ともあれ、そんな訳で(どんな訳だ?)Wカップが始まったのである。
バイロム社のバカヤローがクソッタレな半端な事しやがったためにチケットは入手出来なかったので
その代わりにエイヤっとスカパーチューナーを手に入れて、あ〜〜じゃない、こ〜〜じゃないと設置して本登録も無事終えて
元を取るため全部観るつもりの木村太亮である。
思えば12の年にサッカーを始めて、17の年に今はなき「イレブン」で仕事として絵を描き始め、
途中休みはあるものの、この道三十年の自称いまだにサッカー少年である。
ひょんなことから 少年サッカーのコーチになったが、子供達に良い副読本がなかったからと言って
児童小説に仕上げてしまうという暴挙も辞さないアヤシイ人間だから、もちろん試合の見方も偏見に満ちている。
さてさて全部見る事が出来るのか? だいたい、小学校の宿題もマトモに出せなかった人間が全試合の観戦記など書けるモノだろうか?
誰よりも本人が心配しつつ、観戦記はスタートするのであった。

原小キッズ ただいま連戦連敗中
理論社刊

5/31/開幕戦、フランスVSセネガル
フランス0-1 セネガル
そこに彼の姿はなかった。ジダンと言う1人の傑出したフットボールプレイヤーの姿が・・・。それがこのゲームの全てであったのかも知れない。フランスの選手たちに落着きがなかった訳ではないと思う。無論、平常心ではなかったのだろうが、むしろ彼等は、この試合を単なる通過点の消化試合と考えていたのではなかろうか?彼等が本当の実力を発揮するのはもっと先の試合であると考えて、コンディション調整をしてきたのではなかろうか?それに比べてセネガルの選手たちは、そのメンバーのほとんどがフランスリーグに所属している事もあり、フランスの戦術、個々の選手のくせに至るまで、充分に知悉していた。 その意味で、決して番狂せな結果ではなかったのかも知れない。こういうことがまま起きるのがワールドカップなのである。ちなみにゴールした後のあの不思議な踊りは、なかなか趣があっていい。少年サッカーの世界などでは、相手に失礼だと言う理由からガッツポーズなどを禁止しちゃっている所もあるのだが、ゴールの喜びを表現する事と、相手に対する畏敬の念は、まったく別の物だと理解すべきである。喜怒哀楽と言うものは、どの場面であっても表現すべきだし、特に少年、少女の時代には、喜ぶことも大事な事だと思うのは僕だけだろうか??
尚、一つだけフランスにとって不幸だなと思った事は、開会式典でピッチが荒れた状況になってしまった事である。彼等程のテクニックやスキルを持ったプレイヤーたちにとって、荒れたピッチには、すごく影響を受けてしまう。両チームに同条件じゃないかと言われるかも知れないが、それは戦術やプレースタイルによって影響の度合いは変わる。より多くの影響がフランスチームにあったのは、明白な事実である。 またその開会式典の内容もソルトレークオリンピックのそれとは格段にエンターテーメントの度合いとして見劣りした。これはしょうがないか?エンターテーメントに対する考え方の質や歴史観の違いかも知れない。
ところで、余談だが、この大会の始まる少し前にフランスでは大統領選があった。そこに極右勢力のルペンさんという、まあ過激な人が出ていたのであるが、彼の持論は「移民を認めない」という過激なものだったのね。それに対して、今回のWカップメンバーはチームとして反対の旗印を上げたんだ。無論、個人名ではなく、チームとしての声明なんだけれどさ、「私たちのチームを見て欲しい。これがつまり今のフランスそのものだ!」という声明なんだけれどさ、つまりね、今のフランスチームは、色んな国からの移民の二世、三世がほとんどなんだよ。そうした多民族を受け入れて来たフランスと言う国の自由と独自性がかくも素晴らしいチームを生んだのだよ。ちなみにこの日、フランスのデフェンスラインをコントロールしていたデサイーという選手は、セネガル出身の選手なのね。だから、この日に限って、フランス国歌を歌わなかった。試合が終わった時も複雑な表情をしていたのが印象深かったね。もちろん彼が手を抜いたりした訳ではないよ。たとえ、勝っていたとしても同じような表情をしていたんじゃないかと思うんだよね。

6/1/その1/アイルランドVSカメルーン
アイルランド1-1カメルーン
何かとお騒がせなカメルーンだったけれど、大体、決った時間に決った場所へ移動しなければいけないなんて常識は彼等には通用しない訳であって、けれども試合になれば、キチッと仕事をしてしまう。そんな証明をマザマザと見せつけられたゲーだった。エムボマも、さすがに年齢 の問題もあるし、かかとの問題もあるようで、ガンバで見せていたような、恐ろしく素早い動きと言うのはほとんど見せられなかったけれど、でも瞬間のスピードというものは、僕らの想像をはるかに超えていた。ただ、カメルーンをチームとして見ると、決して優れた組織を持ったチームではなく、むしろ個人個人の能力によって支えられているチームであった。その結果、後半になり、スタミナが切れて来たのか、アイルランドの組織に追い上げられて、結果引き分けになった。まあ、両チーム小手調べと言う所だったのだろうか?両チームにとって良い結果だろう。

6/1/その2/ウルグアイVSデンマーク
ウルグアイ1-2デンマーク
大会の始まる前に各チームの紹介などをつらつらと観ていたら、カミさんが「あたしはこのチーム応援しようっと。良い子ばっかりで、可愛いし・・・」などとのたまわっていたのがデンマークであった。GKのシュマイケルは、もういないが、たしかに組織も、若い良い選手も育って来ているようである。なんだか試合運びはちょっと固い感じがしたけれど、それは対戦相手がウルグアイだったからかもしれない。ウルグアイは、やはり個々の能力に長けているチームであるが、なんだかダルイ感じだった。湿気の問題だろうか?足が動いていない感じだ。途中、少し見飽きてしまった。

6/1/その3/ドイツVSサウジアラビア
ドイツ8-0サウジアラビア
正直に告白すると、この試合は前半しか観ていない。何故かと言うと、この日、少年サッカーのコーチをした僕は練習試合もこなして来て、さらにソフトボールもして来ていたので、日焼け疲れもあり、寝ちゃったのである。翌日、後半だけ再放送で観たけれど、ようするにサウジには、中盤でのプレスも作戦も細かい事は決っておらず、出たとこ勝負で戦ってしまった感じなんだろう。また、我が調布市でキャンプを張ったのであるが、つまりは体も日本の湿度の高さへの対応しておらず、結果、バテバテの状況を晒してしまい、彼等の得意とする作戦も技術も見せられずに0-8などという歴史的な惨敗で終わってしまった。ということなのだろう。ちなみにキャンプ誘致委員会の代表さんは、僕がネットデビューした時に契約していたプロバイダーの社長さんである。当初、ネットの設定などにも来てくれたとっても良い人なので、これ以上は言うまい。
サウジアラビア次の対戦は、かのカメルーンである。きっと今度は、際どい試合を見せてくれるだろう。でもなあ、予選突破はこのチームでは無理だと思うよ。

6/2/その1/アルゼンチンVSナイジェリア
アルゼンチン1-0ナイジェリア
この日は4試合なのである。もうこの時点で、かなり、お腹一杯な状況である。で、しかもこの試合はサッカークラブのコーチ会議があったので、実はこの日の最後に観たのであった。結論から言おう。アルゼンチンがかろうじて勝った。
そういうことだろう。ナイジェリアは強かった。尊敬に値すべきである。なんとかバティのゴールで鼻の差で逃げ切った感じだ。とにかく各国、湿気への対策をウェアメーカー任せにし過ぎじゃないか?日本の梅雨は、生まれて育った人間でもいやになるもんだぜ。まあ、とにかくアルゼンチンの勝ち点3は、拾い物であった。もうリーチだもんなあ。

6/2/その2/パラグアイVS南アフリカ
パラグアイ2-2南アフリカ
この試合にも、いなければいけない人物がいなかった。大統領を目指すキーパー、チラベルトである。さて、チラベルトがいたらこの試合はどうなっていただろうか?意外に同じ結果だったかも知れない。それでも彼は言うだろう。「私たちは素晴らしかった。けれども彼等もラッキーだった」と・・・。ウン、この試合、ジャッジに若干の疑問を残した。
パラグアイはイメージしていたよりもずっと組織に優れたチームであった。それにくらべると、南アフリカはトルシェが監督していた時の イメージとは、別のチームになっていた。いわゆるアフリカのチームである。足先二歩分位、扱える広さが違う。歩数、3歩くらいスピードが違う。この試合に関しては、ラッキーな勝ち点を拾った感じだが、南アフリカはひょっとすると、ひょっとする。ついているからねえ。まあ、決勝トーナメント進出という事にかけてだが・・・。場面場面では、そんな事を想像させる、チームであった。特に金髪の黒人選手が1人。この人のボール扱い、フェイントは、もうそれだけでかなりの御馳走であった。子供達よ、真似しなさい。あれだよ!アレ!!

6/2/その3/イングランドVSスウェーデン
イングランド1-1スウェーデン
この試合には、そこにいるべき人間が帰って来た感じ。もちろんベッカムである。サッカー巧くて、良い男で、カミさんきれいで、お城に住んじゃっている彼である。しかも1ヶ月で骨折を直しちゃうんだから、ウムムである。
しかしながら、この試合は、観ている方からすると、スウェーデンも素晴らしかったよ。むしろイングランドが引き分けてもらった感じか?特に守備をする時のスウェーデンの組織というのは、1974年のWカップの時のそれを思い起こさせるような、実に巧い追い込みをかけるものだと思いましたよ。いやはや、このグループ 大変な騒ぎだなあ。

6/2/その4/スペインVSスロベニア
スペイン3-1スロベニア
順当と言えば、それまでだけれど、スペインは強いよ。巧いよ。世界で最も個人のスキルの高いリーグが行われている国なだけあります。 場面場面観ていても、さほど俊敏には見えて来ないけれど、むしろモア〜〜〜〜って感じなんだけれど、いわゆる名人の剣のようだね。動きは緩慢に見えるのにボールは速く動いているんだもの。なんだかね、危なげがなさすぎて面白くない。でもどうなんでしょうかね?優勝する程の強さは感じられないのは、巧すぎるからか? イングランドVSスウェーデンの肉弾戦を観ちゃった後だからか、4試合目で疲れちゃっているからか、なんだかね、モア〜〜〜〜って感じでした。スロベニア?ん?正直言うと試合結果以上に実力差があったように思う。何でこのチームが、Wカップに出て来たんだろうか。チーム戦術と言うか、それ以前にチームがバラバラな気がした。きっとチーム内部に何か問題があるんだよきっと。

