- 2010/07/28
- 夜の虹 灰色の幽霊/毛利志生子
- 父の友人エルツベルガー男爵と面会したオリガは、犬たちの絵を依頼された。しかし、絵の完成を待たずに男爵が殺され、犯人として犬の世話をしていたユダヤ人のヤコフが逮捕された。ユダヤ人への偏見から偏った捜査・裁判が進む中、タチアーナという女性が不審な行動を。そして死んだはずの父が現れた!?
帝政ロシア時代のシリーズ2作目。怪しくてたくましいぞ、タチアーナ(笑)。そしてもっと怪しい人登場。いちおう事件は解決するけど、現代正義的にすっきり解決じゃなく、暗い側面も残しつつ、最悪を回避した、みたいなところがコバルトにしてはやや大人展開かなぁ、と思う。
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- 2010/07/25
- 花よりも花の如く8/成田美名子
- 憲人が能楽師役で初めて出演したTVドラマ「石に願いを」のメイキング編。プロの能楽師としてのこだわりと、役づくりとを追求する一方、初体験のTVドラマ制作現場独特の現場に戸惑ったり、共演者やスタッフとの交流したり。
渋い顔して超甘党のレニー役・藤井が大笑い。いーなー、京都の甘味食べ尽くしたいなー。展開としては、葉月と親密になるところのはずが、藤井と超親密になってる。それでいーのか、けんちゃん!?
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- 2010/07/24
- プラズマクラスター冷蔵庫 どっちもドア380L SJ-PW38S-N/シャープ
- 加湿器は結局スチーム式を買っておいて、なぜか冷蔵庫がプラズマクラスター(笑)。約10年前の204Lでは、冷凍室がどうにも手狭になってきたんで、エコポイントもらえるやつ。前のより電気代安そうだし。同シリーズで416Lでは、冷蔵室が大きくなるだけで冷凍室仕様は同じなんで、小さい方を。まだ全然引っ越すあてもないのに両開きドアが欲しくて。
第一印象。あー、冷蔵庫の上に載せてた荷物はどこへやったらいいのでしょう?前のは高さ130cmだったんで、上に棚載せてたんだよね。それはともかく。2月から使っての使用感。冷蔵室の棚の高さが非常に半端でー。それにドアポケットのボトル立てが前後2列なんだけど、斜めに倒れないので大変取り出しづらい。例えば麦茶ポットは太さで後列にしか入らなくて、今の時期一日何回も出すのに前列の牛乳が邪魔で。冷凍室や野菜室の上段トレーもなー。いちいち必ず出てくるしー。冷気を逃がしにくい効果はあるかも。しかし、全般に冷凍室が格段に増えたおかげで、ホームフリージングに凝っている今日このごろ。
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- 2010/07/22
- パズルゲーム☆トレジャー3/野間美由紀
- クリスマス・イブに香月がバイトで出会った高校生と大地が出会った水商売の女。命を狙われているらしい男のボディーガードや調査を依頼されたが、肝心の結婚式で殺人が。
香月と大地がフリーターしながら経験とコネを広げてる二十台前半くらい。短編4話+超短編1だけど、要約した2話が面白かったかな。結婚式の話は途中から結論が見えるけど、その時に、あっ、と思うので。
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- 2010/07/20
- ももこのおもしろ宝石手帖/さくらももこ
- 自持ちもしくはあこがれの宝石について、女同士のお茶のおしゃべり程度にうんちくを語る。知り合った宝石屋社長のびっくり採掘場探訪の話も。
巻頭に写真が載ってたので、フラッと図書館で。うんちくとしては初心者向け。書評が悪いなぁ。ビンボ臭くないから受けが悪いのかもしれん(笑)。私が知名度が低いパライバトルマリンとか知ってるのは、野間美由紀のおかげ。別の写真見たことあるけど蛍光青緑。これが好きって、すんげー趣味だな。パパラチアなんかは、スワロフスキービーズの色名で聞いたことが。そーか、サファイヤの別色だったか。
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- 2010/07/19
- イスラムものしり事典/紅山雪夫
- イスラム世界の基礎知識。預言者ムハンマドの生涯と教え、スンニ派とシーア派について、魅惑の建築、ムスリムの生活習慣と付き合い方、イスラム世界が抱える諸問題について、など。著者自身の経験と写真から。
塩野七生だの、世界遺産だのに興味があると、どうしてもイスラムについて無知だな、と思うので、手っ取り早くダイジェストで。
