パルパレーパ・プラスが有する特殊機能。背面に装備された六本の注射器状ユニット・シリンダータイプカーベターから特殊なナノマシンを機体内に注入することで主発動機となっているラウドGストーンが持つポテンシャルを解放し、機体性能を格段に向上させることが可能となる。換言すればこれはGGGが用いた弾丸Xに近い性質を持っているのである。これにより機体の形状も若干変化を加え、パルパレーパ・プラジュナーと呼ばれるようになる。パルパレーパ・プラスが化学物質の合成・散布を主目的とした戦略兵器的側面を持つのに対し、パルパレーパ・プラズナーは戦術局面における最大戦闘能力の追求、すなわち対メカノイド戦闘に特化した戦闘機能を有すると思われる。
戦術、戦略両面における優れた応用範囲を持つ諸機能と、それらに加えブースターをも一体化したパルパレーパ・プラスは単独兵器として三重連太陽系内でも最上級の存在と言えるだろう。
ただし、注入された化学物質はこれにフュージョンするパルパレーパ自身の精神と肉体にも影響を及ぼす為多用することはできず、また一定時間内に中和作業が行われ無い限り、弾丸Xと同じく無尽蔵にラウドGストーンのエネルギィ放出が続いてしまい、最終的には全てのエネルギィを放出して全機能が停止すると考えられる。複製地球の東京でジェネシック・ガオガイガーと交戦した際は、しかしこうした負担やリスクについては、一切考慮されなかった。これはピサ・ソールによる物質復元装置による復元・再生がなされるためであり、パルパレーパが激痛と負荷に苦しみ精神を破壊されようと、ラウドGストーンがその輝きを失おうと、事実上無限に行われる復元・再生のサイクルの中にあっては、無視できるものとされたのである。一見、過酷な戦略であるように思われるが、本来「天敵」であり、通常では勝利するのは至難とされるジェネシック・ガオガイガーとの戦いに臨むパルパレーパの、彼なりの戦士としての不退転と必勝の決意と見るべきだろう。傲岸不遜なパルパレーパやパルス・アベルの態度に誤解してしまいがちではあるが、GGG、人類がそうであるように、ソール11遊星主もまた、自らの生存のため、己のすべてを賭けて戦いに挑んでいるのだ。