6/3/その1/クロアチアVSメキシコ
クロアチア0-1メキシコ
4年間というのは、かくも大きな意味を持つものなのか?フランス大会得点王スーケルにその面影はなかったよ。プロシネチキもね。クロアチアという国のチームにもあの素晴らしい固い、かつ華麗なサッカーは見られなかった。それに引き換え、メキシコの選手はクロアチアの選手の子供みたいな選手もいたりして、はね飛ばされたりしていたけれど、この試合は、メキシコの善戦と言うよりは、クロアチアの凡戦と言った方が良いんじゃないか?という内容でした。世代交代が全然出来ていない感じ。若い良い選手はいないのかなあ?見るべき所がない訳ではないんだけれど、後から思い出そうとしても、それほど強烈なイメージが残っていないと言うのはそういう事だと思います。それとね、次の試合がすごかったからだと言うのもあるんですけれどね。

6/3/その2/ブラジルVSトルコ
ブラジル2-1トルコ

逆にこの試合は、物凄く印象深いゲームだった。まず第一に荒れたゲームであったと言う事。その原因が、レフェリーの不出来にあるということ。この試合の主審はキムヨンジュさんという韓国の方だったんだけれど、まず、ポジショニングが悪い。判断基準がマチマチである。ゲームを読んでいない。落ち着かせる手段をもっていなかった。僕の持論だけれど、レフェリーは優れたコンダクターであるべきなのだ。けれども残念な事に彼にはその片鱗さえ見えなかった。彼はピッチの上に立つべき人間じゃない。観客席かTVの前にいるべき人間だと思った。レフェリーは公平、公正な判断者であるべきで、取締官にはなってはいけないのだ。
さて、もう一つはブラジルの一点目である。左サイド、リバウドから計ったような早いセンタリング、狭いスペースにもかかわらず、キーパーが前に出れない。そこに伸びて行く待望された一本の足。そう、ロナウドである。センタリング上げた人間も、それに合わせた人間も、お互いの意図を理解しきっていて、かつ15cm四方くらいの小さな穴にサッカーボールを通したような、作品的価値のある得点であった。試合そのものは、ブラジルが疑惑のPKで勝ちを収めたけれど、それは大した事じゃない気がしてしまった。
あのコンビのゴールシーンが見れただけで、スカパー買った甲斐があったと言っても良い。


6/3/その3/イタリアVSエクアドル
イタリア2-0エクアドル
またも良い男たちの登場だ。なんだかなあ。困ったなあ。でもたしかにネスタやデルピエロは、巧いし、好い男だもんなア。トッティは好みじゃないけれどね・・・。あっ、カンナバロも好いよ。試合結果程、この日の両チームに差はなかったように思う。と言うか、イタリアが、まだ本当の実力や戦う意気込みを見せてないと言う所か。この辺の戦いで消耗したくないもんねえ。みたいな戦いであった。それでも勝ってしまうし、無失点なのがスゴイよね。押さえる所は押さえて流す?そんな事が出来てしまうのは、やっぱり彼等が一流だからなのでしょう。ただ、少しだけ気になったのは、イタリアの強引な試合の運び方だろうか?完成度に欠けると言うか、マンネリと言うか、デフェンス陣にしても、たとえばネスタ、マルディーニ辺りがけがしちゃったら、物凄くバランスが悪くなるような・・・、そんな気がする午後10時25分であった。

6/4/その1/中国VSコスタリカ
中国0-2コスタリカ

中国の監督のミルチノビッチさんは、ちょっと昔の業界人みたいな髪型で、ウン?それは本人的に決っているのか?なんて考えてしまう人なのだけれど、その指導力や戦術には、かねてから定評のあるのは疑いのない事実なんですね。実際の話、引き受けたばかりの頃の中国チームと比べたらハッキリ言って別のチームに仕上がっていましたよ。ただ、本戦で戦い抜くには、少しばかり完成度がなかった。そういう事なんだろうと思います。それに比べて、普段から強豪国に挟まれ、四苦八苦しているコスタリカは、たとえ、そんなに出場経験がなくても、すでに本戦での戦い方のABCを知っていた。惜しいかな、ここで中国が勝っていたら、このグループも相当面白くなるのになあ。コスタリカの実力とトルコの実力はかなり拮抗しているのではなかろうか。この二チームに関しては最終戦までもつれ込むだろう。


6/4/その2/日本VSベルギー
日本2-2ベルギー

そんな訳で、ようやく日本の緒戦である。相手は欧州の強豪、国土は四国位の広さしかないにも関わらず、選手の体の大きさは、皆、日本の選手と比べて一回りも二回りもでかい(恐るべし、乳製品の大量摂取ってか?)しかも小ワザも使えるという、ベルジャンである。
日本はこの試合、中盤でボールを奪われて、カウンター攻撃をされるのが恐くて、バックラインからロングボールをぶち込むと言う作戦に出たけれど、それは実際の話、どうだったんでしょうかね?松田君のロングフィードは、ほとんどミスだったし、放り込んでも体格に優れたベルギーに押し返されていて、ほとんど蹴りあいに近い、前半だったと思う。
ベルギーの最初の得点は、ウィルモッツのオーバーヘッドキックで決められてしまったけれど、これは、ハッキリ言って松田のミスである。届かないヘッディングを試みるより、もう一歩後ろの位置でウィルモッツを視界の片隅に入れておけば、体を寄せるだけで防げたのではなかろうか?
日本のフラット3という戦術は、かなりリスクを背負った戦術な訳で、バックラインが常に相手と同じライン上にいなければならないから、こんなミスが出やすくなる。考えてみて欲しい。世界各国の長期の多数の試合をこなす、リーグ戦では、このシステム、戦術を導入しているチームはほとんどない。もう、勝つか負けるか、紙一重の短期決戦用、期間限定戦術なのだ。通常はそのリスクを減らすために、お互いに声の連携を取ったりする訳だけれど、あれだけの大観衆の中では、それもママならないだろう。
しかもオフサイドというルールはここ数年間で、細かいルール変更がたくさんあったルールなのである。ルールブックの上では、統一化されているものの、現場レベルでは、それぞれの審判の受け取り方が違うのも仕方のない事なのだ。さて自分達の明暗をそんな不安定な根拠で勝負していいのか?やはり素朴に疑問を持ってしまう。実際の話、他のルールについても審判個々で解釈が違う。それはしょうがないことなのだ。選手たちは試合が始まってから、その試合の主審、線審のくせを見抜かなければいけない。どこまでは流すのか。どのプレーに敏感に反応するのか。つまり足を上げたプレーには厳しいが、接触プレーはかなり流す。とか、線審を見るタイミングが遅いとか、そういう事である。柳沢はこの試合、果敢に勝負に行った場面もあったし、ポストプレイヤーとしては上出来だった。が、勝負に行った先で倒されたりする事を繰り返していた。これは明らかに主審のくせを見抜いていない証拠である。引っ掛けられても前に進む、足を延ばす。Jリーグと同じレベルで、上手な転び屋になっては、いけないのだ。

まあ、それはそれとして、得点された直後、鈴木があきらめずに前へ飛び出し、足先で同点にする。これは褒めて良い得点である。言わば、今まで中山が常に狙っていた形である。決して相手のデフェンスラインを崩した結果の得点ではないけれど、こういう風に時たまやって来るラッキーな得点チャンスをカッコが悪かろうが何だろうが決めてしまう決定力がとても大事なのだ。思えばこの試合、完全に相手を崩せた瞬間と言うのはとても少なかったと思う。たしかに中盤でのアタリは強いし、マークはキツイし、試合序盤の頃の中田がコーナー付近でぶっ飛ばされたプレーなんかは、イエロー覚悟で中田を壊しに来ていた感じがする。その中で小野、中田、稲本、戸田は、良くやっていたと思う。素晴らしい。
さて、試合に戻ろう。次の得点は、確かにベルギーデフェンス陣を崩した得点であった。イナモトの得点である。二人躱して、GKと1対1、ゴールも見える、GKも確認出来るだけの間があった。これは経験者だから言うのだが、これだけの恵まれた状況では、逆に入れられないものである。なぜか吸い込まれるようにGK正面にシュートしてしまうと言う事がチョクチョクあるのだ。でも決めた。確かに狙いすまして、そこに打てた。これは評価すべきである。2-1、リードである。
さてジャパンに暗雲が立ち込めたのは、この後 4分後である。森岡が壊れて退場、何かとお騒がせの宮本が代わりに入る。僕は宮本が下手なんだとは思っていない。ただこの若いセンターバックは、素直にトルシェの刷込みを受け過ぎている。「クリアしたらラインを上げる」どの場面でも、どの状況でもどの相手でも同じ事を繰り返している。ある意味、チーム戦術が体にしみ込んだ優秀な選手かも知れない。でも、少年サッカーでも徹底して言われる、回りを見る事、マークをはずさない事が、出来ていない所がある。森岡との違いは、そこである。チーム戦術とは別に自分の価値観が育っていない。森岡がトルシェとぶつかっていたのも、中田とトルシェが対立していたのもそこなのである。宮本には臨機応変の対応が足りない。むしろ彼はセンターでない方が良い。特に途中交代で入った場合、他の選手と同じモチュベーションまで、自分を持ち上げて行くのは、世界一流の選手でも大変な事なのだ。むしろ松田をセンターに宮本をサイドで使うべきではなかっただろうか?
ともあれ、不安は適中する。中途半端なクリアでラインを上げた裏を取られる。一斉に手を上げオフサイドをアピールする日本のバックライン。特に市川が逸早くアピールする。だけれどもその市川が残っていた。ここでも問題がある。アピールは良い。でもプレーを止めてはいけない。判断するのは選手ではない。特にボールサイドの選手は、万が一を考えて、プレーを続けるべきなのだ。バンデルヘイレンに決められて同点。その時、松田の口が宮本に向かって叫んでいた。声は聴こえなかったけれど、あきらかに「ダメジャ〜〜〜ン!マタカヨモウ!!!!」であった。また、このプレーの後、中田が宮本にかなり厳しい口調で何かを言っていた。宮本はそれを突き返していた。きっと中田は上に書いたような事を言っていたのだと思う。宮本はでも、今からではすぐに変われないよなあ。
そして、あのプレーがやってくる。後半41分、稲本のシュート&ゴールである。これには色んな解釈があるようだけれど、一つにはこの日のレフェリーが、足の裏を見せるプレーに対して厳しかったということである。だから2プレ−前の足でボールを押えに行った場面でファールを取られたんだと考えるのが正しいのではないか?今大会では、こう言った足の裏を見せて行くタックルや、シュミレーションプレー、シャツを引っ張るプレーなどが重点対象の反則として考えられているようだ。通常、あの程度はどの国でのリーグでも反則は取らないと思うが、あれだけの日本ファンのいるスタジアムで、公平公正に審判をしようと心掛けてしまったから起きてしまった不幸とも言える。あれだけ熱狂的、圧倒的な数のサポ−タ−に囲まれて、ミスジャッジなんかしたくてできるものじゃない。国によっては、ピッチになだれ込まれて、半殺しの目にあってしまうなんてのは日常茶飯事の出来事なのだから・・・。
さて、その後で、日本のPKまがいのを見のがしてくれたのは、日本のサポーターをなだめるには良かったけれど、あれは見のがしたのではない。ラインズマンは見のがしたのかも知れないが、スカパータクティカルチャンネルで確認すると、あのプレーは主審から完全に死角で起こったプレーなのである。主審はラインズマンを見たけれど、ラインズマンは知らん顔をしていた。つまりラインズマンが見のがしてくれたプレーなのであった。
ともあれ、負けなくて良かった。つまりはそういう試合であった。


