFさんから「新潟県分水町でカヤネズミ確認、生息北限更新(*2)」の一報が入った。国土交通省信濃川工事事務所が河川水辺の国勢調査で発見したとのこと。
カヤネズミの日本海側の分布北限(確認地点)は、これまで新潟県寺泊町だった。信濃川工事事務所の発見は、1995年の報告以来、7年ぶりの北限更新になる。非常に大きな発見だが、しかしFさんからこの報告を受けた時、私はさほど驚きを感じなかった。2年前の北限調査で、今回確認された分水町よりもさらに北の地域で「昔カヤネズミの巣を見た」との情報を得ていたからだ。
「やはり、そうか」という思いと同時に、2年前に私が得た情報の裏付けをしたい、なにより、前回果たせなかった「生息分布北限の更新」をしたいという気持ちが段々とわき上がり、強くなった。
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今回の「カヤネズミ北限調査プロジェクト」はカヤネットと新潟県ビオトープ管理士会との合同調査の形で行われることになった。カヤネットからの参加メンバーは以下の方々である。
2年前の北限調査参加者のFさん(調査隊長/カヤニスト見習い)とYさん(カヤニスト見習い)、私(カヤニスト)、そして、ダンナ(冷やかし担当部長)と入れ替わりに新メンバーのSさん(名誉カヤニスト)。実はSさんは新潟県のカヤネズミの生息北限を確認した方で、国内のカヤネズミの分布を論じる上で、この人の論文抜きには語れない。
・・・という訳で、何とも濃い(笑)メンツがそろってしまった。もしさらなる北の地にカヤネズミがいるのなら、必ず見つかるはず、いやさ、見つけてみせる。
カヤネズミは、果たして分水町よりもまだ北に生息しているのか、否か。
さて、結果はいかに!?
つづく。
*1 北限調査紀行Part4(完結編)
*2 全国カヤマップの「新潟県」参照。