いつの間にか吹奏楽部員になっていた
私が本格的に吹奏楽と出会ったのは、中学2年生の終わり頃ですから、吹奏楽人間としては遅いデビューです。
当時、写真部であった私は、吹奏楽部の専属カメラマンを任され、吹奏楽部と行動を共にするうちに部員たちと親しくなり、部室に余っていたコルネットを貸り、いつしか演奏に参加させられる事になりました。
部員でもないのにソロを吹かされたり、顧問も何も言わずに知らぬ間に部員扱いになっていました。
この頃は戦後初期の吹奏楽ブームであり、私の中学でも吹奏楽が盛んで、大勢の部員を抱えていました。
柏市内には、柏・柏二・富勢・土・田中の、5つの中学校しかありませんでしたが、その中でも私の所属した「柏2中」と「柏中」は特に吹奏楽の盛んな学校でした。
演奏機会も多く、市内の吹奏楽部による合同発表会、マーチング・パレードなど経験を積むことが出来ました。
詳しいいきさつは覚えてないのですが、中学卒業の頃には自分のトランペットを買っていました。
まだヤマハが管楽器を発売する前の時代ですから、1本目は国産(メーカーは覚えていませんが、日管ではなかったです)、2本目がセルマーの楽器だったのは覚えています。
当時、音楽の道に進む人は、裕福な家庭の子か、音楽の先生を目指す人ぐらいでしたから、私のようなド素人が楽器を買うことは珍しいことでした。
私が楽器に熱中していたのは、この時期だけで、高校に入学してからは楽器以外のことにも興味を持ち始め、演出や編曲など裏方を楽しむようになっていきます。
このように、私と吹奏楽の長い付き合いは、多くの人とは異なるスタートになりました。