6/4/その3/韓国VSポーランド
韓国2-0ポーランド

さて、共催国、お隣の韓国の登場である。ホンミョンボ、ハンソンホン、ユサンチョル、お馴染みの顔が並ぶ。韓国はプレマッチでは、あまり芳しくない成績だったけれども、僕はこの国のチームは買っている。結構可愛い子はいるしさ、闘争心みたいなものが前に出ているのが好きなのである。あれ?と思ったのはミョンボがチームリーダーなのかと思いきや、若手の選手に譲っているのね。フ〜〜〜ンである。
さて、試合が始まると、韓国は一気にプレスをかけて、前に出て行く、追い掛ける。試合全体を通して、韓国チームは非常に良い動きをしていた。戦術的にも精神的にも物凄く集中している感じだ。まあ、そうだよね、とにかくスタジアム中、真っ赤っかなんだもん。あれで半端なプレーしたら後で街歩けないもんねえ。選手のキムチも良く分かります。とにかく予想を上回る素晴らしい動きで、左サイドから低いライナーでアーリークロスが入り、それをハンソンホンがボレーで蹴り込む。僕ら世代には懐かしい、赤き血のイレブンに出て来たロケットシュートの様だった。
そもそもボレ−と言うのは決るとかっこいいけれど、なかなかタイミングを掴みにくいものなのだ。しかも後ろから来るボ−ルに合わせるのは至難のワザである。お見事!と思わず口を出てしまった。
得点後も韓国の集中力は変わらない。ミョンボを中心に組織的に守る。ウムム、やっぱりデフェンスの完成度(個人的なものか)は日本より韓国のほうが出来が良いなあ。
ポーランドはその昔、オリンピックのサッカー優勝常連国だった。もちろんプロが出れなかった時代の話だし、今は民主化されて、今回出場している選手のほとんどは他の国のチームで活躍している。ワールドカップだって、常連国だったのである。いわゆる老舗なのである。そのポーランドがほとんど手も足もでない状況を作り出してしまっている韓国。ウ〜〜ン、良いじゃない。さすが、ミラクルヒディング とでも言おうか。結局ユサンチョルが追加点を入れ、初めて勝ち点3を手中に収めた。スゴイヨ!韓国。ホメチャウゾ!僕。
ただね、韓国がここで勝ったと言う事は、このグループは荒れますよ。分析能力の桁外れに高いアメリカ、優勝候補のポルトガル、いずれにしてもこのブロックでは、勝ち点3は、最低限の保険くらいにしか意味を為さないのではなかろうか? ここまで見て来て、ウムム世界のサッカー界が明らかに変貌しているのを感じるよね。
かつて、日本に於いて、静岡、埼玉がサッカーの聖地の様だったのが、今や群雄割拠な状況になっていることと、似ているような気がする。元々、サッカーは世界の言葉な訳だし、そこに国境はない。どの国の選手も良いプレーをすれば、より強い良いチームで戦える。そして自国に戻った時にその経験を皆にフィードバックできる。その結果、さらに良い選手が育つ。というような連鎖が起きて、結果、世界中のレベルが拮抗して来つつあるように思うのであった。


6/5/その1/ロシアVSチェニジア
ロシア2-0チェニジア

さて、我がジャパンと同組の強豪ロシアとチェニジアの対戦である。おや、モストボイが出ていない。ウ〜〜〜ム、あれはフェイクではなかったのか。それにしてもタレント豊富な国である。特に日本人と代わり映えのしない体格ながらあなどれないスピードとテクニックを持つイズマイロフ。僕的な感想では、この試合で彼が一番目だった。彼が日本戦で最も脅威になると感じた。カルピンも素晴らしかった。ロシア全体を見た時に、野球で言う「速くて重いボール」というイメージを思い浮かべた。日本のサッカーは、野球で言えば、コントロールのいい、しかもそこそこの速球投手である。だが、残念ながら球質が軽い感じがする。それに比べて、ロシアはスピードこそ日本に及ばないものの、球質が重い。あえて、弱点を見つけるとすれば、彼らがベテランで年齢的にもかなり行っており、この試合の後半もバテバテだったこと。足が完全に止まっていた。もう一つはプライドの高い事。日本を侮ってくれれば、チャンスがあるかも知れない。さらにイズマイロフがこの試合で足を痛めた。次の日本戦、モストボイが出れないとすれば、彼ははずせないだろう。だが、90分間は、あまりにも厳しい。彼が外れると中盤を構成できるのは、カルピン一人。そうなるとロシアは単調な攻撃に終始するだろう。そうなれば、こっちの物なんだけれどなあ。
さて、チェニジアであるが、前評判程、弱くはない。決してカモなどではない。むしろ日本にとっては戦いにくい相手だと思われる。まず、個々の選手がボールを持てる。持って上がれる。しかも速い。戦術的にオフサイドを頼るジャパンの場合、最も恐れるべきは、ドリブルによる突破である。特に、日本のサイドバックが上がった後のスペースに入り込まれると、厄介である。
チェニジア侮るべからずである。願わくば、ジャパンは次のロシア戦に勝って、有利な立場で戦いたい。森岡出れるかなあ?


6/5/その2/アメリカVSポルトガル
アメリカ3-2ポルトガル

ハッキリ言って驚いた。こんなことがあっていいのか?世界ランキング5位。偉大なるフィーゴ率いるポルトガルが試合開始直後に点を入れられて、追加点を取られ、フィーゴを含め、ポルトガルの選手は、ほとんど動きを封じ込まれての負けである。アメリカは徹底的にポルトガルを研究し尽くしていた。どこでボールを取りに行くのか。誰が最もボールを奪いやすい相手なのか。どの選手はどんなフェイントを使い、どちらに抜いて行くのか。もう丸裸にされてしまっている様だった。アメリカの選手たちはそのデータを元にシンプルにかつ適確に素早く、淡々と試合をしていた。そう考えて行くと、これは番狂せとは言えないのかも知れない。
試合終了後、しばらく経ってから、落ち着いて考えてみれば、アメリカと言う国のスポーツ全般における分析能力というのは、世界のどの国より進んでいるのではなかろうか? だって、中学生レベルのアメリカンフットボールの試合でもスタンドのそこかしこにスカウティングが配置され、いつでも監督はその情報を手に入れて戦っているのである。むろん、プロならばもっとスゴイだろう。さらに、これはアメリカンフットボールだけでなく、ほとんどのゲームで行われている事なのだ。アメリカンフットボールはオフェンスのオプションプレーを覚えるだけでも恐ろしく大変な作業で、また試合中そのプレーを導き出すためのサインと符合させるだけでも大変な作業なのだ。そんな事が当たり前に行われている国の割には、通販で商品を買うと、いいのか?こんないい加減な商品で・・・。などと思ってしまうのだけれど。おっと話がそれてしまった。とにかくポルトガルは意地で2点を返したけれど、完敗と言って申し分のない内容であった。ただ、この2点が後で利いて来るような気がする。このアメリカの勝利で真っ青になっているのは韓国チームだろう。だって、この二チームのどちらかには勝たなければいけないのだ。特にアメリカには勝てるかも知れないが、牙をむいたポルトガルには勝てるのだろうか?いや、アメリカ戦だって、難しいかも知れない。ポルトガル同様、韓国だって分析されているだろうしね。危うし、大韓民国である。ムムム・・・・。


6/5/その3/ドイツVSアイルランド
ドイツ1-1アイルランド

ドイツは、サウジアラビアに8-0で大勝した後、ドイツ国内でアンケートを取ったそうである。その結果、予選リーグを突破するのは国民の80%以上が大丈夫だと思っているのだそうである。(僕もそう思う)しかしながら、優勝は?と言うと、同じく80%以上の人が「無理」と答えているのだそうだ。ムムム恐るべしドイッチェランド。なんと冷静な判断なのだろう。サッカーを良く知っていると言えば、それまでだけれど、なかなかあの大勝の後でそういう風な結論が出せる物ではないと思う。
しかしながら、その通りである。ドイツが強かったのではなく、サウジの出来が悪すぎたのである。それはこの試合を見れば、一目瞭然であった。アイルランドは大英帝国の一部分の小国であるが、サッカーの歴史は長い。そのスタイルもかなり伝統的なスタイルを保って来ているが、その主だったものはスピードとアタリの強さである。これに対し、ドイツは近代サッカーの始祖とも言うべき存在である(本当ならオランダが始祖だと思うけれどね)僕は1974年のWカップでは、ドイツ贔屓であった。が、その後、やはりと言うか、オランダのそれに傾倒するようになり、今でも日本が目指さなければいけないのは、当時のオランダのサッカー(ポジションやシステムに縛られない自由なサッカー)だと思っている。子供達に伝えたいのもこの自由なサッカーである。
さて、前振りが長過ぎた。ともかくドイツが圧倒的に強い訳でなく、アイルランドとの試合はまさしくワールドカップレベルのお互いの実力を出し切った引き分けであった。引き分けになったのが後半のロスタイムだったから、ルディフェラー監督は「不幸な結果だ」と言っていたけれど、傍目から見れば、まさしく互角の戦いであった。ウ〜〜ム、このブロックも最終的にはもつれそうだなあ。何よりアイルランドには大きな引き分けであった。と言っていいと思う。


