- 2010/01/31
- 花の歳月/宮城谷昌光
- 時は漢。血筋こそ名門ながら、今は貧乏で牛も飼えない竇(とう)家の娘、猗房(いぼう)は、宮女に推薦された。わずか10歳で家を出て、初めて見る県城へ、そして宮城のある長安へ。皇帝の母、呂太后が権勢をふるう宮廷から、次なる運命へと押し出される。
図書館行ったついでに、借りてみた。宮城谷昌光を読むのはたぶん初めてなので、小手調べに短いのを。漢字に凝ってるらしいけど、見て真っ黒な凝り方じゃなく、ポイントに効かせて、文体はむしろ平易。これなら大長編とかでも読めそうな気がする。どうでもいーけど、文庫なのに活字が大きめ?
めでたしめでたし終わりだったので、ちょっとびっくり。
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- 2010/01/29
- ローマ亡き後の地中海世界 上/塩野七生
- 最後の預言者マホメット(ムハンマド)の布教から、短期間に破竹の勢いで支配地を拡大し、北アフリカからスペインまで支配するようになったイスラム教勢力。海賊活動を産業としてしまった彼らとの共存は考えられないキリスト教勢との間で、地中海の制海権を手にするため、イタリアとアフリカの間に浮かぶシチリア島の支配権をめぐり、長い長い戦いが始まった。
去年4月に図書館で予約して、よーやく順番が回ってきた。下巻は1〜2ヶ月先かなー。
シチリア島やティレニア海(イタリア半島の西側)側の西地中海の事情が中心。アドリア海(イタリア半島の東側)以東の事情は、「海の都の物語」で書き尽くして重複するから、ヴェネツィアと東地中海事情はそっちを読んでくれってことになってる。イスラムにはイスラムの言い分があると思うが、いちおうローマ、イタリア、ひいてはヨーロッパ側からの視点で書いているので、前半は特にサラセン人(北アフリカのイスラム教徒)海賊に襲撃されてもなすすべがない無力感が迫る。聖ヨハネ騎士団とかは読んだことあったけど、第三章のキリスト教徒奴隷買い戻し活動は初めて知った。
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- 2010/01/27
- 献血解禁したものの
- イギリスに2回旅行したことがあったので、俗に言う狂牛病対策で献血できない体だった私。しかし、今日の日赤の新聞広告によると、1ヶ月未満短期滞在の人は、今日から制限解除になったらしい。これで私も献血できる体に。……あー、ただし、血圧が足りてれば(笑)。あとは、インフルエンザの予防接種もしたくない注射嫌いの私が、血を抜く勇気が出たら。
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- 2010/01/26
- これが「週刊こどもニュース」だ/池上彰
- NHK「週刊こどもニュース」初代お父さん役で一躍有名になって、NHK退職後、フリーのジャーナリストとして活躍中の池上彰が、ニュースを子どもに伝える工夫と難しさを語る。こどもに分かるたとえ話、模型、寸劇、こどもレポーターの取材のありさまなど。ミニコラムとして、知ってるようで知らない言葉の解説も。
番組は今もけっこう毎週に近く見てるけど、やっぱ池上お父さんの時が一番良かったな。政治も金融もよくわっかんなーい、な私も、番組で初めて理解したことが多々あるので、ふと本屋で見かけて買ってみた。池上さんが、まだ番組でお父さん役をやってる当時の本なので、ネタがちょっと古いけど、歴史は連続してるので、今のニュースの理解にもちょっぴり役立つ。教科書で習って言葉だけ知ってることを、ニュースや実際の暮らしと結びつけて理解させる難しさが色々。
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- 2010/01/24
- 世界画廊の住人 地下迷宮の物語/栗原ちひろ
- 世界の秘密を知って、深淵派から逃亡中の錬金術師・カルヴァスは、故郷のカサネに戻ってみたものの、記憶にあるはずのものが、いまひとつ信じられない。そこで出会った陽気なオドの手伝いをさせられているうちに、街の秘密を隠す地下迷宮へ連れて行かれた。
創造主の絵、というある種の魔法で現実がどんどん変化する世界に、今度は言葉が加わって、もー、夢でも見てるみたいに設定がぐるぐる変わっちゃう不思議な話。普通の小説気分で読むとめまいがする。主人公が別の人になった別話だけど、前巻とつながってるので、読んどかないと、さらにわけが分からない。
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- 2010/01/23
- うちのポチの言うことには1/橘裕
- 由緒ある家柄で今でも社長令嬢の花織。高校に通う条件はボディーガード同行。幼い頃に意地を張って以来、ポチと呼んでるボディーガードの遥が超過保護なのには、深い深〜い理由がある。
中庭組にはたぶん不評の甘ったれヒロイン。べつに現実なわけじゃないので、かわいいだけでいいと思うんだけどなぁ。っていうか、無表情ボディーガードの鉄壁をぶちこわすのは脳天気パワー、というギャップを楽しむ話なので。「Honey」のヒロインが「もしかしてヴァンプ」の主役だったらこんな感じ、みたいな話。
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- 2010/01/21
- 後はマのつく石の壁!/喬林知
- ダルコで冤罪なのにいきなり牢獄行きになったユーリたち。牢獄には黒髪仲間がいる?それに宗教っぽい何かが隠されているみたい。魔王ユーリの留守を守る眞魔国では、アニシナが城を仕切っていた。しかし、留守居幹部の前に廟にまつられていたはずの眞王が姿を現し、なにやら画策をしている様子。対する毒女アニシナは!?
