オルタネーターの国産化(1) |
CXの純正部品であるRHONE社製オルタネーターは高速型である為、日本の道路状況に多い低速走行時には充分な出力が得られず、夏季のエアコン使用時や夜間雨天時などのバッテリー上りの原因になっています。
又、日本仕様のCXは、泥縄式の典型のようなオルタネーター関連の配線取り回しの複雑さで余計効率を落としています。
そして、多くのCXでこれらの配線が劣化し、絶縁不良やショートの危険性を内在しています。
純正オルタネーターをIC内蔵の国産品と交換することにより、配線が単純になり電圧も安定して、多くの電気的トラブルから開放されます。
[実施例]
オルタネーター取付状態 |
* CX SrU オルタネーターの複雑な配線
以前から国産品では一体化されている部品が、熱対策の為か個々の機能ごとに分散設置され、無駄な配線で結ばれている。
ALT: オルタネーター本体 L:レクティファイヤー(整流ダイオード) R:ICレギュレーター
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* 配線の絶縁不良
オルタネーターからの出力線の絶縁被覆が排気管の熱で劣化して崩れ落ち、銅線が露出して緑青を吹いて(黄矢印)おり、いつショート発火してもおかしくない状態になっている。
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国産オルタネターの用意
CXのオルタネーターの回転方向はプーリー側から見て左回転です。
多くの国産車は右回転のオルタネーターを採用しています。 あえて右回転品を左回転で使用しても特に支障は無いとの話しも聞きますが、長期使用の実績は聞いていませんので保障出来ません。
左回転のオルタネーターはホンダ車で採用されています。
純正品と同じ 出力100Aのものは96年以降のプレリュード(BB6)か97年式以降のアコード/トルネオ(CF4)に採用されています。プレリュードはこれ以前のモデルの物でも大丈夫です。
ICレギュレーター内蔵なので、上記配線は不要となります。
入手はディーラのパーツセンターで可能ですが、中古品ネットから探した方が格安で入手できます。
* NGPグループ、 BIG WAVE 等
* デンソー製オルタネーター品番 : 101211-9760 又は 102211-1040
<問題点>
1. 取付部の形状が異なりますので、CXの元のエンジン本体固定ブロックとプーリーとの位置関係と合わせるためのスペーサーが必要となる。
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スペーサーは下図の位置関係が維持できる様にオルタネーターの取付部形状に合わせて作ります。上記のオルタネーターを使用する時のスペーサー形状は添付図を参考にして下さい。材質は鉄材です。
そのままで取り付く国産オルタネーターをご存知の方はご連絡下さい。
オルタネーターとプーリーの位置関係
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2. 純正品はVベルト駆動ですが国産品はVリブド・ベルト駆動なので、プーリーをVベルト対応のものに交換しなければならない。従って、純正品のプーリーを流用出来る様にプーリースペーサーをかませる。
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* 上図面の16.98±0.02は17.00+0/-0.04、 17.02±0.02は17.00+0.04/-0と読み替えてください。
このプーリースペーサーを使用する場合、ナットの締付面に座グリがある為にネジ山の懸かりが少なく強度不足となります。 そこで、ナットのフランジ面を削除するか、引っ繰り返して使うか、別の合うナットを見つけるかしなくてはなりません。
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1. Aのラインでカットするか、又は
2. Bのラインでフランジ部(赤矢)を削り取って引っ繰り返して使う(メガネレンチで締めつける場合)。
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オルタネターの仕様と図面詳細はこちら |
* 国産オルタネーターの準備作業
* 国産オルタネターからVリブド・プーリー(赤矢)を外す。
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青矢の部分に2本のメガネレンチを使いプーリーが回らないようにしてナットを緩めるのが原則である。
メガネレンチのあごが長くないと届かない場合が多いので、下写真の様にローターが回らないように六角レンチをさしこんで、ソケットコマとLハンドルを使い一気に緩める。
ローター内部の配線を痛めないように注意。
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* 写真の様に、オルタネーター・リヤカバーにあるコネクター部のIGとLの接点から配線を引き出しておくと最後の接続作業とメンテがし易い。
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* プーリースペーサーを入れて、純正品から流用するVベルト・プーリーを写真の様に取りつける。
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* オルタネーターの取付部にスペーサー(黒色)をM10/L=80〜90mmのボルトで仮止めする。
* ベルト・テンション調節用のステーにM8/L=70のボルトを下写真の様に固定し、ステー位置調整用のナットを2個付けておく。
以下の作業は
オルタネーターの国産化(2) |
に進んで下さい。
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