6/6/その1/デンマークVSセネガル
デンマーク1-1セネガル

セネガルの快進撃と言っていいのだろう。初出場でここ迄出来るのは、その選手たちがフランスリーグなどで活躍している選手で、近代サッカーの洗礼を受けており、かつ、想像を超えた運動能力ゆえの結果だと思う。とにかく速い。とにかく巧い。決して緻密ではないし、決して華麗ではない。ないが、このチームはスゴイ!!いわゆるストリートサッカーでしか培われないだろうと言うフェイント、ボールの持ち方、フィードの仕方。これは確かに新しい潮流だと感じれる。ただ、このチームの場合、大きな問題になって来るのが、ラフプレーだろう。激しいのである。深いのである。熱いのである。挑発されれば、きちんと仕返しをする。今後試合を戦って行く中で、イエローカードも増えるだろうし、レッドもあるかも知れない。メンバーがそうした事で組めなくなって来た時、このチームは果たしてベストの戦いができるのだろうか?まあ、個々の優れた能力で戦って来ている訳だから、それでもそこそこの事は出来ちゃうのだろうが、上に行けば行く程、厳しい戦いになる。そんな事でこのチームが負けたりしてしまうのは、もったいないなあ。などと考えてしまう。
さて、デンマークであるが、このチームは総ての意味で洗練されているし、世代交代も完成している感じだ。若くてもきちっとした組織、戦術、技術、とにかく色んな面でバランスの取れた良いチームであると言う印象だ。エースストライカーは小野の在籍するフェイエノールト所属のトマソンである。彼も好漢である。
ただ、この試合は勝ちたかっただろうなあ。次はフランス戦だもん。フランス戦に勝つと言うのは、かなり難しい事だと思う。でも、なんだか勝ってしまうような気もする。その根拠は、今回のフランスの出来が悪すぎる事。同時にこのデンマークの成熟度、完成度が今、最も良いバランスにあると言う事だ。


6/6/その2/カメルーンVSサウジアラビア
カメルーン1-0サウジアラビア

カメルーンは不思議なチームである。相手が強ければ強い程、実力を発揮するが、相手が今一つ本調子じゃない場合、相手のレベルに合わせてしまうのだ。サウジアラビアは前回の8失点からかなり修正を加えて来た事は確かだけれど、それほどの力のチームではなかった。それでも結果は1-0で終わってしまった。それも途中までは引き分けてしまうのではなかろうかと言う程の試合展開だったのである。確かに日本の気候には、両チーム苦労しているようだ。試合後半は両チームバテバテで、あの黒豹エムボマも汗だくの状況だったのである。海外の選手にとって日本の気候は、体感温度で5c程、違うんだそうである。28cなら33cしかも湿度は、経験した事のない数値だろう。これからも、バテテしまうチーム選手が続出するのではないか?そしてその結果、予想外の結果も出て来る事が暗に想像出来る。


6/6/その3/フランスVSウルグアイ
フランス0-0ウルグアイ

上のカメルーンVSサウジアラビアで書いた事がいきなりの現実になってしまうなんて、ちょっとびっくりしてしまう。正直な言葉で言えば「なんでやねん?」である。今大会初のノンスコアドロー、しかも前大会優勝のフランスがいきなり崖ップチなのである。さらにアンリが退場を喰らってしまった。次の試合出れない。フランスが負けなかった事がせめてもの救いなのか?ウルグアイの善戦と言えば良いのか?少々、混乱してしまう自分がここにいる。これでフランスはデンマークに2点差以上で勝たなければならなくなった。ジダンも出て来なければならなくなったと言う事だ。でもジダンがいても彼からのパスを受け、確実に決められるアンリがいないのである。しかもデンマークは前にも書いたが、今大会の中で完成度で言えば、現時点では、かなり高いレベルにある。しかも固く守って、カウンター得意のチームである。もし、フランスが攻撃のみを念頭に試合を進めて行ったら、もし前掛かりで、守備を疎かにしたら、デンマークに負ける事もあり得る。いや、前掛かりで行かなければならないだろう。フランスに残されたのは奇蹟の勝利か、悲惨な惨敗である。僕の予想が当たらなければいいのだけれど・・・。


6/7/その1/スウェーデンVSナイジェリア
スウェーデン2-1ナイジェリア

スウェーデンの守備の固さは、特筆に値する。しかしそのチームから得点したナイジェリアも賞賛に値する。ナイジェリアはこれで2敗してしまった訳であるが、決して弱いチームではない。Wカップで戦うに遜色のないチームである。本当に少しだけ運がなかっただけなのかも知れない。それでも2敗は2敗。これでナイジェリアは決勝トーナメント進出の芽がなくなった。さて、このグループ、イングランド、アルゼンチン、スウェーデンの三つ巴である。現時点ではここで勝ったスウェーデンが最も有力なポジションにいる訳だが、今日の最終試合のイングランドXアルゼンチンの結果次第では、そのスウェーデンでさえ、安泰ではなくなってしまう。過酷だねえ。ワールドカップってさ。


6/7/その2/スペインVSパラグアイ
スペイン3-1パラグアイ

チラベルトは帰って来た。序盤は、なかなか良い戦い方であった。ほぼ互角であった。しかし、無敵艦隊は強かった。入り込む隙間がなかった。相変わらず、モア〜〜と緩慢な動きに見えるのだが、トラップの技術一つ、キックの技術一つ、どれを取っても、素晴らしい。パラグアイは1-3と言う数字程、差のあるチームではなかったけれど、同じような体格のスペインが相手でも、選手にはきっとスペインの選手が大きく見えたのではなかろうか?これでスペインは、決勝トーナメント進出をほぼ手中に収めた。恐るべし無敵艦隊である。


6/7/その3/アルゼンチンVSイングランド
アルゼンチン0-1イングランド

フォークランド諸島の問題が未だに尾を引いている。神の手のゴールが未だに尾を引いている。因縁の対決と言うが、どうなのだろう?サッカーはもう少し違う次元で語りたいと思うのだが、当事者的には、まあダメなんだろうなあ。しかし試合は実に見事な見ごたえのある素晴らしい試合だったと思うよ。試合はベッカムのかなり緊張したであろうPKでイングランドが勝った。この1勝はイングランドには、もっと大きなものだろう。逆にアルゼンチンには、首にナイフを突き付けられた状況だと思う。ガンバレ!アルヘンティーナ!
ウ〜〜〜〜〜!ちょっと疲れて来ちゃったよ。気がつくと予選最終戦は、それぞれのグループの最終戦が同じ時間に行われるシステムなのね。まあ、これは公平を期しての事なんだけれど、なんだよ!オンタイムで全部見れないじゃン!


6/8/その1/南アフリカVSスロベニア
南アフリカ1-0スロベニア

スロベニアは、やっぱりチーム内部に大きな問題があるみたいね。ゲームメーカーの選手は帰国を命じられてしまったらしい。チームが闘う姿勢になっていないよ。その割には、接戦になってしまったけれど、これはこの試合、南アフリカの出来が悪かったからだと言って良いんじゃない。このグループは、無敵艦隊スペインがいて、安泰にしている訳だけれど、そのスペインの最終戦はこの南アフリカ。この調子じゃあスペインには勝てないだろう。そうなってくると、ここで予選落ちを決めちゃったスロベニアの相手のパラグアイにもかなりチャンスが出て来ちゃう訳だね。やっぱりツキがあるのかな?チラベルト・・・。まあ、大量得点が必要だけれどね。これでパラグアイにも芽が出て来たって事には、間違いないやね。パラグアイはある意味、最後まであきらめない強さがあるいいチームだよ。


6/8/その2/イタリアVSクロアチア
イタリア1-2クロアチア

なんだよ、クロアチア、やればできるじゃン!若手いるじゃン!最初から出せよ!オリッチ!!!!!この試合、スーケルを控えに回したクロアチアは、メキシコ戦とは、明らかに別のチームであった。あきらめない。切れない。これに対して、世紀のいい男軍団、イタリアは、ネスタが負傷交代して、バランスが壊れてしまった。イタリアのような芸術品なチームは、ほんの小さな傷口でも全体のバランスが崩れてしまう。美しさもほんの小さな汚点で台無しになってしまうものなのだ。
しかもトッティを代表に攻撃が単調で強引すぎた。クロアチアにとっては守りやすかったのではなかろうか?勝手知ってる相手とは言え、このクロアチアの勝利は金星である。何だかなあ。アルゼンチン、フランスに続き、アズーリお前もか?って感じだよね。どうするよ?大御所諸君。
ところでさ、イタリアの選手たちの中には、中田がアズーリの一員だったらなあ!なんて考えた選手はいないのかねえ?


6/8/その3/ブラジルVS中国
ブラジル4-0中国

予想通りと言えば予想通り。予想外と言えば、予想外。ブラジルはもっと点が取れたんじゃないの?まあ、中国本国では今回のワールドカップは、参加出来た事でかなり満足しちゃっているらしいし、しかもブラジルと戦えるというので、その時点でかなり終わってしまっているらしいので、まあ、こんなものかア!という戦いザアマシタ。中国の選手は、一昔前の日本の実業団サッカーチームのようで、それはそれで好感が持てました。はい、今後の御健闘をお祈りします。
ブラジルはこれでほぼ決勝トーナメント進出を手中にした。中国は早くも予選落ちなのであった。


6/9/その1/メキシコVSエクアドル
メキシコ2-1エクアドル

実はこの試合、前から五列目のとてもいい席を譲ってもらえる話があったのだけれど、今回はスカパーで見ると決めたので、あえて僕は購入しないのであった。それで友人各位にオファーはしたけれど、4日前に急に仙台のチケット買わない?って言われてもなあ・・・。この日、仙台は、真夏を思わせる暑さの中で、この2チームは非常にタフな試合をした。考えてみたら両チームとも高地に首都のある国なのであった。つまり普段からず〜〜〜〜っと高地トレーニングしているようなものの選手たちなのである。さすがにスタミナはスゴイ。
この大会、ほとんどどのチームも暑さと湿気にバテバテになっている。特にアフリカのチームが、試合開始直後は、恐ろしい程のスピードと運動量を見せるのに、後半終了間際には、足つってしまったり、ほとんど草サッカーのように、攻めている人には「お願いしま〜〜す!」今度は攻められたら「キーパー!!」と声だけでプレーしているのに良く似ている。いや、草サッカーってそんな物なのよ。実際の話。
アフリカも内陸部のチームなら、意外に温度も湿度も低いのである。ゴリラの住んでいる辺りなら、日本の軽井沢と同じくらいの気候である。今の時期の日本や韓国の気候にはそりゃバテるだろう。欧州のチームにとってもこの気候は、予想以上だろう。親善試合くらいなら何とかなるのだろうが、こんな長期に渡るリーグ戦では、試合に出ていなくても疲れてしまうに違いない。
そんな中で、この二チームは、バテテルだろうけれど、非常に高い集中力と鍛えられた心肺能力でベストパフォーマンスを見せてくれた。メキシコはこれで2勝。エクアドルは、決して弱いチームではなかったが、2敗で脱落である。同じグループには、かの クロアチアとイタリアである。そして最終戦の組み合わせはメキシコXイタリア、クロアチアXエクアドルである。クロアチアが生き返って来た事を考慮に入れて、その対戦相手が、エクアドルであることを考えると、アズーリは好調のメキシコに何が何でも勝たなければいけないだろう。僕個人としては、アズーリにここで勝ってもらって、なんとか決勝トーナメントに残って欲しいと思うのだがなあ・・・。