今のイスラム世界(や国)がうまくいかないのは、イスラム法をちゃんと守らない生活をしてるせいなので、礼拝や断食や禁酒などのイスラム法をきちんと守ろう、預言者ムハンマドの時代にかえろう、というのがイスラム原理主義であって、=テロリスト、という図式は欧米のこじつけだ、という説明はよくわかる。けど、預言者ムハンマドの時代やその直後(仏教的に言うと正法の時代)ってのは「皆がムスリムになったら争いは無くなるから、異教徒は殺すか改宗」の時代でもあるので、そこに帰ろうとすると、暴力の温床になりやすいのも事実なんだよなぁ、って思う。
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- 2010/07/18
- 怜々蒐集譚2/石原理
- 小説家の野々原は、死んだはずの妻を呼び、編集の南が受け取った原稿は同じ物がもう1部?野々原に憑いているのは……。執念の依頼で演劇家の幕翁を訪ねるはずの南はどこへ?幕翁の家の不思議とは。ずんべらぼう挿絵画家の出泉はべらんめえ女形の葛葉を呼び出した。
1巻は昔の「其は怜々の雪に舞い」の出し直しだった(ので買わなかった)けど、2巻は新作。いちおう怪奇物なんだけども、わりとサパーッと。手間がかかるのか、葛葉の女装は無かった。あと、トリオ漫才がほとんど無い……。残念。
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- 2010/07/17
- 戦国落城秘話 青柳の糸/河村恵利
- 関ヶ原の後、豊臣・徳川対立の果てに大阪夏の陣で討ち死にした木村重成、片桐且元、毛利勝永、本田忠朝、それぞれの情と決意。あと禁酒祈願の仏になった本田忠朝の墓にまつわる話。
いつもながら単純っちゃ単純だけど、ほろっとくる話ぞろい。巻末にあとがき代わりの部分系図が載ってるけど、あっちもこっちも親戚でややこしー(笑)。
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- 2010/07/15
- 純情ロマンチカ13/中村春菊
- 美咲のあこがれのマンガ家・伊集院響のサイン会@福岡に、例によってついてきた秋彦は伊集院に因縁をつける。就職に悩む美咲にちょっと光明が見え、やかましい秋彦の従妹の薫子と従弟の水樹はようやく帰っていった。テロリスト短編収録。
ウザイ水樹編が終わり。水樹の狙い所なんて、この際どーでもいーや。以前丸川書店で煮詰まってたボサヒゲ伊集院響とのギャップが見所、かな。このマンガ、食べ物のシーンがいつもひどいよなー。みるからにすごくまずそうか、ちょっとなら旨そうな物が見るのも嫌なくらい山盛りか。
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- 2010/07/13
- 世界の中心で、愛をさけぶ/片山恭一
- 中学2年で同じクラスになり、学級委員同士で親しくなった朔とアキ。高校生になると、一緒に居るのがごく自然になった。オーストラリアへの修学旅行を前に、アキが病気におかされ、辛い闘病の果ての死を迎えると、朔は世界の意味を感じられなくなり……。
たまには世間的なベストセラーでも読んでみようとしたら、図書館で文庫は貸し出し中だったので、ハードカバー。タイトルのインパクトに比して内容は……超フツー?恋人がいる世界は輝いて見え、恋人を亡くした世界は無意味に思える。でも、元から無かったのとは全然違う、みたいなテーマなんだけども。どこが良くてあんなに売れたんだろ?薄いから頑張って読めたけど、いっそ映画の方が良かったかも。たぶん、朔が「助けてください」ってとこは人情として泣けるシーンだと思うので。あと映像とか音楽とか。
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- 2010/07/12
- 銀漢の賦/葉室麟
- 少年時代からの友人であった家老の松浦将監と、郡方の日下部源五は、長く絶縁していたが、視察に訪れた将監を源五が案内したことをきっかけに、農民の十蔵とを加えた少年時代からの思い出や事件を振り返る。そして今、藩主の愚挙を止めるため、将監が最後の命をかけて行動を起こそうとしていた。
月末月初の新刊まとめ買いついでに、つい。いくつかの漢詩を要として、少年時代に仲良しだった身分違いの3人が、大人になって立場上、対立しつつも、心の底に友情を保ち続ける様を、物語進行時点と行き来しながら、男の友情!侍の矜持!さわやか!って感じで。
そういえば、NHK大河ドラマ龍馬伝では、まるで上士、下士っていう区別は土佐藩にしか無いみたいな言い方をするんだけど、土佐では上士=山内系、下士=長曽我部系っていう線引きのせいで差別がひどいってだけで、他の藩にだって上士、下士って区別くらいはあるよねー。そこんとこちょっぴり解説入ってる。
