三島屋主人の姪おちかが、客から不思議な話を聞く百物語は続いている。
「迷いの旅籠」小作人の娘おつぎが語るのは、田んぼの神あかり様に捧げる行灯祭りの話。その年は行灯祭りが禁じられたのだが……。
「食客ひだる神」三島屋の花見に取り寄せた花見弁当を作ったのは腕の良い料理人だが、夏場は毎年休業するという。料理人が語る夏期休業の理由とは。
「三鬼」藩の江戸家老を務めていた武士が語るのは、若い頃、罰がわりに藩士の嫌がる山村の山奉行をつとめた時に出会った山の鬼。
「おくらさま」生家の守り神・おくらさまについて語った老女。おちかは怪我をして三島屋に戻ってきた従兄の富次郎と共にこの話を追いかける。
本の厚み通り、「迷いの旅籠」と「おくらさま」はそれだけで文庫1冊になりそうな分量。話の怖い度は「迷いの旅籠」が一番だなあ。「食客ひだる神」は食べ物が次々出るので、そっちが気になって(笑)。「三鬼」はつらく悲しい話。「おくらさま」は語りの話とは別に、おちか周辺の人物が動く話なので、今後の展開へのターニングポイントになりそうな感じ。
翼将たちを失いながらも戦い続けたアルスラーン王は、先王アンドラゴラスの身を借りて復活した蛇王ザッハークに対し、ついに宝剣ルクナバードを抜く!
刊行されてから1年以上積ん読してた。長年お付き合いしてきたシリーズの完結を惜しんでたわけではなく、買ったはいいけど前巻の衝撃で読み始められなかった。くうぅ!怒涛の展開すぎる。完結を焦ったバタバタ感がちょっとなー、と思わないでもないが、ともあれ完結したので。