「おーい、○○!一緒に眞魔国に帰ろう!」編かもしんない。有利がそればっか言ってるよ。あとー、ヨザックが雪ヨザ……雪グリの方が語感がいいかな。がんばれアニシナ!「ちでじ」とか無理矢理ギャグも大人しめながら健在。
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- 2010/01/20
- 三千世界の鴉を殺し15/津守時生
- ルシファードは、朝からサラディンと共に軍病院長を襲撃。病院の各科主任らと楽しく不穏に語らう。バーミリオン星の陰謀に対する特別プロジェクトに戻って打ち合わせや指示を飛ばした後、マルチェロとしばしの昼食。女たらしのワルターと元妻・メリッサの復縁プロジェクトの中編も収録。
後ろ半分以上がワルターとメリッサの外伝なんで、本編はちっとも進んでない。だいたいこの5冊くらいで何日進んだっけ?3日くらい?外伝は、トラウマを克服して幸せをつかむのは自分の心、って感じの心療カウンセリングっぽい話〜。でもちょっとはホロリとくる。ヘタレすぎだぞ、ワルター。サラディンが蓬莱人らしい力持ち発揮!かっこいいぞ。外伝の主要舞台になってるバーのバーテンと常連の少佐、あからさまに腐女子の妄想を誘ってるよなー。
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- 2010/01/19
- 孤宿の人 上,下/宮部みゆき
- 阿呆のほう、と名付けられた幼い娘は、親の因縁で江戸から金比羅参りに行く途中で置き去りにされた。一旦は医者の家に引き取られたものの、医師の娘・琴江の死により、この家からも出され、女引手見習いの宇佐と出会う。折しも丸海藩領内では、惨事を引き起こし、江戸から預けられた加賀殿と呼ばれる高貴な囚人の祟りに怯えていた。
9歳まで誰にも構われずに育ったほうが、丸海に来てから皆に構われて、心が成長する物語、かな。やさしくされた分を真っ直ぐに返し、こざかしい誤魔化しをしない、ほうの素直さが、陰謀を企み、迷信に振り回され、黒を白と言わねばならない大人たちの葛藤と対比される。宮部流の多視点進行も見事。「あかんべえ」に近い系統だけど、お化けは出てこない、あくまでも普通の人たちの話。
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- 2010/01/18
- 龍陽君始末記2/青木朋
- 纏足をしていない大足のため、普段は男装して龍陽知県の手伝いをしている来嘉に、犬と共に近づいてきた夷人は、企みを秘めていた。
過去編もありの6短編。俺様少年だった時代の天麟がヒドイ(笑)。大人になってもタカビーだけど、キツい中にも心配りが。建具屋の話がナイス!扉の透かしがよぅ。
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- 2010/01/16
- XXXHOLiC16/CLAMP
- 侑子が消えた店で、四月一日は侑子を待ち続けると決めた。数年後、百目鬼は大学生になっていたが、四月一日は店で侑子の代わりに客の願いを聞いていた。依頼人が訪れ、鳴らない三味線が持ち込まれた。
数年後、のとこからタイトルが「XXXHOLiC籠」になってるわ。四月一日が〜、わーたーぬーきーが〜、ブラック四月一日になってるぅ〜。「ツバサ」と合わせ読んで、ふと考える。侑子が四月一日をバイトに無理矢理雇ったのって、逆光源氏計画?
