ムラサメソード

 ビッグボルフォッグの近接格闘戦用装備。本来はガングルー・ヘリ形態時のメインローターである。GGGの技術の粋を集めた金属精錬鍛技術によって、古来その切れ味を恐れられた日本刀にも匹敵する鋭利さを備えている。構成素材は機動部隊の装甲材にも用いられているスーパーG装甲であるが、ローター機能によって四枚の刃を回転させることができ、その速度と遠心力、更にはビッグボルフォッグの機動性とあいまって、極めて高い攻撃力を誇る。またビッグボルフォッグの特殊装備である内蔵ミラーコーティングによってミラー粒子を刀身に蒸着させることができ、これにより更なる鋭利さを得、また優れた耐弾性能を持つ盾としても活用することができる。まさに攻防一体の武装と言うことができるだろう。
 銘は18世紀の日本の戯作者、滝沢馬琴の著書『南総里見八犬伝』に登場する八犬士のひとり、犬塚信乃(いぬづか しの)の帯刀による。本来「ムラサメ」とは漢字で「群雨」と表記し、その名の通り断続的に雨脚の強さが変わる雨のことを指す。強い雨と弱い雨が群がって降ることから「群雨」、この音を転じて「叢雨(むらさめ)」→「村雨(むらさめ)」と呼ばれるようになった。
 犬塚信乃の帯刀『村雨』は雨の名を冠するとおり、常に刃に水をたたえており、抜刀すると水の飛沫が飛び散り、えもいわれぬ美しさをかもし出すと言う。その切れ味は水による摩擦係数の低下も手伝って、非常に優れているとされ、また水にコーティングされた刀身には血糊も付かないため、半永久的にその切れ味を保つ事ができるとされた。
 ビッグボルフォッグもこのムラサメソードを用いて攻撃、防御の両面において多大な戦果を挙げている。後にビッグボルフォッグへのウルテクエンジン搭載とそれに伴う各種装備の改装によって、その材質をゴルディーマーグの装甲材となったウルトラG装甲へと交換して攻撃力が向上し、名称もムラサメブレードへと変更された。