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- 2010/07/11
- うちのポチの言うことには2/橘裕
- ちょっぴり世間を知った花織お嬢様は、友達の園ちゃんに誘われて海に行きたい!だから水泳も特訓するし、水着も買いたい!高月家では、一人娘の花織を守るため、本人の知らないうちに戌井兄弟の間でムコの座争奪戦が開始されてた。
コスプレの巻。ポチ、ポチとろくでもない扱いされてるようでいて、実は花織の世間知らずをいいことに好き放題してるよね、遙くん。橘裕作品の男どもは、そろいもそろって囲い込み・監禁型だからなぁ。
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- 2010/07/08
- ナポレオン千一夜物語/藤本ひとみ
- コルシカ島の名ばかり下級貴族の息子から革命の寵児となってフランス皇帝にまで上り詰めたナポレオン・ボナパルトが、スペインでの戦争を前に、愛人のマリー・ヴァレフスカに、生い立ちから、家族のこと、軍で出世する道のり、浮気と浪費で名高い悪妻ジョゼフィーヌ、苦労しつつも道を切り開いてきた来し方を語る。
藤本さんのナポレオン像はだいたい固まってて、良妻型のマリーに亭主関白ぶってみたり、甘えてみたりするナポレオンの自慢たらしい語りにそのキャラクターが表現されてる。マリーやジョゼフィーヌについては、「皇帝を惑わせた女たち」や「皇后ジョゼフィーヌのおいしい人生」に詳しい。
この本のまずいところは、キーフレーズが太ゴシックになってるとこ!「デキる男の思考法」みたいな成功の秘訣っぽい文章はゴシックついてるけど、小説的に重要でもダメ男っぽい言葉は地の活字なんだよ。ビジネス書ですか!?小説として興をそがれることこの上ない。
ところで藤本ひとみといえば、これまで歴史物はフランス革命だの、ジャンヌ・ダルクだの、せいぜいレオナルド・ダ・ヴィンチというヨーロッパ史ばっかだったのに、先日突然幕末物の「幕末銃姫伝」って本を出したらしい。また図書館かな。
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- 2010/07/07
- つくもがみ貸します/畠中恵
- お紅と清次、姉弟2人で細々営む損料屋(レンタル屋)の出雲屋には、百年から大事に使われて付喪神になった品々のおしゃべりが日々かしましい。人とは直接会話しないのが決まりごと。あちこちから持ち込まれる相談事や、お紅が捜す香炉について、貸し出されては情報収集する。
損料屋については山本一力の損料屋シリーズの方が詳しい。人情ものの短編連作でそれぞれ別の主題があるんだけど、全体を通して、お紅は昔の因縁から香炉を、その縁につながる人を捜してて、最後にこの話にどう結末をつけるのかがキモ。ツクモガミーズは直接人間と会話しないと言いつつ、聞かせるようにおしゃべりするので、ほとんど会話してるも同然。
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- 2010/07/06
- 花や散るらん/葉室麟
- 京都の農村でひっそりと暮らす雨宮蔵人と妻の咲弥、幼い娘の香也は、公家の中院家との縁から、桂昌院への授位にまつわる陰謀、赤穂浪士討ち入りなどの事件に巻き込まれてゆく。
新聞に書評載ってて気になったので、図書館で待つこと4ヶ月半。松の廊下刃傷事件の原因を単純な怨恨ではなく、公武や大奥の対立構図から飛び出た形にする話と、家族の小さな幸せを求める雨宮一家を経緯にしている。この作者の別の本読んでみようかな、と思える。直木賞作家にならないうちに(笑)。
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- 2010/07/02
- 屍鬼1〜5/小野不由美
- 閉ざされたような外場村で尊敬を受ける寺の静信、医師の敏夫。転居してきた不思議な一家は、村人達と断絶しているわけではないのに、一線を画した感があった。ある時から、次々と村人が死んでゆく。これは疫病なのか?
たぶん、あらすじに要約しちゃうとそれほど意外な結末じゃないんで、「え、そーゆーオチなの?」という書評があるけど、思うに人間関係とか、心理描写とかの緊迫感や焦燥が面白い小説なんで。
本屋でうろうろしてたら、コーナーができてて、来週からアニメがノイタミナで放映だと気づいた。
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