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- 2010/01/14
- 亡者の銭 足引き寺閻魔帳8/澤田ふじ子
- 若い石工の市助は、なにかにつけて先輩石工たちから暴行されていた。小頭の辰三が気にかけていたが…。(亡者の銭)祇園社へ奉納した帰途、油問屋柳屋の主と小僧が、足引き寺を名乗る男たちに襲われた。地蔵寺の面々は、名を騙られたと知り…。(騙りの末期)
著者あとがきを見ると、平成二十年初春となってる。たった2年で文庫化とは嬉しい。と喜ぶべきか、2年を「たった」と言う年齢を嘆くべきか。それはともかく、元ネタの相撲弟子暴行死事件などは、まだ記憶に新しい。作者の怒りが多作のパワーなら、小説を次々読めることに喜ぶべきな、ネタの多い時世を嘆くべきか。
ところで犬の豪はますます人化してきて、心中述懐しまくり。活躍度も高く、そろそろアオリも「四人と一匹」じゃなく「一匹と四人」?
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- 2010/01/13
- フェアトラーク寓話 万聖節のラルフェ,コルマ城の執事/沖麻実也
- 幼い頃、悪魔の城に招かれたラルフは、7年後、再び悪魔の城に行くために2つの約束をした。(万聖節のラルフェ)主の外出を見送ったベルタは、密かに城内にいるはずの子供を捜していた。(コルマ城の執事)
昔々その昔に出たコミックス+単行本未収録追加で、ラルフ編とベルタ編に再編分割。雑誌で見たフルカラー短編「コルマ城の執事見習い」がカラー口絵だけども、もしかして最後のページ増えてる?
ラルフの話は完結してるので、追加分は、ほぼベルタの話。思わせぶりにリリスの血が話題になるけど、なぜリリスが忌まれるのか全然語られず謎のまま。ヴァラファールは格好いいのに、改めて読むと、ちょっとぼんやりさん?ストーリー自体は、今どきのマンガならありがちな話かな。でも絵が、流し目が、アングルが、細部が、画面全体が、見てるだけで幸せ〜。以前、特製カレンダーのちっさいベルタの絵にサインしてもらったぁ!
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- 2010/01/12
- 加湿器 SHE35FD-W ピュアホワイト/三菱重工
- 風邪ひいた時、鼻の奥がツンツンしたので、これは必要かな、と思って。ためしてガッテンで湿度40%以下はウイルスが、60%以上になるとカビが繁殖しやすいと言ってたので、センサーで湿度調節できるやつ。ついでにガッテンによると、石油ストーブやガスストーブのような燃焼系は、燃えると水が出るので加湿器不要とのこと。
本当は流行のSとかPとかのイオン除菌付きが欲しかったんだけど、デカい!あと、店員の説明では、ハイブリッド式とかは、気にする人には送風が寒く感じられるっていうので、スチーム式にしちゃった。スチーム式は電気代高いけど、適湿になるとセンサーで止まる機種なら、多少省電力かと思って。あとは、値段とか、水タンクの口が大きくて洗いやすい方がいいとか、2部屋開け放ってるので加湿パワーとか。
使用感としては、おまかせだ運転と気温によって適湿が変わるので、一律50%のエコ運転の方が使いよいかも。電源切ってても湿度30%以下になると最初にアラームとドライマークが出るのが、ちょっと余計なお世話?
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- 2010/01/11
- ボーズラブ!!!/マツモトトモ
- 二人暮らしだった祖父を亡くし、住む家も無くなった、おっとこまえの遙(19歳)は檀家の縁で寺に居候することに。檀家に人気の住職は27歳、イケメン、美声、そして金の亡者!?だけど遙は寺に馴染むため努力の毎日。
空きページの柄が一面の「BL」模様だったとしても、タイトルに「イ」が入ってないのは誤植じゃありません(笑)。わりとストレートに「ラブ!!!」だし。悩む照井さん、もっと登場してほしいくらいで。マツモトさんて、フェロモン男好きなんだなぁ。それにしても、よりにもよってなんでボーズ……。タイトルに「1」ってついてないけど、続いてんのかな?終わりかな?
