天国にいる仲間たち
私は小金高校の1期生なので当然OBでも最年長です。
なので後輩が先に天国に行くなど考えもしていなかったので、初めて後輩の訃報を聞いたときは、相当な衝撃を受けたものです。
特に、毎週のように顔を合わせていた後輩が突然逝ってしまったときは、なかなか現実を受入れる感覚が持てませんでした。
5期パーカスのW辺、8期トロンボーンのN倉、11期のクラリネットのT口、13期トロンボーンのS土、19期トランペットのO川、皆あまりにも突然だったね。
いつも世の中を斜めから見ていたようなW辺。
独自の世界を持っていたT口。
いつもニコニコ笑顔で物静かで絶対に人から恨まれる事など有り得ないS土。
目立つ事無く穏やかに周囲を引き付けて物事を上手くまとめる名脇役のO川。
みんな今でも、普通にどこかで生活していそうな錯覚に陥ります。
なんで今になって、この仲間たちのことを書こうと思ったかと言うと、よこすか20周年や小金創部40周年という節目の行事が続き、自分たちの軌跡を振り返るときに必ず思い出すことだからです。
よこすかのメンバーに霊感の強い人がいて、あるとき「音楽室で合奏してたとき、背の高い眼鏡かけた男の人がトロンボーンを持って準備室から出てきて、合奏に入りたそうに見てた。」と言いました。
実際にその場には背の高い男の人はいなかったし、まして音楽準備室は鍵が掛かっていて誰も入ることは出来ません。
彼を見たというメンバーは小金の卒業生ではないし、年齢も離れているので亡くなった彼を知るはずは無いのですが、その特徴からすると思い当たるのは8期のNしかいません。
彼は「じゃあ、今度はクリスマス会の日に高校でね!」といって別れたのを最後に、言葉を交すことなく逝ってしまいました。
楽器が好きで、生きていたら必ずOBとして一緒に演奏するか、指揮をしていただろう彼。
小金のトロンボーンの中で1、2を争う名手でした。
酔ってチャイコの「悲愴」を聴きながら「会長!俺こういう曲指揮したい」と言って指揮真似をしていた彼。
週に一度位の頻度で会っていた彼との思い出は多く、毎週の出来事が突然止ったことによる生活の変化の衝撃は忘れられません。
彼が他界してからもご両親とは親交があり、我が家を新築したときに、オーダーメイドのレコード棚とオーディオラックをプレゼントしてくれた。
彼のお父さんは、ホテルや高級船舶などの創り付け家具などを作る職人で、彼も将来はお父さんの仕事を継ぐつもりでいましたから、ご両親の悲しみは見ていられないほどでした。
たまには皆で集まって昔話に花を咲かせ、天国の仲間たちを呼び戻してみたいですね。
(2006.8.8)
この文を書いた直後、8月14日にN倉の同期のK沢の訃報が飛んできました。
かなり長いこと会ってなかったのだけど、それこそ「便りの無いのは元気な証」と思っていたことへの後悔の念。
葬儀に集まった後輩たちと「今度は楽しいことで会おうね」と別れました。
年長組のOB会を恒例化しようと誓い、また皆と会う日を楽しみにすることにしました。
それにしても、前回のOB会のときに連絡が着かなかったのが悔やまれます。
話をしたかったよ。
(2006.8.18)