6/9/その2/コスタリカVSトルコ
コスタリカ1-1トルコ

この試合の後、いよいよ日本Xロシア戦ゆえか、自分で言うのも変だけれど、ソワソワ上の空で観てしまった。
この2チームは事実上、このグループの2位争いをしているチ−ム同志だから、それなりに激しい応酬が繰り返された。コスタリカは、プレゲームマッチで日本と闘った時のように、強くは見えないが、そつのない試合運びをする。対するトルコの方は、チームとして好調なのか、スピードを活かして、果敢に攻め込む。結局は引き分けになったのだけれど、これは微妙に受け取り方が違うだろうなあ。トルコは次は中国戦、引き換え、コスタリカはブラジルである。ブラジルは、決勝トーナメント進出が決っているとは言え、手を抜いたりはしないだろう。ここまで来ると、そうしたことで気を抜いた試合などしてしまうと国民全員が監督のようなブラジル国民が許さないだろうし、また、チームにとってもこれから迎える決勝トーナメントに向けて、チームの完成度を高めて行くのが常識だからである。しかしながらブラジルとしても、イエローを取られるような際どいプレーや、怪我などはしないように慎重にプレーすることは、間違えないだろう。コスタリカは引き分ければ、問題なく決勝トーナメント進出。これに対し、トルコは中国から大量点を取って勝たなければならない。どちらが有利とは言い切れない物がある。僕個人的な意見だが、コスタリカに引き分けてもらうか、負けても、僅少差で負けるところで頑張って欲しい。中国もまだ意地があるだろう。同じ負けるにしても、意地を見せて欲しい。


6/9/その3/日本VSロシア
日本1-0ロシア

キックオフ直後、柳沢と鈴木が勢い良くプレスをかける。このワンプレーこそがこの試合を象徴する物だった。日本は徹底してプレスをかけ、前線でボ−ルを奪おうとチャレンジした。ロシアもプレスはきつかったが、想像を超える物ではなかった。さらにロシアにはモストボイがいなかった。カルピンとイズマイロフの両サイドからの攻撃が主体となる。アタリは確かに強かったし、でもそのアタリが反則を取られ、イエローカード。これが結果的に良かった。それ以後、2枚目のイエローを恐れて、反則ギリギリなアタリは格段に減った。しかもラッキーは続く。僕が考えていたこのロシアチームで最も危険な男、イズマイロフが、前試合の怪我の影響で早めに交代してくれたのだ。むろんイズマイロフ、とカルピンだけでゲームを作っていた訳ではないけれど、元々モストボイが欠けていたところでこのイズマイロフがいなくなった事は、ロシアのゲ−ムの組み立てをいきなり単調なものにしてくれた。ロングレンジからのシュート。早めの長めのアーリークロス。これはこの日、センターバックが宮本だった日本にとっても好材料だった。中田が最初に試みたボレー、はずれたが、間はよかった。あのタイミングでは、打っておかなければいけない。そして再び中田のシュート。今度は中田は頭を抱えた。これは決めなくてはいけない物だったからだ。でもいいの。本人が誰よりもその事は理解していたもん。
全体的にはボ−ルの占有率は日本にあった。それでも固い守備で守るロシア。うン?この日の審判もペナルティエリア付近での際どいプレーには、笛を吹かなかった。それなのに柳沢は相変わらず、転び上手な場面も多く見られた。早く気がつけよ。そのままじゃあ、ヨーロッパ行っても通用しないぞ。そして稲本が二試合連続でやってくれた。中田浩二からペナルティエリア中央にいた柳沢へロングフィード、柳沢が落とす、それを稲本がワントラップ&シュート。なぜそこに稲本が?そんな風に考えちゃダメ?でも、まあ、乗っている人間は、そういう匂いのする所にいるもんなのかな。小野に代えて、服部君登場。これは正解。ただでさえ、危機感溢れる日本のバックラインには、彼のような存在が不可欠なのだ。そして残り15分。中山も登場する。、中山は、疲れて来たサポーターと選手にもカツを入れるために用意された選手なんだと僕は考えている。トルシェは余程の事がない限り、先発では使わないと思う。さて最後の最後、ベンチ前のピッチでこの試合を締めくくるように中田がタックル。ファールかと思われた笛は、記念すべき日本の初勝利を告げる試合終了の笛だった。これで勝ち点4。素晴らしい。スゴイ!素直に喜んじゃう。
でも僕は安心はしていない。明日の結果にもよるけれど、このグループで最も苦手とするタイプのチームは、チュニジアなんだから・・・。
いずれにせよ、この試合。稲本も戸田もイエローをもらわなかった。これはとても大きい。次の試合出来るんだから。しかし、次の試合は足元勝負のチュニジアなのである。この試合で二枚目は勘弁して欲しいな。


6/10/その1/韓国VSアメリカ
韓国1-1アメリカ

この試合、スタンドから韓国各地の道と言う道、広場と言う広場、総てがとうがらしに染められたような物で、これはもう、アメリカは韓国の11人を相手にしているのではなく、韓国国民全部を相手にして闘っているような物だった。ゴールポスト、ゴールバーでさえ、韓国の味方であった。第三国で闘ったら、どうだったのか?それは想像出来ないけれど、少なくともこの日のサポーティングの圧力は、アメリカ選手の脅威であったはずである。特にソルレーク・オリンピックのショートトラックスケートに於けるアポロオーノとキムドンソンの問題も尾を引いているようであった。これは基本的にはサッカーと別次元の話である。 もし、同じ次元で考えれば、オーノが悪かったのではなく、判定したあの問題審判がいけなかったのである。オーノの行為は褒められる物ではないけれど、サッカーで言う所の「マリーシア(ずるがしこい行為)」であって、批判される程の行為じゃない。
ともあれ、韓国は、とにかくスコアティングされていようが、どうしようが、彼等のベストパフォーマンスを見せた。ハンソンフォンは、バッティングを喰らって、流血し、それでもタマネギのように頭にテープをまいて、出場した。闘志のむき出しになった、素晴らしい戦いであった。さて、この試合、僕は一人の韓国人選手に注目していた。中盤を守るキムナミルという選手である。日本で言うなら小笠原に似たような選手であるが、1枚上手な感じがする。きっと近い将来、ヨーロッパのどこかの国で、彼の姿を見る事になるであろう。そんな予感をさせる選手であった。韓国にも間違いなく次の世代が育って来ている。喜ばしい限りである。
試合は、1対1の引き分けに終わった。韓国の得点は中田が所属していたペルージャが、中田をローマに高額で譲った後その財力をもって、ガウチが「冒険かも知れないが・・・」と前置きした上で、獲得したアンジョンファンであった。
彼が得点した事は、ガウチのチャレンジが、単なる冒険でなかった事を裏付けていると思った。
得点後、彼は前述のキムドンソンの事を思い起こさせるパフォーマンスをした。それはどうなの?とは、思うけれど、それよりもそのパフォーマンスの中で、アポロオーノの役目を演じていた選手がいたことの方が、僕には笑えた。
さて、これで日本も韓国も1勝1分け、それぞれのグループによる事情は変わるが、最低限の資格は手中にした。残る試合は、韓国がフィーゴ率いるポルトガル。日本はチュニジアである。どちらにとっても嫌な相手である事に違いないけれど、こうなったら、開催国両国ともベスト16っていうのも、可能性としては充分あり得る。そんな事大会始まる前には正直な話、考えさえ及ばなかったよ。


6/10/その2/ベルギーVSチュニジア
ベルギー1-1チュニジア

さてさて、グループH、チュニジアVSベルギーである。両チームとも予選突破のためには、どうしても 勝っておきたいゲームである。まあ、日本の立場から考えれば、できれば引き分けていただいて、両チームとも勝ち点+1にとどめておいていただけるのが、最上な結果だろうか?しかもチュニジアの中心選手に累積のイエローなど出ていただけると、尚宜しいのではあるまいか?などと考えていたら、その通りになってしまった。試合は引き分け、しかもチュニジアのダイナモ、カブシに累積警告で次の試合出場停止のオマケまでついた。このカブシという選手、実は要注意人物だったのである。中盤でプレスをかける。ボールを持ったら、コーナーポスト付近まで持ち込む。前線のオリサデベなどへボールを供給する供給源だったのである。スポーツマンシップから言えば、相手もベストで自分達もベストの布陣で闘うのが、正々堂々なのかも知れないが、それはそれ、相手の弱味にはきっちり付け込まなければいけないのがサッカーなのである。
特にカブシがいなくなると言う事は、チュニジアの戦い方をより単調な物にしてくれる事だろう。
これで、日本は最終チュニジア戦、負けても、1点差なら予選リーグ突破が可能になった。無論、負けても良い試合など、ここまで来たら一切ないし、日本にはきちんと点を取って、出来る事なら文句のない勝利で勝ち上がって欲しい物である。ベルギーは最終戦、勝たなければならない。でも、このチームは、キチっと勝ってしまうような気がする。まず、人材が豊富である事。同時に攻撃のオプションの数が多いと言う事である。ロシアとの戦いはかなりの肉弾戦が予想出来るが、ロシアの日本との戦い方を観てみると、ベルギーの方が鼻先ひとつリードしているように思う。モストボイ、イズマイロフは出て来るのだろうか?出て来ないと勝てないぞ!