細かくて申し訳ないけど、竣工のビルが有名すぎる都庁なのはちょっとどうかと思うです。もちょっと無難なビルがイロイロあるじゃん。
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- 2010/01/08
- プリンセスハーツ 誰も代わりにはなれないの巻/高殿円
- アジェンセン公国が法王との駆け引きをする中、僧兵騎士だった過去に追われたマシアスが姿を消した!大公のルシードは、国の駆け引きに悩み、身近な人たちとの関係に悩み……。大公妃としてルシードの役に立ちたいジルだが、農作業も毒も陰謀もやめて服を新調しろと言われても。ジルの姉・キキの短編も収録。
マシアスの可愛いティアラちゃんは、猫でしょうか?犬でしょうか?
ルシードとジルが、じれったさ全開なんだけど、そもそもお互い、相手の言葉の断片を、自分の(悪い)想像にあてはめて聞いてるので、どっちも早とちりで誤解して、まったくまともな会話が成立してないよ。そんなわけで今日の標語は「人の話を端から端まで聞こう!」
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- 2010/01/07
- 迷異家 人工憑霊蠱猫/化野燐
- 美袋学園で小夜子たちが拠点としていた美袋玄山研究所が燃え、美袋学園が、学園都市が、そして刑部市が……。撤退した小夜子たちが身を寄せていた遠野の迷い家で鬼神と戦ううちに、白石は妄想記述言語の本質に気づき始めていた。
話としては妖怪物の一種、かな。京極夏彦の「怪」仲間みたい。1話目をマンガ化するらしくて、マンガ向きだと思う。視覚的に楽しそうというか。
小夜子が、どえれぇ白石ラブ
モードです。最初もっとクールじゃなかったっけ?最近はすっかり熱血なキャラになってるよ。ところで白石君、ちょびっと死んでます。有り体に言うと、雪ギュン@きっとマのつく陽が昇る!状態。
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- 2010/01/05
- こばと。4/CLAMP
- 沖浦が現れ、藤本くんとの喧嘩を止めたこばと。こばとが藤本を思いやる、その気持ちは。いおりょぎさんの元にメッセージが届く。いおりょぎさんが縫いぐるみにされた、過去の罪とは。
ぼやぼやこばとちゃんに、ようやく恋の兆し。これから「お約束」なボケが沢山出るのでしょう。いおりょぎさんの友達が過去を語るので、過去がだいたい明らかになりました。つか、琥珀ちゃん@Wishも出ちゃって、まー。CLAMP世界がつながってるのは、いつものことだけどっ!
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- 2010/01/04
- 新・特捜司法官S−A10/麻城ゆう
- セドナの養父母が殺された!残された防犯カメラに映った姿は、あの仙人!しかし秋津たちには、ネオヒューマンを擁護する仙人が犯人だとは、信じられなかった。真犯人の目的とは、そしてセドナを守りたい秋津の出した結論とは。全解決後の後日談収録。
完結です。とうとう、アレがあんなことになったり、アノ人がこんなことになったりして、思い切りよい結末に、わー!秋津が、表だってはいないけど、実は全ネオヒューマンのパパ的存在に。ついでに声優業本格開業か?
前巻で、仙人の正体の予想が外れたと思ったけど、多少はかすってた……かな?(<-無理矢理)マンガシリーズの登場人物で、最初は人助けしてたので六道リィンかと思ったら、なんか電脳に強い人らしくなったので、「シャーロキアン・コンピュータ」(文庫5収録)の人かなー、と思い直してて。当人じゃなかったけど、ちょっと関連ありなので。
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- 2010/01/02
- 人形宮廷楽団3/由貴香織里
- スパイとして女子修道院に潜入中のルチルとセレス。彼らが見た修道院の秘密とは。修道院を後にした一行は、ロードナイト公爵家に立ち寄った。女王と対立する元老院派の公爵家には、人形をモデルにした狂気の彫刻が並んでいた。
えー、徐々に過去が明かされつつあります。ルチルは段々善人っぽい面を見せてますが、チラ見せしてる暗黒面は、まだまだ隠されたまま。変装、という名のコスプレ、好きだよねぇ。衣装に関しちゃ、やりたい放題、が身上なんだね。今回、衣装に力が入ってるスピネルのロリ声って、誰を想定してるんだろ。CDドラマ化を狙ってるのかなー。
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- 2010/01/01
- あけましておめでとうございます。
- 横浜港の象の鼻パークで汽笛を聞いてきました。
本年もよろしくお願いいたします。
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