ヒッグス粒子は、1983年加速器を使用した「電弱統一理論」の検証実験の結果からイギリスの物理学者・ヒッグスが提案したもので、すべての素粒子に質量を与える性質を持つといわれている。
全ての物質はクォークとレプトンから成っている。これらの物質粒子間に相互作用として働く力は「強い相互作用」、「電磁相互作用」、「弱い相互作用」および「重力」の4種類があり、これらの力を伝える媒介粒子、即ちゲージ粒子として、8種のグルーオン(強い力)、光子(電磁力)、3種のウィークボゾン
W+、W-、Z(弱い力)がある。粒子間に力が働くためには粒子がそれに対応したカラー(強い力)、電気(電磁気力)、ウィーク電荷(弱い力)とよばれる「電荷」を持っているからである。
中でも弱い相互作用を媒介するゲージ粒子であるウィークボゾンはこの「電弱統一理論」でその存在が予言され、1983年の実験で実際に発見されている。しかし、電磁相互作用を媒介するゲージ粒子、光子には質量がないにもかかわらず、ウィークボゾンには質量が存在していた。そこで、両者の質量の有無につじつまを合わせ、電磁相互作用と弱い相互作用を電弱相互作用に統一する存在としてヒッグス粒子が提言されたのである。
標準理論によれば、ビッグバン直後には、全ての素粒子が、何の抵抗を受けることもなく真空中を自由に運動できていたと考えられている。つまり、全ての素粒子に質量がなかったのである。しかし、ビッグバンから、10〜13秒過ぎたころに、真空の相転移が起こり、真空がヒッグス粒子の場で満たされると(これはちょうど水蒸気が冷えて、液化して水になる状況に例えられる)、クォークやレプトンはヒッグス場と反応し、ヒッグス場によるブレーキを受けることになる。これによって質量のある粒子と同じふるまいをするようになった。宇宙が冷えてゆくとともに真空はヒッグス粒子の海になってしまったのである。ただし光はヒッグス場とは反応しないので光速で飛ぶことができ、質量も持たない。
ヒッグス粒子は質量のない粒子と相互作用を生じ、質量を与える粒子と定義されている。ただ、ヒッグス粒子は現在の標準理論の根底となり、その有効性も多くの検証を受けてほぼ確立しているものの、発見はされていない。
平田博士の重力制御理論はヒッグス粒子に何らかの形で干渉し、あらゆる物質の質量を変化させることを可能にしている。重力は質量に比例するため、質量を変化させることが出来れば重力も同時に変化する。つまり、質量のない粒子に質量を与える粒子であるヒッグス粒子に何らかの形で干渉することで、重力を変化させ、制御するのである。