6/10/その3/ポルトガルVSポーランド
ポルトガル4-0ポーランド

どうしちゃったんだ?ポーランド????まあ、相手がフィーゴ率いるポルトガルだったし、そのポルトガルも必死だったのであるから、仕方のない結果なのかも知れないが、僕の知っているポーランドは、こんなに弱いチームではない。最終戦、VSアメリカでは、きっと目覚めてくれるに違いない。たぶんスタンドは、ポーランド贔屓になっているはずであるしね。
さて、フィーゴ率いるポルトガルであるが、やっぱり、強いじゃン!巧いじゃン!スゴイじゃン!
ただ、観ていてとても気になる事が一つある。それは表情である。何か、不安な感じである。特に試合終盤、彼等は明らかにバテている。足が止まっている。汗の量がスゴイ!次戦、韓国が緒戦のアメリカのようにフィーゴにマンマークをつけて、動きを封じ、前半から強力なプレスをかけて来たとすれば、そしてもし、湿度が50%以上の蒸し暑い気候であったなら、王者ポルトガルには、不幸な結果が待っているかも知れない。普段からサッカーを知っていて、普段からポルトガルを知っている人間なら「んな、事あり得ないじゃン!!」と言うと思う。僕だって正直言えば、そう思う。けれども今大会を観ていると、予想以上の結果が目白押しなのである。ポルトガルと言えど、例外ではないはずである。

さて、明日からは各グループ最終戦であり、同時刻に試合が始まる。オンタイムで総てが見れなくなる訳である。ウムムであるが、公平を期すためなのであるから、しょうがあるまい。まあ、どちらの試合を見るか悩むべき所も出てくるであろう。それでもスカパーだから直後再放送を見ようと考えている。やったじゃん。よかったじゃん。


さて、ここからは、上にも書いたが、同日同時刻にキックオフされ、
それぞれのグラウンドの状況は、基本的にはそれぞれの場内に知らせない事になっている。
実際の話、今時そんな事したって、携帯もあるし(ウェブでも見れるし)、ハンディのテレビもあるのである。
だから、選手にもきっと伝わってしまうだろうとは思うのである。
それでも同じ時間スタートと言うのは、悲喜こもごものドラマは生みそうである。

ここまで試合を観て来て、やっぱり、サッカーというのは実力だけではない何物かが結果を左右する物だと確信する。
そういう何物かを素早く手に入れ、かつ有効に使った方が有利になる事を証明して来たと思う。
時に審判の判定一つでガラッと変わってしまう瞬間がある。
気候に負けて、急激にペースの落ちてしまうチームがある。サブシチューションの上手な使い方で
生き返るチームもある。また、突然の雨で、ピッチ状態が変わり、試合を左右する事もある。
特にトップレベルの選手だからこそ、トップレベルのチームだからこそ表面に出て来てしまう事も多々ある。
改めて、サッカーの面白さに気づき、かつスゴイ世界だなあと思ってしまうのであった。

6/11/A組最終試合その1
セネガルVSウルグアイ
セネガル3-3ウルグアイ
この試合の始まる前の時点で、ウルグアイはこの試合、セネガル相手に2点差以上の差をつけて勝てば、まだかすかに決勝トーナメント進出の可能性が残されていた。しかし、開始早々、その希望は粉々に砕かれたように思えた。セネガルタイフーンは立て続けに得点。あっという間に三点差をつけてしまった。恐るべき運動量、重ねてフランス仕込みの近代サッカー戦術。付け込む隙はもうないと思えた。ところがである。後半が始まると、思わず目が離せなくなってしまった。後半開始わずか一分。モラレスが決める。1-3。ここから試合の攻守は一変した。セネガルもデューフやカマラやコリーらが攻め続けるが、どこかしら前半に比べて決定力に欠けているように思えた。前半で勝てると踏んでしまったのか?中盤でボールが落ち着かない。そこを突かれ、レコバを中心として攻撃的な布陣に変えた、ウルグアイに攻め込まれる。そしてフォルランのボレー。ウムムム、うなだれるセネガル。そして終了間際、レコバがPKを決めて、とうとう同点に追いついてしまった。意気上がるウルグアイイレブン。しかし残り時間は少ない。それでもあきらめずに攻めるウルグアイ。そして最後の希望を込めて放ったシュートはキーパーは抜く物のゴールライン上でクリアされてしまう。ウ〜〜〜ム万事きゅうす。セネガルが同点ながら、決勝トーナメントヘの進出を決めた。
思えば、Wカップ第一回大会はウルグアイでの開催、そして初優勝。優勝はもう一度ある。老舗中の老舗である。古豪と言って良いチームである。この試合を観てもその片鱗は垣間見せた。予選トーナメントで消えてしまうのは、あまりに惜しいチームではあるが、セネガルという新しい潮流に流されてしまった感のある戦いぶりであった。
6/11/A組最終試合その2
フランスVSデンマーク
フランス0-2デンマーク
もう負けられないフランス。とうとうジダンが出て来た。けれどもアンリは、いない。その太もものテーピングが痛ましい。相変わらず、やわらかいボールタッチ、やさしいボ−ル出し。本当に素晴らしい。けれどもやっぱりそのプレ−振りは、頭の中で考えている事と与えられた肉体とのギャップがモロに出ている感じだった。
手前味噌でなんだけれど、この肉体と頭脳の差は、草サッカープレーヤーなら一度は経験する物なのだ。頭は自分が最高の時のプレーを考えている。でも肉体はその最高の時期をとっくのとうに過ぎてしまっていて、足が前に出ない。そしてバランスを崩す。ころがる。と、まあそうなる。ジダンと草サッカーを一緒にしてはいけないけれど、正味の話、そういうことである。最近、僕は再び草サッカーに復帰した。そしてそのギャップに悩んでいる訳だ。僕は別にどこも傷んでない訳だから、そのギャップに悩んでいても、リハビリテーション程度にしか復活しないけれど、ジダンはきっと復活するだろう。 しかし、それでは遅すぎるのであった。
試合は、僕の予想が当たってしまった。総てに於いて、現在最もバランスの取れたデンマークという若手のチームが、前大会優勝のフランスに止めを刺してしまったわけだ。総てについて完璧なゲームであった。デンマークというチームにとってだけれども・・・。
デンマークはこれで決勝トーナメント進出を決めた。このフランスを破った事が自信になれば良いのだが、過信になったり、気が抜けてしまったりしなければ、さらに上位進出もあり得ると思うのだが・・・。

6/11/E組最終試合その1
カメルーンVSドイツ
カメルーン0-2ドイツ
このグループは、早々に我が調布市でキャンプを張ったサウジアラビアが敗退を決めた。その結果、ドイツとカメルーンが勝ち点4で並び、アイルランドが勝ち点2で追い掛ける展開になった。アイルランドは勝たなければその道はない訳だけれど、最終戦は、希望のないサウジアラビア。したがって カメルーンは、事実上勝たなければ、決勝トーナメント進出は望めないと言う状況だ。
そんな状況設定の元行われた最終戦だけれど、この試合なんと言っても審判が最低であった。出されたイエローカード16枚。その割には退場者2名というのは不思議な数字だけれど、審判が自分に酔ってしまっていたように思う。
余談だが、僕がイレブンというサッカー雑誌に、ある時から連載していた漫画に「僕は審判の味方です」というシリーズがあった。審判というのは、とても重要な存在なのに、いつも選手には文句を言われるし、ブ−イングを喰らう。とても良いジャッジをしても誰にも拍手をもらえない。そんな審判の立場に立ってみると、サッカーもまた新しい見方ができるのだけれど、その審判が選手(相手がどんな有名選手だとしても)に対して優位に立てる瞬間がカードを提示する瞬間なのだ。
この試合の審判は、試合開始当初から、非常にナーバスだった。非常に興奮していた。ワールドカップという舞台なのだから、興奮するのも仕方がないのかも知れない。けれども、彼は自制するべきであった。良い審判は、意外に最初のイエローカードを早めに出す人が多い。それは「危ないプレーはキチっと取るカンネ。オマーラ、せいぜいフェアにやれよ!いいか!ウン!!」というメッセージが含まれているのである。良い審判なら、その後、かなり荒いプレーがあっても、笛を短かめに鳴らし、上手に両チームを分け、時には当該選手に握手をさせたりして、穏便にゲ−ムを進めて行く物なのだ。ところがこの試合の審判には、そういった、ゲームプランもなければ、度量もなかった。僕的には審判失格である。なぜ彼がここにいたのか理解が出来ない。
それでも退場者は二名。ドイツは主軸センターバックのラメローが退場した。本来ならカメルーンは、ここで畳掛けなければいけなかった。勝たなければいけない試合だったのだから、しかし、それは出来なかった。逆にカメルーンもスフォーが2枚目のイエローで退場する羽目になった。ジェレミ、エトーらシドニー五輪組とエムボマ、ソング、カラ、フォエなどベテランの混じりあった素晴らしいアフリカの巨頭は、早くも姿を消す事になってしまった。実に残念な結果である。無念な結果である。
6/11/E組最終試合その2
サウジアラビアVSアイルランド
サウジアラビア0-3アイルランド
勝たなければ決勝トーナメント進出のないアイルランド、今までの試合でも最後の最後まで試合を捨てないアイルランド。非常に好感が持てる戦いぶりである。この試合も自分達の立場を充分理解していて、試合開始直後から攻勢に出て、前半七分に1点目。そして、後半に入る時にも新たにFWを追加して投入して、着々と加点して、実力で決勝トーナメント進出をもぎ取った。しかしなんだね。アジアナンバーワンGKのデワイエでもモチュベーションが下がってしまうと正面のボールも後ろに逸らすミスをしちゃうものなのね。国際試合165試合の経験を誇るこの偉大なる GKデアイエは、この試合後、現役の引退を発表したのであった。

6/12/F組最終試合その1
アルゼンチンVSスウェーデン
アルゼンチン1-1スウェーデン
フランス、ウルグアイに続き、まさかのまさかである。あのバティ、ベロン、クレスポ・・・etc.数々の名選手を抱える優勝候補の最有力アルゼンチンが、予選敗退しちゃったのである。ちょっぴり悲しい。ちょっぴり複雑である。
しかし、この試合アルゼンチンは、センタリングを上げるべきサイドまでは、完璧にボールを運んだ。楽々と運べた。そしてセンタリングも数多く上げた。それでもスウェーデンのゴールはこじ開けられなかったのである。ゴールの前には、大きなそして厚い黄色い壁がそびえ立っていた。あれだけボールを支配しながら、あれだけセンタリングを上げながら、一点も取れないと言うのは、こりゃあ、もうアルゼンチンを批判するより、スウェーデンを賞賛すべきである。しかも、たったのワンチャンスのフリーキックをパーペキに決めてしまった。二点差以上の勝ちが必要だったアルゼンチンにとっては、焦るな!と言う方が無理である。アルゼンチンはその後も律儀にサイドアタックを繰り返し、当たって砕けてしまった。後半、バティに変えてクレスポ、そしてベロンも投入したけれど、その甲斐はなかった。しかし、バティとクレスポを同時に出場させるオプションはなかったのだろうか? もっと早めのロングシュートを打ち、こぼれ玉を拾う作戦はダメだったのか?ダメだったのかも知れないが、試して見る価値はあったのではないか?どうせ負けてしまうなら、あれもこれもそれもどれでもいいから、試して欲しかった。あまりにも悲しすぎる予選敗退の一幕であった。

