ハッキング触手

 悪の国際犯罪組織、バイオネットが造り上げた巨大ATギガテスク・ドゥの主要装備にして切り札。ギガテスク・ドゥはその名の通り、パリ破壊作戦で猛威を振るったGギガテスクの残したデータを基に建造されているが、圧倒的なパワーを駆使した破壊活動を目的としたGギガテスクとは異なり、鎮圧活動に出動してくるであろうGGG機動部隊を拿捕する目的で造られている。ハッキング触手はその名の通り、強引に侵入してインターフェイスを接続し、ソフトのレベルでメカノイド、あるいはビークルロボを無力化する、いわば「自律稼動するUSBコード」である。有機的に連動するこれを無数に内蔵したギガテスク・ドゥは、物理的な接近状態にあるAIにこのハッキング触手を片端から接続して制圧下に置き、無力化した後捕獲するのである。この時、無数の触手は機体を捕縛するワイヤーとしての役割も果たす。
 つまりGギガテスクをそのまま踏襲したような重装甲ATは外装およびキャリアーにしか過ぎず、このハッキング触手こそがギガテスク・ドゥの本体と言えよう。その証拠にハッキング触手はギガテスク・ドゥの外部装甲、および主要内骨格とは完全に独立しており、それらが完全に破壊されたとしてもハッキング触手の運用には支障がない設計になっている。
 ドイツ・ドルトムントでの戦闘において、戦線復帰したばかりのガオガイガーに対し使用され、当初の意図どおりその機能の大半を奪う事には成功したが、エヴォリュダーとなったガイのカウンターハッキングによって逆にソフトを制圧され、無力化した後に完膚なきまでに破壊された。侵食対象に直接接続するという方法は、確かに情報攻撃の手段としては有効であるが、それは逆に相手側からの侵攻も容易にしてしまう、諸刃の剣でもあるのだ。