6/12/F組最終試合その2
ナイジェリアVSイングランド
ナイジェリア0-0イングランド
ナイジェリアは、この試合を迎える時点で、決勝トーナメント進出の望みはなかった。しかし、このチームは決して弱いチームではなかった。ちょっと運が悪かっただけである。イングランドはこの試合、引き分け以上で決勝トーナメント進出が約束される。
試合開始直後は、イングランドも自力で決勝トーナメント進出を目指して、猛攻撃を繰り返した。いくつかのボールはポストに当たり、バーに跳ね返された。その繰り返しを幾たびか繰り返した後、戦いあうこの二つのチームには暗黙の了解が成立した。片方のチームが望む物は、誰もカードなど受けず、かつ怪我などしないで安全に決勝トーナメントへ進む事であり、もう片方のチームは「私たちは強かったのであるが運が悪かった」と言う事が証明出来る「名誉ある引き分け」であった。これは一見八百長のようであるが、決して八百長ではない。マリーシアな駆け引きである。そして試合は適度に観客を魅了し、沸かせ、予定通り引き分けに終わった。エースが怪我から復帰したばかりのチームは、これで次の試合にベストメンバーで戦える。また強豪チーム相手に最後に引き分けたチームは、空港へ着いても生卵をぶつけられる事はないだろう。これがどちらかのホームでの試合だったら、そんな事は出来ないだろうが、そこは自国から離れた遠い極東の地なのである。これもまたサッカーの隠れた一面である。


6/12/B組最終試合その1
南アフリカVSスペイン
南アフリカ2-3スペイン
スペインは、すでに決勝トーナメント進出を決めていた。後は決勝トーナメント一戦目に当たる相手をドイツにするかアイルランドを選ぶかと言う事だけだった。南アフリカは、その結果によっては、パラグアイに逆転されてしまう可能性があった。最低でも引き分けなければいけない状況だったのである。スペインは、メンバーを4人も入れ替えるだけの余裕があったし、入れ替えても、さほど、レギュラークラスと遜色はなかった。さすがである。南アフリカは、このスペインから2点取った事からも分かるように強いチームであったが、残念ながらムラがあった。古いタイプのアフリカのチームという印象から抜け出るだけの何かはこのチームに見られなかった。GKのファンブルをラウルが拾って一点目。これは集中力が欠けた一瞬の出来事だったが、この一瞬を見のがさないラウルを褒めるべきであろうと思う。速い時はスペインはすごく速い。そうじゃない時は、本当にモア〜〜〜〜と見える。不思議なチームである。しかし世界最高峰のスキルを誇るリーグの開催されているこの国では、極々当たり前の事ばかりなのかも知れないけれど、とにかく局面局面での巧さは際立ったモノがある。今小学生、中学生のサッカー少年少女は、イタリアやイングランドの見た目重視の彼等のプレーより(いや、それでもいいんだけれどさ)このスペインのプレーをヴィデオなどで繰り返し見てみて欲しい。トラップの技術、キックの技術、ボールコントロールの技術、回りを見るタイミングなど、大変参考になると思う。
南アフリカは頑張った。頑張ったが、悲しい結果が待っていた。

6/12/B組最終試合その2
パラグアイVSスロベニア
パラグアイ3-1スロベニア
スロベニアにも意地がある。いや、せめて無事帰国するためには是非必要な、例えて言えばそんな先取点であった。
パラグアイには、大量点を取ればかすかに決勝トーナメント進出の希望があった。が、いきなり前半22分。退場者が出た。かなりあわてた。さらに前半ロスタイム、相手に先取点を許す。さらにおおあわてした。あわてたけれど、あきらめなかった。あきらめそうになる時も多々あった。あったが、それを許さない人物がいた。70才のマルディーニ監督(イタリアから出場のマルディーニの父親)と偉大なる大統領候補チラベルトである。パラグアイの本来の戦い方は引いて守り、チラベルトからロングフィードを出して、サンタクルズ、コルドーソなどが実にシンプルにゴールを狙って行く。というものである。
チラベルトは、フリーキックを打ったりとかPKを蹴ると言う所に集中して注目されがちだが、実はすごい所は別にある。ゴールキーピングは前大会にくらべれば、全然重たいし、反応も遅くなっている。多分にウェイトの問題や練習不足が見えかくれする。でも前大会よりさらに磨きがかかっていると思われたのはそのフィードボールのコントロールである。日本の川口もかなりコントロールを持っている方だと僕は思うのだけれど、チラベルトの方が一枚上手な気がする。後半、大量点がどうしても必要なパラグアイは、クエバスを投入した。このクエバス、ドリブルは特筆モノの選手だけれど、いかんせん、スタミナ不足なのである。先発では使いにくい選手である。しかしこの試合では、彼の投入は大当たりであった。10人で戦いながら同点に追いついた後、投入された彼は、スロベニア防御陣を巧みなドリブルで振り回し、ゴール右隅へ逆転ゴール。さらに試合終了直前、同じようにペナルティエリア付近を横にはうようにドリブルして 止めの三点目を入れた。実にこの三点目が効いた。試合終了時点で南アフリカとパラグアイは勝ち点で並ぶ。さらに得失点差も同じ。が、総得点でパラグアイが一点上回った。クエバスの最後の得点が、パラグアイを決勝トーナメントへ導いたのであった。ある意味、小さな小さな奇蹟がひとつ、ここで起きた訳である。


6/13/C組最終試合その1
コスタリカVSブラジル
コスタリカ2-5ブラジル
僕はこの試合のコスタリカを賞賛する。素晴らしかった。リスペクトである。決してあきらめなかった。攻め続けた。この日のコスタリカは、総てにおいて強かった。でも攻める事のオプションはブラジルにかなうはずもなかった。攻撃の場面では、チーム戦術より遊び心みたいなものがブラジルの根本である。だからチームが攻めている時は、後から後からアイデアが出て来て、変幻自在な攻撃をする。なぜなら彼等がセレソンだからである。しかし、守りに入る瞬間からブラジルは、ハッキリ言って隙だらけだった。チーム練習が足りていない事が明白である。中盤ガラ空きな状態だし、ロベカル、カフーの攻め上がった後のスペースも放ったらかしである。その辺を差し引いたとしても、この日のコスタリカは勇敢だった。同時に行われているトルコX中国が、たぶんトルコの大勝になることは、暗に想像出来たから、彼等としては引き分けが目標だったのである。もしくは得失点差の勝負になるだろうから、できるだけ僅少差での負けが目標だったのである。その目標は残念ながら達成されなかったけれど、彼等は国の代表として胸を張って帰国出来るだけの戦いは間違いなく出来ていた。もし、彼等がC組の二位として、日本がこの後チュニジアに勝ったとしたら、対戦相手はこのコスタリカだったのだろうが、この日のコスタリカだったら、日本に勝ち目はほとんどないと感じた。恐るべき底力だった。
ブラジルは、上にも書いた通り、攻撃面では、ほぼ完璧だった。けれども守備面では個々の連携やスペースのカバーリングなど、大きな問題を露呈してしまった。でもね、彼等はこの大会中が最もメンバーが揃って練習出来る期間だと思うんだ。決勝トーナメントまでには、補正してくると思うんだけれどね。

6/13/C組最終試合その2
トルコVS中国
トルコ3-0中国
ハッキリ言おう。トルコも強いぞ!とにかく速い、とにかく巧い。特に左側の攻撃をしているスキンヘッドのハサン。彼はメッチャウマイゾ!またパルマでナカタと同僚のハカンシュキル。ヘッディング要注意である。足元も巧い。また、国は違うが森島の異母兄妹?ホントカ?のバティシュルク、この人はテクニックや動き方も森島と同じような選手だ。つまり、捕まえにくい選手である。そしてもうひとり、セットプレーで出て来る。真正モヒカン(一部ハゲあり)の選手(名前がよくわからん)には本当に注意が必要である。コスタリカとトルコを考えると、少しだけ、トルコの方が戦いやすいだろうか?いや難しいかな?とにかくマークをはずさないこと。集中力が切れない事。後、出来れば天候に恵まれる事が大事かも知れない。まあ、ジャパンがH組を一位で抜けない事には、相手はブラジルになっちゃうんだから、とにかく勝ってもらわなければ、話になりませんけれどね・・・。


6/13/G組最終試合その1
エクアドルVSクロアチア
エクアドル1-0クロアチア
おいおい、クロアチア!波があるのにも程があるだろう!あのイタリア戦はなんだったんだい?オリッチも全然ダメじゃん。グループを面白くするのには良かったかも知れないけれど、ウムム、君たちは感情にプレーに波が有り過ぎるよ。まあ、クロアチアが最終戦で活躍しなかったお陰でアズーリが生き残ることになって、大会に花が残ったと思っちゃったのは僕だけではないだろうけれどね。エクアドルは、ウ〜〜〜ン。エクアドルだけじゃないんだけれど、他の中米、南米のチームは負けるにしても栄誉ある負け方が巧いね。阪神タイガースの選手たちが最下位が決ってから活躍するような物なのかな。最終戦の南米勢は、ほんとみんなアピールが上手いよ。脱帽です。

6/13/G組最終試合その2
イタリアVSメキシコ
イタリア1-1メキシコ
好い男軍団アズーリは、この試合必死でした。基本的には勝たなければいけなかったからです。でも今大会、僕的にアズーリを見ていると、すごく神経質な感じがしています。審判の判定一つにイライラして、プレー振りも荒い物になっています。そのイライラがチーム全体に行き渡ってしまっているように思います。大事な事は、イライラした気持ちは、マイナスのエネルギーだということです。マイナスのエネルギーは、大抵の場合、不幸な結果につながります。たとえば、この試合、守備の要、カンナバロが警告を受けました。これで決勝トーナメント第一戦は出る事が出来ません。トッティのパスは素晴らしいモノですが、それに呼応すべき選手が追いつけないでいると、トッティが罵倒する画像が見れます。98年のWカップの時、ナカタが決定的なパス(キラーパス)を出しても、チームメイトが追いつけないと切れていた事を思い出します。これもマイナスな結果しか生みません。小野のパスのように受け取る人間の能力や利き足や、その他総ての事を計算して出すパス(エンジェルパス)はアズーリには、見る事は出来ませんでした。トッティのパスにキチンと呼応出来るのはビエリとデルピエロだけでしょう。この試合、最後の最後にデルピエロを出して、トッティを下げました。トッティは不満が顔に出ていましたが、このデルピエロの一点で、同点に追いついた時のアズーリの面々の顔は、ほとんど蒼白でしたが、何かイライラから抜けだせていたように思います。次の試合までにはアズーリも修正してくるでしょう。でも、相手がどこであれ、カンナバロがいない。ネスタも間に合わないかも知れない。マルディーニも完璧じゃない。イタリアの強固な鍵は、開いてしまうかも知れません。さて、どこがこのカギを開けてしまうのか?それはとても楽しみな事ではあります。


6/14/H組最終試合その1
ベルギーVSロシア
ベルギー3-2ロシア
この試合が始まる時点で、このグループの首位は、我がジャパンであった。しかし、このグループ最下位のチュニジアだって、その日本に大差で勝てば、トーナメント進出の可能性が残されているのであった。実質、それぞれの試合の勝者が、このグループの勝者になる。そんな組み合わせであった。(日本は一点差負けまでならトーナメント進出だったけれどね)
さて、試合に戻ろう。この試合、出てくると思われたモストボイは、とうとうその姿をピッチに見せる事はなかった。さらにイズマイロフもその姿が見られなかった。けれども、カルピン、チトフなどを中心に最後の力戦を見せた。けれども、点差以上にベルギーとの差があった試合だと思う。考えてみるとロシアのそのチームにはかつてのソビエトの体格、力感、頑丈みたいなイメージは、感じられなかった今大会である。なんだか小粒になってしまった感じなんだよね。まあ、それまでの連邦下の各国にそれぞれ、散ってしまったと言うのが実際の所なんだろうか?さて、対するベルギーは、コンスタントに3試合を戦えたのだろうか?僕のイメージからするともっと行けたに違いないだろう。彼等の計算を狂わせたのは、異常な数のサポーターと何よりも気候ではなかったか?これはもちろんロシアにも共通する。日本の気候、特に湿度は彼等の想像をはるかに超えた物ではなかったろうか?この時期、運動すると汗が異常に出る。その汗は、乾燥せずに肌にまとわりつく。まとわりついた汗は次に出て来る汗を抑えてしまい。簡単に言えば、皮膚呼吸を非常に辛い物にしてしまう。汗は身体の温度調整のために行われている事だから、これは非常に辛い。場合によっては、温度そのものは大した事はないのに熱中症になってしまうことさえあるのだ。特に今回、強豪国と呼ばれる国が次々敗退して行った裏側には、こんな事が多分に影響していたのだと思われてならない。彼等はピッチで戦う相手の他にもっともっと厄介な手強い相手を持っていた事になる訳だ。

6/14/H組最終試合その2
日本VSチュニジア
日本2-0チュニジア
日本はこの試合、一点差以内なら決勝トーナメント進出なのである。しかし、この日の相手は足元得意、ドリブル得意のチュニジアである。地中海沿岸に位置するアフリカの国だから、近代サッカーと言う物も充分入り込んで来ているし、その上、やっぱりアフリカの国のチームらしい、運動能力も兼ね備えている。決して油断のならない相手である事は、間違いないのである。間違いないのであったが・・・・。
試合が始まると、チュニジアはその得意とする攻撃を見せなかった。日本が大事にボールをキープしている感じ。でも、どうなんだろうか?日本がボール占有率ではダンゼン上でも、なんだか持たされている感じに見えてしまった。日本がチュニジアの守備陣系を崩した場面はあっただろうか?僕にはほとんどなかったように思われてならない。それよりも日本の選手が大事にボールを持ち過ぎているような感じの方が強かった。大事にパスを回そうとする余り、セーフティファーストみたいな単純な事が徹底されていないように感じた。変な余裕を感じさせる最終ラインでのボール回しであった。こういうのはアブナイゾ!日本が世界に通用して行くためには、恐らくダイレクトでリズムよくパスを回して、攻撃して行かなければいけないんだと思う。そこが欧州のチームより優れている日本独特のリズムなのであるから・・・。しかし、前半は出来なかった。少しイライラした。
後半、頭からモリシと市川を投入。これは僕も賛成だな。と思ったら、いきなりモリシが相手のクリアミスを、ダイレクトでブチこんで先制。ぶち込むと言う程の勢いはなかったけれど、これでゲームが動いた。ゲームは動いたけれど、今度はチュニジアの足が止まった。ここで次の得点が大きくモノを言うのにねえ。これ迄の二試合は夕方からだったけれど、この試合は昼間。きっとチュニジアの選手は、既に三試合目だったし、疲れも早く出て来てしまったんだろう。思えば、前半の日本もそんな状況だったのかも知れない。でも得点を入れたりすると、体が動くようになったりするんだねえ。これが・・・。
後半から投入のモリシと市川は、そんな風にチームを目覚めさせるのには充分な働きをしたと思う。もう一本モリシの惜しいヘッドもあったしね。そして試合は市川の巧みなフェイントからの低いセンタリングを我らがナカタがヘッドで決めて2-0と決めてしまった。結局、日本はこのグループ自力でトップ通過。素晴らしい。スゴイよ。
でもね、この試合、デフェンスラインには、大きな問題はなかったように思われるけれど、前半のパス回しや、所々では、不安な気持ちが残った。これで次の試合はトルコである。ブラジルでなかった事を喜んで良いものだろうか?何となくトルコは不気味である。次の試合はこんなにデフェンスラインが働かなくて良い試合になるはずがない。デフェンスラインの油断が出なければいいと思うのは、考え過ぎなのだろうか?


6/14/D組最終試合その1
ポーランドVSアメリカ
ポーランド3-1アメリカ
今大会、驚きの一つがアメリカの台東であった。世界有数のスポーツ先進国アメリカ。そう考えれば、この結果も別段不思議な事ではなかったのかも知れない。けれども同じグループの各国にとっては、驚きと困惑を隠せない事実であっただろう。まあ、見ている方には大変面白くしてくれた事を感謝したいくらいだけれどね・・・・。
彼等の活躍で最も影響を受けたのは緒戦であたったポルトガルである。偉大なるフィーゴ率いるポルトガルは、実はこの日姿を消す事になった。総ては緒戦の負けが効いてしまったのだ。もう一つの悲しい結果を招いたポーランドであるが、この試合は老舗の意地を見せた結果に終わった。元々弱いチームでは決してない。ただ、同じグループに入っていた各国がそれぞれの理由や理屈によって、ポーランドより集中力、闘争心で上回っていただけである。特にFWオリサデベ。侮れない選手である。神出鬼没、特別快速な選手である。彼も大会前にポーランドの国籍を取得した選手であるが、今やポーランドを代表する顔である。きっともっと強くなるチームである。そんな雰囲気を感じさせる最終戦であった。むろん、南米各国同様の無事帰国のための最後の粘りだったのかも知れないけれど。
アメリカは同時進行していた、韓国VSポルトガルの状況を知っていたのだろうか?負けただけなら、希望はなかったのだけれど、もう一つの奇蹟が起きてしまったためにアメリカは、再び生き返ってしまうのであった。

6/14/D組最終試合その2
韓国VSポルトガル
韓国1-0ポルトガル
この試合、引き分ければ両チームとも決勝トーナメント進出が決まっていた。でも韓国は攻めに攻め、勝ってしまった。本来欧州のカップ戦などの予選では、こう言った場合、イングランドXナイジェリアの時のような暗黙の了解による取り引きが成立しちゃうのが、まあ、変な話だけれど常識なのである。彼等は常にたくさんの覇権を同時進行で争っており、できるだけリスクを避けて、かつ高い功績を残して行きたいと考えているからだ。それを卑怯なルール違反とは一言で言い切れない。なぜなら、サッカー選手の寿命は非常に短く、トップでいられる時間も大変短い物だからだ。しかもレベルが上がって行けば、さらに 危険の度合いは増して、ケガは日常茶飯事だからである。
実は試合後分かった事だけれど、この試合の中でも、あの偉大なるフィーゴが韓国の李選手に対して、何気なくこの取り引きを提案したらしい。それでは何故、韓国はこの申し出に応じなかったのか?それは実に簡単な事が理由であった。
李選手は言葉が分からなかったのである。ウ〜〜〜〜ムである。でもしかし、李選手が言葉が理解出来たとして、あのサポ−ターの中で、あの盛り上がる雰囲気の中でその事を了解出来たろうか?ヒディングだとて、請け負えたかどうか?とにかくチームは盛り上がっているのである。サポーターはもっと盛り上がっているのである。ちょっぴり恐い程、国家主義みたいな雰囲気が漂ってしまったりもしているけれど、この盛り上がりはすごいのである。
さらに選手の体力もスンゴイのである。精神力もスンバラシイのである。大会が始まる前にこの日のこの結果を予想出来た人間が何人いるだろうか?もしいたとしても、単なる変わり者か、単なる韓国贔屓のファンだろう。
いや、一人いる。それは韓国の監督のヒディングである。このオランダ育ちの監督は、韓国と言う体力に優れるが、今一つ緻密さに欠けるこのチームをまるで催眠術にかけたように一変させてしまった。素晴らしい手腕と言って良いだろう。気の早い話だけれど、トルシェの次の監督はヒディングが良いかも知れない。まあ、韓国が離してくれないかもしれないけれど、可能ならばそれが良いと思う。
しかしねえ。ピントが一発退場して、ベトが二枚もらって退場。もう最後の方のポルトガルは、体力も気力もなく茫然自失な呈であった。あのフィーゴでさえ、急激に頬が落ちて、どうにもならない表情が、遠くを見るような目が、あまりにも悲しすぎた。
予選最終戦でのこの結果はこの大会を象徴する物でもあり、時代の移り変わりを如実に証明してしまう一戦であった。それにしてもやはり大波乱の大会である事は、間違いないね。韓国は次は手負いのアズーリである。常識的に考えれば、アズーリだろうけれど、いや、わからんぞ!この韓国の勢いとサポーターの勢い、重ねて国家の勢い、同時にアズーリの内状、つまりネスタの故障、マルディ−ニの故障、カンナバロの出場停止、選手のナーバスな感情・・・・etc.を考えあわせると、アズーリの固い堅い鍵は開けられてしまうかも知れない。もし、そんな結果が待っていたとしても、きっと僕は驚いたりしないだろう。なぜならこのチームならその可能性が充分に考えられるからだ。

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